Alibaba(阿里巴巴)、小売事業進出に向け世界的スーパー大手Auchanと提携——食品小売大手Sun Art Retail(高鑫零售)の株式3割超も取得

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Image credit: Technode(動点科技)

光棍節(独身の日)」に1,682億人民元(約2.9兆円)という流通額の最高記録を打ち立てたAlibaba(阿里巴巴)は20日、Auchan Retail S.A. および Ruentex Group との戦略的提携を発表し、新たな小売戦略に踏み出した。提携する両社が持つオンラインとオフラインの専門能力を組み合わせて、中国の食品小売セクターで新たな小売機会の開拓に取り組む。

この提携は、インターネットを基本とするアプローチと最新テクノロジーを活用する同社の「新小売」ビジョンを反映するものであるが、他方で小売パートナーと密接に連携して中国の消費者にシームレスな体験をオンラインとオフラインで提供するもの。3社の強みの上に築かれる今回の提携は、中国13億の消費者に新たなショッピング体験をもたらすのが狙いだ。

今回の提携により、同社はフランスとの関係を構築することになる。Auchan Retail S.A. もしくは Groupe Auchan S.A はフランスの国際的な小売グループで、同国のほか世界15か国に進出している。一方、Alibaba 最大のライバル企業である JD(京東)は主にアメリカの小売 Walmart と提携している。JD は2016年6月に Yihaodian(一号店)を買収した。

今回の戦略的な提携の一環として、Alibaba Group(阿里巴巴集団)は総額224億香港ドル(約3,200億円)を投資して Ruentex から株式を譲り受ける形で Sun Art Retail Group(高鑫零售)の36.16%の持分を直接的、間接的に取得する。取引が完了すると Auchan Retail、Alibaba Group、Ruentex は Sun Art の経済的持分を保有することになり、その比率はそれぞれ36.18%、36.16%、4.67%となる。

中国で多様な食品をオフラインで販売する小売大手の Sun Art は、2017年6月30日時点で総床面積約1,200万平米分となる店舗を運営している。香港を拠点とする同社がO2Oの業界に進出したのは2015年だった。Sun Art の小売部門 Feiniu(飛牛)が持つ e コマース事業のプラットフォームが O2O プログラムを正式に開始したのは2015年5月。同年4月には Sun Art Retail がオンライン食料品店 Fieldschina(甫田)を、同年9月には主に大学キャンパス向けにモバイル O2O プラットフォームを運営する Xiaohehe(校呵呵)を買収した。

中国において、Auchan Retail は Sun Art Retail Group の大株主で、Sun Art は現在、「RT-Mart(大潤発)」と「Auchan(欧尚)」のブランドで446店のハイパーマーケットを国内の29州で運営している。1998年に Sun Art は初となる RT-Mart ハイパーマーケットを上海の閘北区に開店し、その後、Auchan によるハイパーマーケットが上海の楊浦区に設けられた。Auchan は最近、「Auchan Minute」という最新無人店舗のプロトタイプに関し Hisense(海信)と契約を交わした。

Auchan の無人店舗
Image credit: TechNode(動点科技)

【via Technode】 @technodechina

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