パナソニックとScrum Ventures、イノベーション創出に向け合弁会社BeeEdgeの設立を発表【ゲスト寄稿】

本稿は、THE BRIDGE 英語版で翻訳・校正などを担当する “Tex” Pomeroy 氏の寄稿を翻訳したものです。オリジナルはこちら


東京での記者会見に登壇した Scrum Ventures パートナーの春田真氏
Image credit: “Tex” Pomeroy

パナソニック(東証:6752)は1日、同社専務執行役員の本間哲朗氏が司会を務める記者会見を東京で開き、サンフランシスコ拠点のアーリーステージ VC である Scrum Ventures と共に、BeeEdge という合弁会社を設立することを発表した。パナソニックが49%の株式を保有する。

BeeEdge は新世代の製品を生み出すことを目標に掲げ、パナソニックの社内で十分に活用されていな技術を探し出し、それらを商用化するための独立スタートアップを設立することを目指す。パナソニックと Scrum Ventures は協業や起業家支援における双方の経験を生かすことで、BeeEdge はアクセラレータとして活動することになる。

Scrum Ventures は、アメリカで発表したリリースで次のように述べている。

我々は、画期的な新技術に取り組むスタートアップを見つけ、彼らを支援する方法を知っています。起業家にハンズオンの支援を提供し、彼らが成功に必要なものを手に入れられていると確信します。我々の専門知識をパナソニックと共有することは、未活用のイノベーションを市場にもたらす上で大きな機会創出となるでしょう。

アメリカやアジアの多岐にわたる分野に投資するシードステージ VC の Scrum Ventures は、同社ファウンディングパートナーの宮田拓弥氏が指揮をとっている。シリコンバレーや日本で培った経験やネットワークにより、Scrum Ventures は同社のポートフォリオ企業にグローバルな機会に向けてアクセラレーションを提供し、大企業にはイノベーションを起こせるよう支援している。Scrum Ventures のパートナー春田真氏が、BeeEdge の社長に就任する。同社は最近、これまでに実施された投資や協業を通じて、日本の世界的大企業とシリコンバレーのスタートアップをつなぐ「Scrum Studio」を発表している。

Scrum Ventures パートナーの春田真氏(右)と握手する、パナソニックの本間哲朗氏(左)
Image credit: “Tex” Pomeroy

一方、顧客のライフスタイルを進化させる家電製品を作るとして知られるパナソニックは、新しい消費者体験や次世代向けたビジネスを作り出すため投資を増やしてきた。4月には、京都でのデザイン事業などにも注力するようだ。春田氏は会見に登壇し、シリコンバレーのスタートアップエコシステムに対する強い理解に加え、新しいトレンドや技術を見つけてきた Scrum Ventures のトラックレコードを強調した。また、Scrum Ventures が、スタートアップへのアドバイスを通じて、BeeEdge に専門知識をもたらすことができる良い位置付けにあるとも語った。

パナソニックのアプライアンス社を担当する本間氏は、次のように語った。

スタートアップ支援における専門知識を持つ Scrum Ventures と協業できることを楽しみにしています。機会分析から製品の市場投入、運用におけるベストプラクティスの共有まで、新しくイノベイティブな企業とともに我々が技術を開発するすべを最大化する上で、Scrum Ventures は貴重なパートナーになると思います。

大阪を拠点とするパナソニックのスポークスマンは、同社が合弁会社の設立に加え、Scrum Ventures Fund III(3号ファンド) への出資を検討中であるとも付け加えた。

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