インターネット総合サービスのココン、SBI FinTechファンドなどから総額5億円を資金調達〜サイバーセキュリティ分野の製品開発とM&Aを強化へ

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インターネット総合サービスのココンは21日、SBI インベストメントが運営する FinTech ファンド(FinTech ビジネスイノベーション投資事業有限責任組合)を含む6つのファンドから総額約5億円を1月末付で調達していたことを明らかにした。今回調達した資金を使って、ココンはサイバーセキュリティ分野でのプロダクトの開発を強化し、既存事業分野における M&A を強化するとしている。今回の調達に関連して、SBI グループや SBI グループの提携先企業へココンのプロダクトの導入展開も実施される見込み。

2013年2月に設立されたココンは、イラストクラウドソーシングの Panda Graphics を事業母体とするインターネット総合サービス企業。2014年7月に East Ventures とオプトから総額1.4億円、2015年5月には、中国の SIG Asia Investments(海納亜洲創投)と、同社と関係の深い日本の VC である MS キャピタルから金額非開示の出資を受けている。さらに、2016年9月に実施したラウンドでは、East Ventures、SIG Asia Investments に加え、新規株主として、Genuine Startupsりそなキャピタルベクトル(東証:6058)、グローバルウェイ(東証:3936)のほか、千葉功太郎氏、平澤創氏(フェイス 代表取締役)、高山健氏(楽天 元取締役)をはじめとする個人投資家などから総額5億円を調達している。

ココンがこれまでに VC や投資家らから調達した資金の総額は、開示されているものだけで11.4億円以上に上る。

同社はスタートアップや事業の買収にも積極的だ。2014年6月にはモックス、2015年1月にはオハコと資本提携、2015年5月には音声クラウドソーシングの「Voip!」を事業譲受、2016年3月にはイエラエセキュリティを買収している。昨年8月には、サイバーセキュリティのコンサルタンシー Lepidum(レピダム)を買収し完全子会社化する一方、9月1日にはイラストクラウドソーシングの「Panda Graphics」と音声クラウドシーシングの「Voip!」の事業部門を分社化し、Panda Graphics 株式会社を設立した(ココンの旧社名と同じ名称だが別法人)。

さまざまなバーティカルのスタートアップを買収しコングロマリットを作り上げていく手法は、韓国の Yello Mobile(옐로모바일)とも似ている(ちなみに、Yello Mobile も SBI ホールディングスから昨年2月に3,000万ドルを資金調達している)。ココンが B2B 主導でビジネスを展開しているのに対し、Yello Mobile はゲーム以外のモバイルサービスに特化している点で違いはあるが、いずれの企業も近い将来の IPO へ向けた布石を打っていると考えて間違いないだろう。

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