今こそアジャイルマーケティングを始めるための4つのステップ

Jim Ewel氏は起業家でターンアラウンドCEO(企業再生を請け負うCEO)である。同氏は2011年からアジャイルマーケティングについてブログを書いており、John Cass氏とSprintZeroを組織してアジャイルマーケティングマニフェストをまとめた。Microsoftのセールスマーケティング部門に12年勤めた後、直近14年はGoAhead Software(Oracleに売却)、Adometry(Googleに売却)、InDemand Interpretingの3社のCEOを務めている。アジャイルマーケティングについてさらに知るには同氏のブログwww.agilemarketing.netを参照してほしい。

 via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
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アジャイルマーケティングを組織に導入するにはどうすれば良いのだろうか。多くの組織が苦戦し、その成功の度合いが違うのを目の当たりにしてきた。魔法のような手法というものは無いが、経験則をいくつかご紹介したい。

なお、私の考えはチェンジマネジメントに関して私が読んだ中で最高の本であるPeter Bregman著『Point B』に強く影響されている。まだ読んでいなければ手にとってみることを強くおすすめする。アジャイルマーケティングを組織に導入するにせよ、新技術やサービスを顧客に紹介するにせよ、誰しも変化を管理しなければならないのである。

1. 周囲に必要性を説明する

なぜ変化が必要なのか。関係者にとってその変化に何があるのか。まずはこれらの問いに答えなければならないが、私であれば、頭ではなく心に訴えかけるように試みる。ストーリー仕立てで伝え、そうしたストーリーをナレーティブに埋め込んでいくようにする。もしストーリーとナレーティブの違いが良くわからないということであれば、両者についてのこの記事を見ると良い。アジャイルマーケティングのナレーティブ、もしくはそれが約束することとは、マーケティング機能の予測性、透明性、速さそして適応力を高めることである。その結果、マーケティングはすばやく、また反復と実験、失敗を恐れない態度の上で実行され、それによってアジャイル開発が可能になる。

アジャイルマーケティングを実行するには、関係者を巻き込まなくてはならない。「人は自分がその制作過程を助けたものを支援するものだ」とずいぶん昔に人から言われたことがある。これは本当だと思う。もし、その変化に関わる者が必要性を明確にしたならば、そして早い段階から巻き込まれているならば、そうした関係者のエンゲージメントレベルはずっと高いものとなる。誰しも変化を押しつけられるのは嫌なものである。しかし、ある程度のコントロールが効き、彼らが必要とする変化なのであれば、成功する可能性はかなり高いだろう。

私は問いを投げかけることで、周囲を巻き込むようにしている。下に挙げたのは、私の一例であるが、自分のものを加えるようにしてほしい。

  • あなたにとってマーケティングで好きなことは何ですか?嫌いなことは何ですか?
  • (この組織で)上手くいっていることは何ですか?上手くいっていないことは何ですか?
  • 幹部はマーケティングがしていることを理解していると思いますか?いずれの答えの場合でも、その理由も教えて下さい。営業はマーケティングを理解していると思いますか? 今一度、いずれの答えでも、その理由も教えて下さい。
  • マーケティングの変化のペースに関する経験はどんなものでしょうか?10年前とほぼ変わりがないでしょうか、それとも変わったでしょうか?どう変わりましたか? 次の10年ではどうでしょう? 変化のペースは遅くなるでしょうか、それとも早くなるでしょうか? 備えとして何かしていることがありますか?
  • 十分なリソース(マーケティングの人間は、常に「ノー」と答える)を持っていますか?同じリソースを使ってもっと多くのことを成し遂げられるのに一役買うものは、ここでも役に立つと思いますか?

これらの質問に対する答えは、変革の理由へとつながる。答えを書き留めよう。答えに戻って参照しよう。

2. スポンサー(後援者)

「アジャイル」をマーケティング組織に導入するには、スポンサー(後援者)が必要だ。マーケティングの最上級レベルからだけでなく、営業や一般管理部門からもだ。彼らが熱心に取り組まない場合は、導入してはいけない。かつて、あるグループに対してアジャイルマーケティングに関する講義をしたが、マーケティング部長は部屋の後ろに座り、メール作業をしたり、時たま席を外して会議に出席したり、おそらく他のこともしていただろう。彼女は全くエクササイズに参加しなかったが、彼女がした唯一の質問は、懐疑的なものだった。当然のことながら、その組織でのアジャイルマーケティングは失敗した。そもそも、私を呼び寄せるのにお金を使った理由が、私には全くわからなかった。

スポンサーはある種正しいものでなくてはならず、単なるトップダウンの通達ではいけない。チームメンバーに重要な決定をいくらかしてもらい、進むべき道を自分たちで見つけるのを認めるようなスポンサーでなくてはならない。彼らに説明責任を負ってもらうが、行く先はいばらの道で、時には失敗すらもあると思っていなくてはならない。少しばかりの失敗を予期しなければリスクを十分取っているとは言えない。良きマネージャーはこれを承知している。

3. スキルを身につける

アジャイルマーケティング用語を学ぼう。スプリントスクラムの違いを理解しよう。ユーザストーリーの書き方を学習しよう。ストーリーポイントを指定し、自分のベロシティ(速さ)の計測を始めよう。何が何でも授業を取ったり、本を読んだりしよう。だが能力を構築するのに最も良いのは、実践だ。初めてのスプリントの間、すべてが上手くいかないことに気付くだろう。それで良い。半分上手くいったら、そこから改善すれば上手くいくのだ。

「Scrumbut」を行ってはいけない。これは、「スクラムをやっていますが、しかし…」と言い、スクラムの要である事柄のほとんどをリストアップするも、本当は全くスクラムを行ってはいない状況のことを指す。自分たちのニーズのために修正を始める前に、まずはプロセスを考えてみよう。その上で、あなたにより合うやり方を本当に見つけたと思ったのなら、ぜひとも実行に移してほしい。まずはある程度のスキルを構築することだ。

4. 粘り強さと根性

アジャイルマーケティングを成功している組織は、他のことを成功している組織と同様、忍耐力と粘り強さを持っている。アジャイルマーケティングの効果を実感するまでに半年から一年を要することも多くある。当初は変化をもたらしたいという意欲は強くもっていたけれど、往々にして、その意欲は普段の業務をこなしていくうち、薄れてしまいがちだ。粘り強く実行できる人は、朝会を行う、チームメンバーの役割を明確化する、日々の業務に小さな変化をもたらすなど、継続する力を持っている。強い意思と継続する力を持っていれば、変化は必ずもたらされるのである。

あなたはどのような経験をしてきただろう。アジャイルマーケティングを所属組織に導入された方は、成功したかどうかに関わらず、上手くいったこと、上手くいかなかったことをぜひ私に共有してほしい。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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