「特許・情報フェア&カンファレンス2016」に集結したスタートアップの顔ぶれ【ゲスト寄稿】

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


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特許庁のブース(Image credit: 特許庁)

11月9日からの3日間、東京の科学技術館では、フジサンケイビジネスアイ産経新聞社日本特許情報機構発明協会の主催により、「特許・情報フェア&カンファレンス」が開催され、北の丸公園にある会場に多くのスタートアップを魅了した。このイベントは経済産業省特許庁工業所有権情報・研修館日本商工会議所の後援を受けている。

言うまでもなく、特許や知的所有権などのノウハウは企業に優位性を提供し、スタートアップのような市場への新規参入者にとっては特にそうだ。今年25回目を迎えるこの展示カンファレンスイベントには、100ものブースが参加されていた。マレーシアの KASS International の P. Kandiah 氏が ASEAN の知的所有権の状況についてプレゼンテーションをするなど、海外からの参加者も多くいた。

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特許情報サービスエリアに設置された Property のブース(Image credit: “Tex” Pomeroy)

参加者の中でも、宇宙線を使ったユニークなプロダクトやサービスを提供する、名古屋大学からスピンオフした日本のスタートアップは、特筆に値するだろう。この会社サイエンスインパクトは、代表の成田浩司博士が日本の弁理士資格を獲得したことから、過去数年間にわたり、特許・情報フェア&カンファレンスに出展してきた。しかし今年は、同社は科学技術振興機構から新プロジェクトに採択されたことで、さらに弾みをつけている。

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サイエンスインパクトのブース(Image credit: “Tex” Pomeroy)

この採択されたプロジェクトとは、名古屋大学の中村光廣教授をチームリーダーとする、高分解能宇宙線を使った透視法による、原子核乾板技術の開発だ。川崎地質(東証:4673)は、この技術を、火山活動のモニタや破壊試験を必要としない構造物の内部劣化の確認など、地質学に関する問題に適用すべく、富士フイルム(東証:4901)やサイエンスインパクトとともにこのプロジェクトを支援している。

この開発プロジェクトでは、需要や応用範囲を見極めるべく、全体システムとして、標示材・発光/画像化から計測/透視や分析まで、あらゆるもの実現を目指している。一方、日本の公共放送である NHK は最近、古代遺物の謎を解明しようとする世界的な考古学チームと共同で、このシステムを使って、エジプトのピラミッドの中に秘密の地下穴があることを確認した。

サイエンスインパクトは、日本のコミュニティ FM 各局と災害情報を届けるしくみで協業していることで知られている。ある日本のコミュニティ FM 局によれば、このシステムは総務省によって運営される「L-ALERT」というしくみで、日本のみならず海外でも災害に関する警報を届ける方法として有用と考えられている。同社は、このシステムの海外での導入に向け、協業を模索している。

海外勢について話を向けると、もう一つスピンアウトしたばかりのスタートアップとしては、日本における販売元の一つである中央光学出版の隣にブースを構えていたデータベースプロバイダ Questel だ(FPIS のセクションに出展していた Property も販売元の一つだ)。Questel は、往年のデータベースシステム「Minitel」で知られた France Telecom を前身とする Orange の一部門だった。ここで記した以外にも多くのスタートアップが、増加する人工知能の応用を通じて、ビジネスを拡大していくものとみられる。

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科学技術館(Image credit: 科学技術館)