7,000社が利用中の統合型ユーザーサポートサービス「Intercom」の仕組み、解説します【ウェビナー】

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Image Credit : Intercom web site

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定期的にお送りしているエンタープライズ(主にB2B)向けオンラインビジネスの調達ニュースから、特に注目したいビジネスについてその状況などを掘り下げます。初回となる今回は先日シリーズCラウンドで3500万ドルを調達した、ユーザーとの統合型コミュニケーションツール「Intercom」について、本誌ブロガーでアーキタイプ所属の鈴木大貴さんに解説頂きます。

聞き手の平野
まずこのシリーズのお決まりなので改めてご紹介から。鈴木大貴さんは現在、インキュベーションを手がけるアーキタイプに所属する傍ら、若手ブロガーとしても活動されているお一人になります。
鈴木大貴さん
みなさん初めまして。主に本業でもB2B方面を担当していることもあって、そのビジネスモデルなどを日々探求しております。
聞き手の平野
では早速、いつもエンタープライズ向けの海外企業動向をチェックしてもらってますが、もう少し掘り下げてほしいという声もありまして、今回からこういう解説もお願いすることになりました。
鈴木大貴さん
初回はIntercomですね。これは一言で言うと「ユーザーとの統合型コミュニケーションツール」で、ユーザーの動きをリアルタイムに分析したり、エンゲージメントを向上させるためのサービスをワンパッケージで提供しているのが特徴になります。競合となるのはこちらの方々。

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聞き手の平野
いわゆる組み込みのサポートチャットツールですね。CrunchBaseみたらこれまでに6580万ドルも資金を集めてました。
鈴木大貴さん
2011年にアイルランド出身のチームで創業して、500Startupsに採択されています。ちなみにCTOのCiaran氏はアイルランド出身でトリノオリンピックを目指すアルペンスキーの選手だったそうです。
聞き手の平野
屈強そうですね。
鈴木大貴さん
同サービスが伸びてきた背景に、彼らを利用するサービスのビジネスモデルがあるんです。
聞き手の平野
7000社も使ってるんですね。中にはInvisionやShopifyといった有名どころもあるようです。
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Image Credit : Intercom web site
鈴木大貴さん
通常、SaaSのようなユーザーから直接課金するモデルを採用するWebサービスの場合、まずフリープランから使ってもらい、いかに課金ユーザーになってもらうか、また離脱なく継続的な課金ユーザーでいてもらうこと、さらにはより高単価な上位プランのユーザーになってもらう…、といったことが成長の重要なポイントになります。
聞き手の平野
フリーミアムモデルですね。
鈴木大貴さん
つまり、サービスの質が高ければユーザーが紹介で新規ユーザーを呼んでくれるといったこともあるため、顧客と適切なコミュニケーションを取り、サービスの品質を高めていく努力がこれまで以上に求められている、という背景があります。
聞き手の平野
なるほど。
鈴木大貴さん
例えばあるユーザーに対して無料利用から有償利用に切り替えをお願いしたいとしましょう。Intercomを使わない場合、サービスに登録した情報を顧客データベースに登録し直して、別途有償利用促進のメールを送信したり、場合によってはチャットで質問対応して、その情報をバラバラに管理する、というケースが少なくありません。
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Image Credit : Intercom web site
聞き手の平野
あるあるですね。私もやってます。ツールがバラバラです。
鈴木大貴さん
大きなコミュニケーションコストと管理コストがかかりますし、漏れから機会損失に繋がることもあるでしょう。
鈴木大貴さん
この課題解決をするのがIntercomなんですね。自社で運営するWebサービスにIntercomのコードを数行埋め込むだけで、Webサービスに登録しているユーザーの利用状況(サインアップ日時や最終アクセス日など)が把握できる分析機能や、カスタマーサポートができるチャット機能、特定セグメントのユーザーに対しメールやアプリでお知らせを出すことも可能になります。
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Image Credit : Intercom web site
聞き手の平野
なるほど、チャットだけじゃなくてこういう画面でサポート管理まで全般的に組み込んじゃうって感じなんですね。
鈴木大貴さん
ひとつのツールで管理ができるので、ユーザーに対してのコミュニケーション履歴が全て管理できるのが大きなメリットです。こんな感じでサポート途中のユーザーの案件をチーム内でメンションして聞いたりできるようになってます。
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Image Credit : Intercom web site
聞き手の平野
Slackをユーザーサポートまで開放してCRMと統合したような、そんな印象です。
鈴木大貴さん
ビジネスモデルは典型的なSaaSの月額課金です。「Acquire」「Engage」「Support」といった目的に応じた機能がパッケージ化されておりそれぞれ月額49ドルから提供しています。
聞き手の平野
こうやって紐解くと、ユーザーサポートサービスとして、統合型と特化型という分類ができそう、というのもなかなか興味深いところでした。解説ありがとうございました。また次回。

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