中国のインターネット大手 LeEco (楽視)は月曜(9月19日)、同社系列の電気自動車開発会社 Le Supercar(楽視超級汽車)が自動車業界最大のファーストラウンドファンディング(自社調べ)で新たに10億8,000万米ドルの資金を調達したと発表した。
巨額な資金の出所として同社が公表した長い投資者リストには、Lenovo(連想)、State Grid(国家電網)が支援するベンチャーキャピタル Yingda Capital(英大資本)、深圳の自治体が支援する Shenzhen Capital Group(深圳市創新投資集団)、China Minsheng Trust(中国民生信託)、Macrolink Group(新華聯集団)と Hongzhao Capital といったビッグネームが含まれている。
LeEco(楽視)は中国でいう Netflix のようなもので、動画ストリーミングサービスから始まり、映画製作、スマートテレビ、スマートフォン、e コマースやクラウドコンピューティングへと急速に裾野を広げてきた。設立者で CEO の Jia Yueting(賈躍亭)氏は現在の LeEco の形態は「Tesla、Uber、Apple、Amazon と Netflix を組み合わせた究極のもの」だと以前のインタビューで話している。
LeEco のビジネスエコシステムの主要な位置づけとして、同社は2014年にスーパーカープロジェクトをローンチしている。Jia 氏によると、プロジェクトに携わるスタッフの数は1,000人を超えたという。チームメンバーには Tesla、BMW や GM の元従業員が含まれているようだ。
さらに、Le Supercar は自動車業界大手と提携してグローバルな産業チェーンを開発している。提携先は Aston Martin と GAC Group(広州汽車集団)、そして昨年ラスベガス近郊に建設予定の工場に10億米ドルを費やすと約束したアメリカの自動車スタートアップ Faraday Future だ。今年8月、LeEco は30億米ドルを投じて徳清県にオートパークを建設するために浙江省政府と協力合意書を交わしている。
自動車の生産には多額の費用が必要であり、ローンチ以来、Le Supercar は資金問題を指摘され続けてきた。このラウンドで資金に関するプレッシャーは多少解消されるだろう。Jia 氏は自治体の支援とコングロマリットによる投資を受けることでさらなる支援の道が広がると話している。
Le Supercar の資金調達は多彩な業界で爆発的な成長を続ける LeEco の資金活動の一部に過ぎない。同社クラウド部門とスポーツ部門は今年それぞれ10億元(約150億円)と80億元(約1,200億円)を調達している。
同イベントで LeEco は、9月19日のスーパーセールイベント「919楽迷狂歓夜」の売上額が、24時間で44億8,000万元(約673.4億円)に達したと発表した。
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