ブロックチェーンのスタートアップ Block.one は今朝(原文掲載日:7月1日)、わずか5日間の EOS 暗号通貨の販売で1億8,500万米ドルの資金調達を行ったと発表した。合計額はわずか2週間前に Bancor が打ち立てた1億5,000万米ドルの記録を上回っている。
Block.one の目標はブロックチェーンをビジネス分野へもたらすことだ。同社のプラットフォームは、ブロックチェーンの世界ではこれまで存在しなかったレベルのスケーラビリティを備えるとしている。1秒あたり何百万ものトランザクションを手数料なしで処理する。同社のプレスリリースにはこう述べられている。
Block.one は EOS.IO ソフトウェアを、既存のウェブベースのアプリと同じような使い勝手を備えた分散アプリケーションに対応させたいと計画しています。しかし単なるウェブアプリとは違い、取引の透明性、セキュリティ、統合化されたプロセス、スピード、取引コストの低さなど、ブロックチェーンのメリットを生かした形になる予定です。
最近 CoinDesk の記事が指摘したように、これまでの同社は関心を引くような材料に乏しかった。イニシャルコインオファリング(ICO)を行った多くのスタートアップは、後に各社の特徴となるような具体的な何かを備えている。
新記録を樹立した Block.one の ICO は、ブロックチェーン技術企業やスタートアップらの興味を改めて活性化させることとなった。
ここ最近、ブロックチェーンのコミュニティは、ブロックチェーンのスタートアップらが大量の資金を光のごとく早く調達していることを憂慮している。William Mougayar 氏ら専門家は、こうした短期間での強力なパフォーマンスが、長期的に業績を低下させる可能性は非常に高いと警告する。
Block.one によると、同社は341日間に渡る長期的な資金調達期間を設け、資金調達熱が瞬間的に沸かないようにしたという。しかし、期間を長く設定したことが過熱する投資家らの心理を和らげたかどうかはわからない。これまでに同社は、合計10億の EOS トークン流通量のうち20%を販売した。
同社は戦略を次のように説明している。
今回の配布では、これまで Ethereum プラットフォームでローンチした配布プロジェクトの中でも最もフェアな形態となることを目指し、パイオニア的な参加モデルを採用しています。期間を長く設定したことで、短期間にトークンを配布した際に起こりがちなカオス状態を防ぐことができます。また、コミュニティのメンバーは Block.one が開発する EOS.IO ソフトウェアについて十分な時間をかけて吟味し、その上でトークンの配布に参加するかどうかを決めることができるのです。
EOS トークンの配布は、オークションにも似ています。各期間内で、誰もが同じ金額で買い付けることができるからです。終了時に正式に認定された全ての買い手に対し、EOS トークンが配分されます。配分量は、当該期間において貢献したイーサリアム(ETH)の合計量に基づいて決められます。
CEO の Brendan Blumer 氏は、残りの資金調達期間を通じて引き続き、トークンに大きな関心が寄せられるとみている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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