誰でも簡単にボットがつくれる「Motion AI」

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シカゴの企業 Motion AIを使えば、コードを一行を書くことなく誰でも簡単にボットを作成することができる。同社は、数ヶ月のクローズドなテスト期間を経て、そのサービスを公開することを発表した。

またボットビルダーだって? 多くのスタートアップが開発者向けにボット開発ソフトをローンチしている。特にFacebookの発表後にボットブームが先月始まって、今ではFacebook Messengere上だけでも何万もの開発者がボットを開発している

だが、Motion AIがとりわけ目立っているのは、ボット開発の各プロセスごとに丁寧にサポートしてくれる点に理由がある。ボットプラットフォーム(Facebook、Slack、SMS、Eメール、ウェブなど)の多くに同時に展開するプロセスも含めて。さらに、同社はボット「モジュール」という、特定のボット機能を開発する上で必要とされるロジックをパーッケージにしたものをつくった。これは初心者、そして経験豊富な開発者にとっても、複数のステップを省略するのに役立つ。このモジュールはストアでじきにリリースされる予定だ(約1ヶ月後の予定)。ストアでは、購買者は自分のボットに必要なモジュールだけを得ることができると、ファウンダー・CEOのDavid Nelson氏は言う。

たとえば、Motion AIのモジュールを使えば、簡単に「顧客サービストリアージ」ボットを作ることができる。これは、「YES・NO」「複数選択」と、またZapierと呼ばれるサービスからデータを送受信する一連のモジュールを組み合わせることで可能だ。Nelson氏いわく、20分でZendeskのソフトウェアへの接続を使った独自のボットをつくることができたという。そのボットは、顧客から受信した質問に答えるために自社のナレッジベースをスキャンすることができるものだ。もし、その質問に対する答えが見つからなければ、Grooveに接続してサポートチケットを自動的に作成する。彼がつくったボットの動画はこちらから見られる。非公式のAppleサポートボットと謳っている。

その他の人気のモジュールは、顧客満足度調査に使うものだとNelson氏は言う。また、Motion AIはボットの展開における基本的なインフラも扱っている。なので、SMSでボットを走らせるためにTwilioに登録したり、Eメールで展開するためにSendGridを使う必要がなくなる。Motion AIがその役目を担うのだ。また、Facebook傘下のWit.aiやApi.aiなどといった人工知能や自然言語処理サービスを自分のボットにインポートすることができるので、ユーザーは自分のサーバーを回す必要がない。

ソフトウェア開発にこれまで携わってきたNelson氏が、このモジュールのアイデアを思いついたのは昨年のことで、周囲の開発者がボットを開発するたびに再発明のために膨大な時間を費やし、同じサービスを組み合わせていることに気づいたのがきっかけだった。彼らの時間の節約のためにできることはないか?と考えたのだ。

このモジュールをベースにしたアプローチは、MotionAIが開発者にとって有用である理由でもある。なぜなら、APIを通じて他のサービスをプラグインすることができるからだ。「他のサービスともうまく機能することを確認しました。フローに他のサービスをプラグインできることを確実にしたいと思っています」とNelson氏は言う。

また、IFTTTとZapierのようなサービスの統合をサポートしているため、統合できるサードパーティサービスの可能性が「かなり無限に近くなった」と、Nelson氏は述べた。

Motion AIは、ボットの展開後のアナリティクスやレポートのような機能も扱っている。このビデオでその概観がつかめるだろう。

いくつかの大企業がMotion AIをテストしているとNelson氏は言う。その中には、トラウマセンターの患者のトリアージとトラッキングをする国立の大きなヘルスケア企業も含まれており、SQLデータベースから得たデータを使ってMotion AIに取り込んでいる。すると、そのボットは勤務中の医師とコミュニケーションをとることができる。

Nelson氏いわく、サービスをより便利にするようなアイデアはごまんとあるそうだ。彼は開発者たちにプラットフォーム上でユニークなボットを開発するように推奨している。たとえば、「夜のデート計画ボット」。カップルが夕食、映画チケット、送り迎えの車を簡単にアレンジできるような、DoorDash、Frandango、Uberを結びつけたモジュールをベースにしたボットだ。

では、なぜこうしたデートサービスのボットを彼自らFacebookメッセンジャー上にローンチしないのだろうか。Nelson氏は、完成されたボットをローンチするビジネスには興味がないのだという。むしろ、開発者が自分自身でデート計画ボットをカスタマイズして、より若いKikユーザーやSlackのビジネスユーザーのようなユーザー層の特定のニーズに合うものをつくってもらいたいのだという。

昨年11月、Motion AIはフロチャートスタイルのボット開発というコンセプトをProduct Hunt上で発表して、クローズドベータのウェイトリストに7500名が登録した。

12月には、70万ドルをシードラウンドで調達しており、1QBit(量子コンピューティング企業)やFiverrのCEOのMicha Kaufman氏、YahooのCMOのKathy Savitt氏、その他多くのエンジェル投資家が出資をしている。

現在、同社には4名の従業員がいる。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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