ByteDance(字節跳動)が支援する短編動画アプリ「Huoshan(火山)」、10億人民元(約167億円)規模プロジェクト「百万行家」を発表

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Image credit: Huoshan(火山)

ByteDance(字節跳動)が支援する短編動画プラットフォーム「Huoshan(火山)」は、来年度10億人民元(約167億円)相当の現金およびリソースをつぎ込むプロジェクト「One Million Experts(百万行家)」を発表した。この資金で産業界や専門業界、そしてサービス業界のユーザがノウハウを紹介したり交換し合ったりすることを目指している。

Volcano Video や Vigo Videoとしても知られている Huoshan は、商業的利益だけを見ているわけではない。北京が規制や検閲を強化するにつれて、中国のコンテンツの番人である国家広播電視総局から、このプラットフォームは不適切なコンテンツを流していると批判を受けている。Huoshan の City Channel も低俗なコンテンツを排除するため4月に停止した。

そのため同社は北京の政策転換に応えるため、そして望まぬ経営的リスクを防止するために、ポジティブなエネルギーを持つコンテンツを推薦し広める新たな主題を設定した。

One Million Experts プロジェクトを担当する Huoshan 役員の Zhang Chao(張超)氏によると、第一段階でターゲットとするのは専門家、産業機構、そしてマルチチャンネルネットワークである。このマルチチャンネルネットワークは、料理、フィットネス、建築、マジックショーのスキル、教育、武術、乗り物のメカニックなど多くの業界が含まれる。

このプラットフォームの業界専門家のコンテンツは毎日50億ビュー以上を引きつけ、プランの正式なローンチに向けたビジネスの土台を提供するのだとZhang氏は強調した。

しかしながら、Zhang 氏の商業的な計算と北京の規制データベースにあるHuoshanのネガティブな記録を元にすると、このプロジェクトはむしろ、不可欠な成長を持続させ、マーケットのシェアを強固にし、コンテンツのポートフォリオを多様化させるための、安定してローリスクな利益をあげるチャンネルを求める妥協点のようなものだ。

10億人民元規模のリソースはビデオ版の産業百科事典を作り上げるだろうと地元メディアは表現した。Huoshan も専門家のコンテンツを循環型メディアプロジェクトへと変換するために、1対1の排他的なサービスをパートナーに提供する。また一方では、このプラットフォームは CCTV 7(中国中央電視台の農業チャンネル)とコラボレーションのために交渉をしているという報告もある。

盛り上がっているがリスキーな中国のコンテンツやライブストリーミング経済とパートナーシップを構築するとき、政策に裏打ちされたリソースを統合する明確なビジネスモデルは、信頼コストと経営上の懸念を削減するだろう。

そして10億人民元のプロジェクトは Huoshan にとって初めてではない。2017年、中国における初期段階の開発で、同社は10億人民元の現金を15秒の口コミ動画の製作者に分配した

中国のライブストリーミング業界は競争が激化している。業界の中でポジションを確保するために強固なパフォーマンスとトラフィックを維持するよう、収益性と政策のプレッシャーがプレイヤーに求められている。Huya(虎牙)Inke(映客)が IPO を実施したように、プレイヤーが退場しないためには財務の代替となるチャンネルやユニークなコンテンツを探さなければならなくなるだろう。

【原文】

【via Technode】

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