
Image credit: The Paper(澎湃)
中国の家電量販店 Suning(蘇寧電器)は11月6日、顔認証決済システムを備えた2番目となる無人店舗を上海にオープンしたと、中国メディアの The Paper(澎湃)が伝えている。
無人店舗は中国全土に広がりつつあり、裕福で流行に敏感な客を擁する上海は、無人店舗をテストする重要な街となりつつある。上海では今年、無人コンビニの BingoBox(繽果盒子)がオープンし大きなスーパーに行くのが億劫な地元市民を魅了した一方、無人の麺店が自ら抱える問題で閉店したばかりだ。
復旦大学に隣接する上海の Wujiaochang(五角場)にある Suning の無人店舗の面積は約100平方メートル。Suning は上海でこの店をローンチしたとき店舗名を、南京で使われていた Suning Sports(蘇寧体育 Biu)から Suning Easy Purchase(蘇寧易購 Biu)へと変更した。店名変更は、上海の店舗では、よりリッチな商品カテゴリを扱うことによるもので、Suning の担当者によれば、Suning のスポーツオリジナル商品のみならず、スーパーや百貨店の商品カテゴリも提供するという。
Suning の無人店舗には、同社のライオンマスコット「Sugelaning(蘇格拉寧)」の商品や家具はもとより、全体の約70%を占めるスポーツオリジナル商品のほか、4つの主要カテゴリの商品がディスプレイされている。
買い物の手順から見てみると、他の無人店舗ブランドでは店内に入るときにコードのスキャンをする必要があるのと対照的に、Suning の無人店舗では入店時にシンプルな顔認証が実施される。
入店に先立ち、ユーザは自分のケータイに Suning Finance(蘇寧金融)のアプリを予めダウンロードし、顔認証をして、登録を銀行カードと紐づける必要がある。店舗では顔のスキャンの後、ユーザは無人店舗に入店し買い物が始められるしくみだ。
無人店舗のローンチは、テクノロジー好きな中国人消費者をオフライン店舗へ誘導しようとする、Suning の努力と見られる。昨年、Suning はオンライン食料雑貨配達の Eight Days Online(8天在線)に出資している。Eight Days は、学生をターゲットに大学キャンパス内で無人コンビニを運営している。Suning は E コマース大手の Alibaba(阿里巴巴)にも支援を受けていて、Cheetah Lab(猟豹智庫)のデータによれば、中国の2016年 E コマースアプリ年間ランキングで8位の座につけている。
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Image credit: The Paper(澎湃)
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