大企業からスタートアップへ転職する、社内で新たに事業を生み出す、自ら会社を立ち上げてスタートアップする、様々なキャリアが存在する。これまでと比較すると、格段に選択肢が広がってしまったがゆえに、悩んでしまう人も多いのではないだろうか。

こうした若い優秀なビジネスパーソンを対象に、スローガンが新たなサービスをスタートした。同社が新たに立ち上げたのは、現在の仕事、転職、起業などあらゆるキャリアについて相談することができる「Advisory」だ。

「Advisory」では、2週間という限定された期間、ビジネスのプロフェッショナルに自分のキャリアについて相談することができる。期間限定で相談を受け付けるアドバイザーが登場し、相談内容に個別に回答すると共に、アドバイザーが会ってみたいと思った人に対しては面談オファーも届く。

リリースのタイミングで登場しているアドバイザーは、セールスフォース・ベンチャーズの浅田 慎二氏だ。

浅田氏は、伊藤忠商事、伊藤忠テクノソリューションズを経て、2012年より伊藤忠テクノロジーベンチャーズに。 2015年3月よりセールスフォース・ベンチャーズ日本代表に就任し、マサチューセッツ工科大学 経営大学院MBAも修了している人物。

ユーザは、商社でのキャリアアップやMBAの取得について、またはベンチャーキャピタリストという職種について、浅田氏に相談することができる。

だが、全ユーザが直接相談にのってもらえるわけではない。アドバイザーのページからユーザは応募をクリック。応募フォームを入力して送信する。寄せられた相談をスローガンがサポートについて、個別面談や座談会、相談内容に回答するのみなどに選り分けていく。

スローガンは新卒採用事業「Goodfind」やベンチャーキャピタル事業等を手がけており、ネットワークを持っている。このネットワークを活かして、今後、2週間ごとにベンチャーキャピタリストや現役経営者といったビジネスのプロを呼び、ユーザの相談に応えていくことになる。

スローガン代表取締役社長の伊藤 豊氏は、3年ほど前からこのサービスのアイデアを持っていたという。

伊藤氏「アイデア自体は、3年くらい前からありました。ただ、ビジネスのプロというとても忙しい人たちの協力が不可欠なサービスで、そこをクリアすることができていなかった。ある日、「期間限定にすればいいんだ」というシンプルなアイデアに気づき、サービス立ち上げるに至りました。

アドバイザーとして協力してくださる方々は、「Advisory」を通じて優秀な若者を引き抜いてもらってもいいですし、ベンチャーキャピタリストの方であれば、出資先に紹介してもらえたらと考えています」

転職ニーズが顕在化していない人を探す方法は、今のところ存在していない。「Advisory」は、優秀な人材を見つけるための方法としても機能しそうだ。

また、「Advisory」には、アドバイザーが選定した企業の限定求人等も掲載する予定。「エージェントではない第三者からの推薦というのが信頼を担保する」と伊藤氏は語る。

スローガンは元々、規模は大きくないものの、転職エージェント事業も手がけていた。「Advisory」によって、転職ニーズが顕在化していない優秀な人々にリーチが可能になるため、転職エージェント事業にもプラスになる。

伊藤氏「このサービスは、オペレーションが鍵です。アドバイザーの方々の負担を減らし、アドバイザーの方から紹介の合った求人にユーザをつなぐなど、オペレーションを磨かなければいけません。しばらくはオペレーションを改善しながらサービスを運営していきます」

将来的には、プレミアム会員のコースを設け、過去の質問等を記事コンテンツ化して会員向けに提供したり、会員限定のシークレットイベントの開催などを考えているそうだ。

ベンチャー、スタートアップに関する人材サービスは、日本だけに限ってしまうとどうしても規模が小さくなってしまう。スローガンは、東南アジアにネットワークを持つパートナー企業と協業しており、「Advisory」のアジアへとサービスを拡大することも視野に入れている。