機械が作る広告コピーの方がクリック率が高まる? 注目されるデータドリブン・マーケティングの最新動向

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via Flickr by “A Health Blog“. Licensed under CC BY-SA 2.0.
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広告に使われる言葉や感情によって、クリック数は400%もアップすることがある。そして、それは人間がそこまで得意とする仕事ではないことが分かった。

これは、人工知能と機械学習を使って広告コピーやメールのタイトルのような短いテキストを評価・構築する企業Persadoによる知見だ。同社は基本的に、広告コピーは機械的に作ることができると言っている。そのコピーは人間が作るより説得力があり、複数のバリエーションを用意して比較テストを行う必要もないという。

現在のマーケティングは、従来の推測に頼った仕事から、データを使うものへと変化している。しかしマーケターは依然として、まずたたき台を作らなければならない。典型的なキャンペーンは、ある人がこれが最も効果を発するだろうと思うことを書くところから始まる。それは何より直感に基づくものだ。

しかし、私たちの直感はしばしば間違っていることがわかってきた。

確定申告シーズンが終わる頃、PersadoはTurboTaxやH&R Blockといった確定申告を扱う企業の広告を分析した。そして同社は、大部分の広告が用いている感情表現は実際にはそれほど効果がないことを発見した。

同社は広告を分類し、ユーザが依存している感情、例えば緊急性(「締め切りまでもうすぐ」)、満足感(「最大の還付金を受け取りましょう」)、お祝い(「税金還付は無料でできます」)がクリック数に結びついていないことがわかった。

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その代わり、Persadoは別の感情にフォーカスするコピーを「機械的に作った」。 これには特別感(「あなたをご招待しました。今日中に税金を申告しましょう。今なら無料です。」)や不安を呼び起こすもの(「重要なお知らせ:今日、税金の申告をしてください」)などがある。

その違いは大したことのないように見えるかもしれないが、様々な感情にフォーカスすることで、あらゆるところからのクリック数は70〜110%増加したことがわかった。コンバージョン率最適化で私たちが行った調査でも同様のことが確認できた。

Persadoによると、この種のデータ主導型コピー製作は、ディスプレイ広告、eメール、SMS、ツイートなどのダイレクトなコミュニケーションでも機能するという。つまり、「ここをクリック」してもらうために設計されているメッセージのことだ。

ロボットの時代が近い将来訪れることは確かなようだ。

PersadoはUpstreamからスピンオフした企業で、1500万米ドルの資金をBain Capital Ventures(BCV)から2013年2月に獲得した。さらに同社は今年初めのシリーズBラウンドでStarvest Ventures、BCV、American Express Ventures、Citi Venturesから2100万米ドルを調達した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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