中国で〝セックステック〟がバーチャルリアリティに進出——スマート・ラブホテルの全国展開も視野に

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Courtesy: The Digital Love Industry

投資が集中的になされたことで、中国では「スマート」製品で一種のブームが起きている。この中にはセックステックがある。

Chunshuitang(春水堂)の設立者である Lin Degang(藺徳剛)氏は、Technode  とのインタビューの中で次のように語った(訳注:Chunshuitang のウェブサイトは、アクセスが不安定である場合があります)。

よりスマートな大人のおもちゃに対する需要があることがわかりましたが、市場にはそのようなものがありませんでした。

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春水堂の創業者で CEO の藺徳剛氏

中国で大人のおもちゃの販売をしている Chunshuitang は一連のアダルト系 IoT グッズを開発しており、現在はバーチャルリアリティ(VR)関連の製品に取り組んでいる。Lin氏は今年初め、6月までにアダルト系VR製品を販売できるよう1,000万元 (150万米ドル)を研究開発に投資したと発表した。

2002年12月22日に設立された Chunshuitang は、ネット通販やブランド企業提供の大人のおもちゃ、ヘルスケア製品、アダルトコスチュームの3つの製品カテゴリーを販売している。

同社では独自に20種類ものスマート製品を製造しているが、これにはバイブリング、バイブレーター、骨盤底エクササイズ向けのツール等がある。これらの製品は様々な心理学的データを集めるためにスマートフォンアプリとつながるようになっている。

ビッグデータ分析を通して、当社ではユーザの需要をさらに把握し、ニーズに基づいて新製品の研究開発をしています(Lin 氏)。

同社製品は現在、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、韓国、台湾に輸出されている。

最大のヒット商品の1つは iball(アイ・ボール)だ。これは出産後の身体回復を目指す女性に高い人気がある。多くの女性は出産後、ケアが行き届かないことによって起こる合併症に苦しんでいる。このデバイスは、トレーニングを意欲的にしてもらえるよう、モバイルゲームでケーゲル体操を取り入れており、骨盤底筋肉を鍛えることで病気の予防につながる。同社によると iball と ihole(アイ・ホール、前立腺のケアデバイス)は医療機器として認定されているという。

大人のおもちゃがバーチャルリアリティに進出

カップルがセックスに対し様々な願望を持っているとした上で Lin 氏は、中国で離婚が増えている要因の1つに性的コミュニケーションが十分でないことを指摘している。2014年における中国の離婚率は3.9%増加して360万人となったが、昨年結婚したカップルの4組に1組が離婚した。

現在の関係を壊すことのないバーチャルリアリティの相手は良きパートナーになれます。(Lin氏)

同社にある VR カテゴリーの製品は唯一、VR HMD(ヘッドマウント・ディスプレイ)があるにすぎない。 これは Mojing.cn(暴風魔鏡)製作によるものである。

「スマート・ラブホテル」の展開も視野に

Chunshuitang は他にも、スマートな大人のおもちゃやVR製品が利用できる、ラブホテル・チェーンの展開も目指している。Lin 氏は、中国の都市で一般的な短時間滞在型ホテルの既存市場を活用していきたいという。

2013年、中国のラブホテル市場は320億元(約5,500億円)の規模になりました。毎日100万人が当社製品をネットで購入しています。これをオフラインでも販売したいと考えています。(Lin氏)

同社は2015年3月のシリーズBラウンドで8,000万元(約13.8億円)を調達した。この投資ラウンドを主導したのは NewMargin Ventures(上海永宣)Cowin Capital(同創偉業)であった。Lin 氏によると、同社は年末までに現地で上場する予定であるという。

Alibaba(阿里巴巴)が毎年行っているマーケティング戦略「独身の日(光棍節)」キャンペーンにちなみ、Chunshuitang は6月9日を「69セールスの日」にしている。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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