ハンズフリーの自撮りドローン「Lily」は本当にできるの?を解説します【ウェビナー】

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Lilyは「自撮りドローン」という異名を持つ、これまでにないコンセプトで話題になった機体です。今年5月に予約開始となり、現在699ドル(正式価格は999ドル予定)でプレオーダー受付中のこのドローンの可能性と、実際に製品化するにあたっての課題を解説してみたいと思います。ガジェット、IoT関連はいつもの岡島康憲さんの解説でお送りします。(岡島さんのこれまでの解説はこちらから

聞き手の平野
今回はLily、2カ月ほど前に話題になった自撮りドローンですね。
IoTに詳しい岡島さん
全長約26cmの円板状で、重さは1.3Kgとコンパクトです。サイトを確認すると2時間充電して20分飛行できるとあるので自撮りには十分ですね。
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Image Credit : Lily Camera on YouTube
IoTに詳しい岡島さん
おばあちゃんでも投げるだけで…
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Image Credit : Lily Camera on YouTube
IoTに詳しい岡島さん
ほらこの通り。こんな集合写真が撮影できちゃいます。
聞き手の平野
そもそもドローンって何に使うのかあんまりよく分かってなかったんですが、撮影用だったんですね。
IoTに詳しい岡島さん
大体の人はカメラを載せて撮影とかしてますね。後はレースとか。
聞き手の平野
正直、撮影するものがないと飽きるんじゃないですか?空撮っていっても綺麗な空とか一回で十分、というか見る方が楽しいし。
IoTに詳しい岡島さん
ということでセルフィーなんですよ。
聞き手の平野
セルフィーにしては大掛かりですよね…。まあいいでしょう、改めてどうやって撮影してくれるんですか?
IoTに詳しい岡島さん
サイトのこの映像にある通り、放り投げると勝手に投げたユーザーの周りを飛んでくれて、例えばスノボしてる様子を追いかけて撮ってくれたりしてくれます。
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Image Credit : Lily Camera on YouTube
IoTに詳しい岡島さん
水の中に放り投げても大丈夫な防水仕様で、ユーザーが取り付けるブレスレット型のセンサーを目指して追いかけてきます。
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Image Credit : Lily Camera on YouTube
IoTに詳しい岡島さん
撮影飛行が終わったら、こんな感じで手乗り着地までしてくれるようです。ここまでくると「ドローン」というより「ハンズフリー自撮りシステム」ですよ。
聞き手の平野
さすがに街中のカップルがこれでセルフィーってわけにはいかなさそうですね。
IoTに詳しい岡島さん
ドローンって色々なメーカーが色々なスペックで出してますが、普通の人がドローンを買うには利用用途の提案があんまりなかったんです。
聞き手の平野
確かに。商用ではAmazonの配達などが話題になりますが、一人一ドローンはさすがに想像しにくい。
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Image Credit : Lily Camera
IoTに詳しい岡島さん
一方でLilyは「自撮り」という強烈なアプリケーションを乗せたドローンと言えますな。「ハンズフリーで自撮りしたいけどどうやって実装しよう」という課題をドローンで解決した。いい課題をいい方法で解決した、と言えるプロダクトだと思います。
聞き手の平野
岡島さん、ベタ褒めですけどLilyからお金もらってたりしませんよね?
IoTに詳しい岡島さん
だがほんとにちゃんと飛んで自撮りしてくれるのかは買ってみないとわからない。
聞き手の平野
えっ
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Image Credit : Lily Camera on YouTube
IoTに詳しい岡島さん
なんだかんだでドローンの姿勢制御って難しいんですよ。投げ飛ばしたり水につけたり、そういうエクストリームな状況にまんべんなく対応できるよう、姿勢を検知するためのセンサーや態勢を立て直すためのローターなど、Lilyならではの技術が盛り込まれているはずなんです。
聞き手の平野
動画みる限りではできてるっぽいですけど…。
IoTに詳しい岡島さん
ただこのシステムを作るのは簡単じゃないはず。もちろんそこを解決できる見込みがあるからLilyを開発しているんだろうけど。
聞き手の平野
なるほど。
IoTに詳しい岡島さん
あとはユーザーの位置特定。Lilyの場合はブレスレット型のセンサーをユーザーが身に付けることで、Lilyがユーザーの位置を特定してるんですね。でも実際に飛ぶ画面になると電柱から建物、他の人も検知しながら飛ばないとうまくいかない。
聞き手の平野
確かにこのムービー、よく見たら周囲の障害物ほとんどない前提ですね…。
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Image Credit : Lily Camera on YouTube
IoTに詳しい岡島さん
設計段階で「ユーザーの位置をきちんと特定できるか」「乱暴に投げられても態勢を立て直せるか」など技術的にハードルの高いと思われる部分があるのでそれらの機能を限られたコスト内で実現できるかがこのドローンビジネスのポイントになります。
聞き手の平野
大変そう。
IoTに詳しい岡島さん
Lilyの製品版において、姿勢制御とユーザーの位置特定を解決してくれるのであればLilyは最強の自撮りデバイスの一つになるんでしょうな。ほんとうまくいってほしい。これはほんとにすごいアイディアだしね。
聞き手の平野
ドローンシリーズはいくつか解説続けたいですね。

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