韓国の大ヒットレストランアプリ「MangoPlate」ーーユーザーから絶大な信頼を置かれている理由【後編】

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VCから610万米ドルを調達したスタートアップ、MangoPlateの共同CEOであるJoon Oh氏にe27が今後のプランを聞いた。
インタビュー前編はこちら:韓国の大ヒットレストランアプリ「MangoPlate」ーーユーザーから絶大な信頼を置かれている理由【前編】

MangoPlateのCo-CEO、Joon Oh氏
MangoPlateのCo-CEO、Joon Oh氏

MangoPlateが他のプロダクトと違う点

それはまさにパーソナライズされたおすすめ情報である。これはMangoPlateが踏み込んだ主要機能の1つで、Oh氏が言う通り他のディレクトリやフードブログとの違いをもたらしている。他にも、「信頼できるレビュー」「行ってみたい」「チェックイン」「フォロー・フォロー中」「ピック」といった機能がある。FoursquareのクラウドソースのレビューリストとSwarmのチェックイン、Instagramのフォロー・フォロー中、PopularやExploreのページとYelpのレストランディレクトリが全部合わさったようなものだと考えてほしい。

夕食での会話は、まだまだつかみきれていない大きなビジネスチャンスがあることを実感させてくれた。「大手企業は政府の狙い撃ちにあいました。NaverとWingSpoonです。政府は狙い撃ちにしたのです。その理由は、韓国政府がスタートアップ経済を加速させたいと考えているからです。もしNaverがあらゆる分野、 つまり検索、ファッション、不動産、レシピなどあらゆるローカルサービスに手を伸ばすと、つまり全サービスに手を伸ばすとどうなると思いますか 。他に誰も同じことはできません。あのような大手企業は検索を独占していますので、検索で独占力を持っているとその力を使って、容易に拡張していくことができるのです。Naverは、おかげで美しく舞台から降り、MangoPlate(のようなスタートアップ)にチャンスを提供してくれました 」と、Oh氏は述べる。

「信頼性という問題で、他の分野での競争はMangoPlateほどうまくいきませんでした。(中略)以前、こうしたサービスの中には大成功を収めて大金を手にした後、ユーザの信頼を失って落ち目になりました。消費者の信頼を一度失うと、後は転げ落ちていきます」とOh氏。

現在のところ、MangoPlateはアプリを使うユーザ、そしてレストランオーナーにも課金していない。全てのコンテンツはアプリユーザからのもので、Oh氏によると同スタートアップはレストランのランキングやレビュー情報を操作していないという。おすすめ情報をユーザーごとにパーソナライズするという機能は、同社が収益のために特定のレストランを評価することを思い留まらせる要因にもなっている。アプリで結果を友達同士で見せ合ったときに内容が同じだと騙されたと感じてしまうからだ。ユーザは代金を支払うわけではないが、信頼と時間は費やしてくれている。ずるいと思われたらアプリを2度とは使ってくれなくなる。

現時点における、収益ゼロモデルのメリット

Oh氏が言うには、スタートアップとしての資金調達はいつも難しいものだが、現在実践されているMangoPlateの収益ゼロモデルは資金調達を易しくも難しくもしなかったという。KakaoTalkやFacebookといったサービスの到来を受けて、投資家はMangoPlateのような企業は収益をあげる前にトラフィックを構築し顧客を獲得しなくてはいけないとみている。 そのため、収益を生み出していない企業の資金調達が可能になっている。

「簡単ではなかったと言っているわけではありません。しかし、そうは言っても他のスタートアップよりも困難だというわけではありません」彼は付け加えた。「なぜなら、投資家はあなたのビジョンを信用する必要がありますし、それこそがCEOとしての仕事なのです。あなたの会社に投資しようとする人物を説得するのです。彼らは単にアイデアに投資しているのだけではなく、チームに対してもまた投資しているのですから。」

しかし、実行すべき収益モデルや戦略がないという理由だけで、Oh氏や共同設立者たちがそれについて考えていないとか、この企業はこのまま変わらないだろう、とは言えない。遠い未来に、MangoPlateがデリバリーのようなフード関係サービスとプラットフォームやリソースをシェアすることを織り込んだ収益シェアモデルによって利益を生み出す道があるかもしれない。もしくは、この企業はビューティー業界など他の業界に参入するかもしれない。

今後の計画

「この分野でいったん優位に立てれば、モバイルサービスを必要とするようなネイルやヘアメイクといったビューティー業界、医療業界に参入しやすくなるだろうと考えていますし、どこかで事業を始めたいですね。どの業界かはわからないですが、ユーザーには自分たちのオススメ情報やレビューを信頼してもらえたらと思います。」とOh氏は語っている。

多くの人は、車のサービスを受ける場所、トレンディーなペットカフェを見つけるのに大手検索エンジンNaverやそのブログ、あるいは友人たちを頼りにしているが、それは面倒なときもある。 「当社の初めのころは、『ディスカバリー(発見)でいくか、デリバリーにするか、リザベーション(予約)、すべてにするか』といった状態でした。それで、一度にすべて対応したいと思ったのですが、ディスカバリーそれ自体が大きな市場です。だからこの市場を実際に支配する必要があり、そうすれば周辺業界に広がっていくのです。ですが、デリバリーは別です。ここは既存のプレイヤーと提携していきたいです。優れた既存事業者がいて、そのサービスにはとても満足しているからです。その場合、私は既存事業者と組んで収益シェアができる一種の取引をしたいと思います。デリバリーはその点で違うと思いますが、リザベーションに関してはうまくいくのではないでしょうか。この分野は透明性が高く、リザベーションの市場に入っていくのは難しくないからです」と、Oh氏はまとめた。

ただし今のところ、MangoPlateはレストランと韓国で手一杯な状態だ。

【via e27】 @E27sg
【原文】