本稿は招待制カンファレンスB Dash Campの取材の一部である。
昨日から開催されている招待制カンファレンス、「B Dash Camp 2015 Fall in Kyoto」で日本勢と海外勢を含む23組のスタートアップによる熱いピッチバトルが2日間に渡って繰り広げられた。決勝に進んだ10組のスタートアップは韓国勢7社、日本勢2社、SEA勢1社で、優勝者の栄冠を手にしたのは「Repro」となった。
Repro
モバイルアプリ分析・マーケティングツールを提供している日本のスタートアップ。定量分析の他、ユーザーの画面操作を動画で可視化できる定性分析や、プッシュ通知・アプリ内メッセージ配信などの機能を利用することができる。
現在導入実績として11カ国から852アプリに使われており、課金率は4.3%だという。
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以下、アリーナにチャレンジしたスタートアップたちをご紹介する。
Blue Night
Blue NightはAlbamというリテールのの従業員向けにビーコンとモバイルアプリベースでシフトを管理できるツールを開発している韓国のスタートアップ。システムはビーコンを利用して実際の従業員の建物の入退出を記録し、マネージャーやオーナーはそのレポートを確認することができる。
利用価格は月々9ドルからで顧客対象は、レストラン、ストア、バー、サロンなど。現在の導入社数は韓国で1316店だという。
Fluenty
ディープラーニングの技術を利用し、モバイルでの返信文章そのものを予測し、候補として出すことができるTALKEYというシステムを開発している韓国のスタートアップ。
システムはスマートウォッチ用のアプリケーション、コネクテッド・カー、IoTデバイスなどで利用されることを想定しているという。
ジャッジのORSO坂本氏によるビジネスモデルは何ですかとの問いに対し、アフィリエーションと開発者向けのAPIという答えであり、アフィリエーションの方は現在LGと話が進んでいるという。
Konolabs
人工知能を活用したモバイルスケジューリングアプリを提供している韓国のスタートアップ。Konoの人工知能エンジンはユーザー行動、カレンダーのイベント、ソーシャルメディアなど複数ソースからのデータを理解し、学習していくことができる。
Konoを利用すれば2分以内にミーティングのセットアップが完了するという。ローンチしてから1ヶ月で月間3000ユニークを獲得、ビジネスモデルはチーム向けのSaaSと、広告を予定しているという。
Seerslab
動画をデコレーションしながら編集することができるlollicamというモバイルアプリを開発している韓国のスタートアップ。GIFアニメーション、ビデオフィルター、顔認識システムによるムービーステッカーの自動適用などの機能を持つ。
70万ダウンロードを4ヶ月で達成したという。
WATCHA
WATCHAは映画、TVドラマ、アニメ、漫画、本などのコンテンツのためのレコメンデーションサービス。ユーザーの評価や好みによってパーソナライゼーションさせることができる。ユーザーがコンテンツを消費する前にそのユーザーの評価を予測として出すことができる機能を強みとしている。
韓国でのユーザー数は160万で、先日日本版のアプリをローンチ。ビジネスモデルとしては広告と動画配信サービス向けにデータベースのレンタルを考えていて、Netflixのような動画配信サービス提供も予定だという。
Lineable
子供が行方不明になる状況などのためのスマートリストバンドを開発している韓国のスタートアップ。スマートバンドとモバイルアプリから成り立っていて、Bluetoothの距離で追えなくなる(20-30m)際のアラートと、クラウドソーシングGPSの2つのメジャーな機能が存在。
クラウドソーシングの方は、Lineableのアプリを持つユーザーが増えれば増えるほど、行方不明の状態のバンドを付けている子供が近くを通ったときにアラートがより起こりやすくなるという仕組み。ビジネスモデルはサービス利用の月々課金を予定。
FuturePlayのJung-Hee Ryu氏の競合優位性はという質問に対し、競合のTILEは25$なのに対し、Lineableは9.99ドルで提供していくという。
Evain
アドレス帳に入っていない番号からの電話のユーザーの情報を見ることができるモバイルアプリを提供している韓国のスタートアップ。知らない番号に対する被害は韓国で200億、日本で300億円の損害になっており、Evainはこの市場に切り込んでいっている。
これまでに韓国で800万ダウンロードとApp Storeで6週間連続一位を達成。Pinehurst AdvisorsのMark Hsu氏の競合優位性は何との問いに対し、競合のTruecallerとの差別化として、多数の口コミの情報が正しいのか間違っているのかのパターンの分析モデルを持っているという。
Omise
様々な言語に対応しているウェブ・モバイルベースのペイメントゲートウェイAPIを開発しているタイ拠点のスタートアップ。同社のサービスは初期費用なし、24時間以内にオンラインで審査を終え、すぐに利用開始することができるという。
現在タイでは400%の月次成長であり、2400店舗に導入されている。今年の年末までに100億円のトランザクションを見込んでおり、来年の早い段階までに10カ国に広めていきたいという。
e27のThaddeus Koh氏のインドネシアのマーケティング戦略はどうするのか、という問いに対してインドネシアのBankと提携しており、ブランドを担保して営業の障壁をさげているという。
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Zpeer(ズピア)
動物病院の獣医師を対象にしたコミュニティサイトを開発している日本のスタートアップ。重医療に関する最新情報、動物病院の経営に関する相談やプライベートな話題を共有することができる。
同社はコミュニティサイトで得たデータを動物病院に医薬品や療法食等を販売するメーカーに対して販売したり、製品の広告などのマーケティングサポートを提供している。
ローンチしてから2年以内で全国の獣医師の42%に使われており、クリニック数にすると1万以上だという。
特に狙っている領域は、というC Channel森川氏の質問に対して、周辺のメディアやコマースプレイヤーを取り込んでいきたいという。
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