声で繋がるソーシャルアプリ「baby(ベイビー)」を開発する、京都/サンフランシスコを拠点とするスタートアップ Doki Doki は21日、プレシードラウンドで京都大学イノベーションキャピタル(京都 iCAP)から5,000万円を調達したと明らかにした。今回調達した資金をもとに、同社は京都大学学術情報メディアセンターと共同して学術研究を推進するとしている。
Doki Doki は昨年10月、baby をアメリカでリリースした(日本の iTunes AppStore ではまだダウンロードできない)。baby は5秒間の声をシェアし、新しい友達とつながることができるソーシャルアプリだ。英語では ephemeral という形容詞で表現されるが、つまるところ、一度再生するとコンテンツが消えて無くなる Snapchat の音声版ととらえればよいだろう。とかくソーシャルアプリが最終的には実際に顔を合わせて会うことを目的とすることが多いのに対し、Doki Doki では、近くにいる人や like-minded な人々と感情や時間を共有できるのが特徴的だ。
京都大学学術情報メディアセンターとの研究では、baby を使って、5秒間の声によるソーシャルなコミュニケーションと音声コンピューティングを核としたリサーチを進め、その研究成果をグローバル市場に展開するとしている。より具体的には、初期段階では音声学領域における、5秒間の声を使った外国語学習の実用化試験を起点とし、将来的には、感情分析や機械学習などを用いた、音声コミュニケーションの進化を促進する共同研究を実施したいとしている。
Doki Doki の創業者で代表取締役の井口尊仁氏に baby を日本のアプリストアで公開する目処について聞いてみたところ、昨年末の京都でのお披露目以来、大幅にバージョンアップを重ねており現時点で未定とのこと。ただし、1月のブログへの投稿で、井口氏は次のように述べている(一部抜粋)。
テキストチャットのような、文字をベースにしたボットの世界は遠からず(数年単位で!)音声のチャットをベースにしたボットの世界へと展開していくと思う。
ベイビーの新バージョンでは、「声の出会い」からさらに進んで、日々のおしゃべりの継続的発生プロセスに注目した、よりユースケースの見え易いものになる。
そこではより常用性が高く声(おしゃべり)によるコミュニケーションを担うインフラへとステップアップを成し遂げることが最大の狙いになる。
それは、声を中心にしたメッセージングサービスとして、今までに無い新しい体験性を提供できるものになると確信している。2017年春はその起点になる重要なタイミングだと考えている。
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