
住宅ローンの比較・借り換えコンサルティングを事業と提供するMFSは3月30日、総額3.3億円の資金調達を実施したことを発表した。引受先はYJキャピタルおよびゴールドマン・サックス。株式比率や払込日などの詳細は非公開だ。
2009年7月に設立され、2014年10月に現在のMFSに称号変更した同社。2015年6月に質問項目11項目に答えると借り入れ可能な金額や条件を知ることができるアプリ「モゲチェック」をローンチした。その後、事前審査サービス「モゲチェックスコア」や実店舗「モゲチェック・プラザ」を展開し、住宅ローン借り入れ・借り換えにおける検討から実施までの一連サービスを提供している。
2018年1月には、住宅ローンの累計取扱額約100億円を突破。累計の有料サービス利用人数は354名、無料サービスのみの利用者を含む相談件数は累計1910件としたことも公表していた。およそ2000万円から2500万円規模の住宅ローンを扱うケースがもっとも多くなっている。
2015年より、合計3回の資金調達を実施して同社の累計調達額は約9億円。今回の調達資金は不動産会社および金融機関との提携拡大や新サービス開発などに充当する。
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オンライン完結型でより多くの人や地域に対応
今回の取材で同社代表取締役の中山田明氏は、住宅ローンのテクノロジー企業として、オンライン完結サービスを展開していく意向を話してくれた。
「これまで多くのお客様に対してサービスを提供し、ローンチ当初からデータやノウハウが社内に蓄積されてきました。その中でお客様の負担が少なく、よりたくさんの方にマッチした住宅ローンを選んでもらうために、テクノロジーカンパニーとして今後ノウハウを形化していきます」(中山田氏)
同社では実店舗「モゲチェック・プラザ」を都内にて3店舗展開しているが、電話相談が8割を占め、店舗に来店せずに借り換えを実施するケースも増えてきているという。たとえば種子島といった地域の人へのサービス提供も実施しているそうだ。扱う金額も大きい住宅ローンだが、「モゲチェックの利用や電話での相談、郵送での対応でオペレーションもお客様が満足するよう完結している」と中山田氏は教えてくれた。
「初めて店舗を出してコンサルティングをした際は、金利が上がった時にメータが振れたり、深い分析データを見せたりということをユーザーにしていました。しかし、10個20個説明されてもユーザーからすると欲しい部分は、結局自分に合っているのは何なのか、だということがわかったのです」(中山田)
また、不動産会社や銀行への認知や連携が進んだこともオンライン化を後押ししている。今後は不動産テクノロジーサービスの連携や年収や勤務先などで測れない、個人の信用情報に関しても取り組みを構想中だ。同社では一度借り換えした人の情報を元に金利などが適正化されているか、というマンスリーレポートも作成している。これらの活用で、顧客からすればその時一番合っている住宅ローンを選び続けることもできるようになるかもしれない。
2018年6月にはFintech スタートアップ向け施設FINOLABへ移転し、コールセンターの増強を実施する。また現状約20名の組織も50名程度まで拡大予定だ。2020年度にはIPOおよび住宅ローン取扱い件数年間1万件を目指す。
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