CES 2019: イベント直前プレビュー〜AR/VR、AIとロボティクス、健康ウェルネス分野は、出展社数・出展エリア面積ともに大幅増

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Sands Expo の CES 2018 サイン
Image Credit: Dean Takahashi

私はラスベガスで開催される CES 2019 でテクノロジーの取材に集中するため、毎年恒例ではあるがゲーム取材から一時的に離れることになる。CES を主催する全米民生技術協会(CTA)CEO の Gary Shapiro 氏が私に語ったところでは、今年は参加者18万人、出展社4,500社に上る見込みだという。展示面積は280万平方フィート(約26万平方メートル)、Eureka Park のセクションにはスタートアップ1,160社が集まる予定だ。

ビッグトレンドが見られることも楽しみにしている。そう、そのうちのいくつかは言うまでもないが、イベントのあちらこちらで人工知能がみられるだろうし、スマートセンサーや自動運転車もそうだ。高齢者介護のほか、発作の警告を誤報を発することなく教えてくれるヘルスウエアラブルなど、AI を実世界の問題解決に適用した事例も見てみたい。

今年は、ブロードバンドデータ通信を変えるかもしれない新モバイル通信技術 5G の実世界版デモを見られるだろう。Verizon や SK Telecom などの企業は、ユーザにギガビット/秒のデータ通信を提供すべく 5G の実装を始めている。5G の計画は壮大なものになるが、CES 2019 ではそれの展示より議論の方が白熱しそうだ。5G の一般実装は2020年までに計画に乗る公算だ。

テキサス州ヒューストンは、Verizon が 5G サービスを提供する3番目の都市となった。
Image Credit: Verizon

ラスベガス・コンベンションセンターの北ホールは、運転支援や自動運転をするクルマを開発するメーカーのモデル車が多く展示され、さながらモーターショーのようになるだろう。この1年間、ビットコインのような仮想通貨を扱っていた投資家が多かったことを考えると、ブロックチェーンスタートアップは注意を引こうとするものの、それは困難を極めるだろう。

エナジーハーベスティング(環境に優しい発電)は、バッテリーが改良されるゆっくりとした進歩に我々の注意を呼び戻すだろう。しかし、Cypress Semiconductor のような企業は、Internet of Things デバイスに電源を供給するソリューションを紹介、ベイエリアのスタートアップ Matrix Industries は、体温と太陽電池を使って動くスマートウォッチ「PowerWatch 2」を披露する予定。このスマートウォッチは全く充電する必要がない。

Samsung は CES 2019 で最も注目を集める企業の一つとなるだろう。同社は7日午後2時のプレスイベントで、一連の技術を披露する予定だ。最近開かれた Samsung Developer Conference で事前告知された折りたたみ可能なスマートフォンを見てみたいと考えているが、これは Mobile World Congress までお預けになるかもしれない。個人的な意見だが、折りたたみ可能なディスプレイは、4K や 8K TV の新モデル群よりも興味深いものになるだろう。人工知能チップやゲームに関連して、Nvidia の Jensen Huang 氏が6日夜に公表する内容についても楽しみにしている。ゲームや VR は CES の焦点ではないが、いくつかゲームのピッチのほか、e スポーツや VR アーケードイベントへの招待も受け取っている。

Ocean Medallion は、クルーズ船でインタラクティブディスプレイを実現
Image Credit: Carnival

CES 出展者の部門エリア別構成についても、CTA からいくつかのデータが明らかになっている。AR/VR やゲームは出展数で25.3%増、正味面積で9.3%増。AI とロボティクスは出展数で27%増、正味面積で45%増だ。Eureka Park には、1年前の1,108社から増加し1,160社が出展する。健康ウェルネスは出展数で24.5%増、正味面積で15.3%増だ(今年は117社、昨年は94社)。

新しいエリアも開設される。5,000平方フィート(約460平方メートル)の Resilence には11社が出展、8,000平方フィート(約740平方メートル) のエンタープライズソリューションのエリアには32社が出展の予定。スマートシティの出展数は19%減ったが(今年は67社、昨年は83社)、正味面積は78%となり以前より長いブースを確保することになる。スマートホームは出展数で2.4%減(今年244社、昨年250社)、正味面積は5.4%増。

確かに、私はすべての答えを持っているわけではない。Intel は Qualcomm、Advanced Micro Devices、Nvidia、ARM とどう戦うのかなど疑問もある。7日に開催される Intel のプレスイベントに 永続的 CEO は姿を現さない。Intel には、データセンター、PC 市場、ゲームで守るべき分野が多いものの、スマートフォン、人工知能、IoT プロセッサの分野で大きなシェアを確保できていない。同社のチップデザイナーたちは、ムーアの法則が減速する中で以前のアークテクチャが復活し、昔ながらのチップ開発技術を未来のチップ開発に応用する必要性を確信している

テクノロジーに対する私のいつもの希望の一つであるが、世界最大のクルーズ会社 Carnival Cruses の CEO Arnold Donald 氏のような面白い話にも期待したい。彼は2年前、ウエアラブルデバイス「Ocean Medallion」をローンチしたと語った。これはテクノロジーが、非テクノロジーな業種に浸透していった事例として大変面白い。テクノロジー自体が業務に取り込まれて姿を消し、そして業務そのものがスマートになっていくからだ。

Moen のスマートシャワーは最適な水温を覚えてくれ、ボタンを一つ押すだけでその温度に戻してくれる。
Image Credit: Moen

この話は、Internet of Things が浸透する一例だ。ソフトバンク CEO の孫正義氏は、1兆個の IoT デバイスが備わった未来が来ることを期待している。Gartner は、IoT デバイスが2020年までに現在の倍以上の204億個になると試算している。これら初期製品の多くは、最適な水温を覚えてくれる Moen の1,225米ドルスマートシャワー「U」のように、クレイジーリッチな人々のためのものだ。このデバイスの広告はセクシーだが、CES ではもっと実用的なものを見つけたいと考えている。ユーザセキュリティやプライバシーを守ってくれる技術にも出会いたい。

そのうちのいくつかは、人々を生き生きと生活させ、健康を保たせてくれるものになるだろう。テックは若い人々のために作られることが極めて多いが、高齢者の生活を向上させられる技術にも焦点を当てたい。年末休暇、私は年老いた母のために Vayyar Imaging が開発した49ドルの転倒検知センサー「Walabot Home」を購入した。私はそれをセットした初日に、母が転倒した可能性があるとの警告を12回受け取った。それらはすべて誤報だった(Vayyar Imaging は修正版を送ってくれたので、以降、誤報が来ることはなくなった。彼らは私に代金を25%返金してくれた)。Walabot Home は素晴らしい考えだが、こういったデバイスはよりスマートになる必要があると思う。

一方、健康関連のさまざまなウエアラブルで大きな進展があるだろう。私は最近、睡眠の質をモニターする SleepScore Labs の iOS アプリを使った。浅い睡眠やレム睡眠の長さ、睡眠中に何度起きたかなど、非常にきめ細かい結果を教えてくれる。SleepScore Labs はこれまでに何百時間もの睡眠データを収集することができた。うまくいけば、〝睡眠データの海〟の中で、明確なトレンドを見つけることができるだろう。

SleepScore は、眠りの質をスコアで表示
Image Credit: SleepScore Labs

手首で心電図を記録し、生命を脅かす状態の時に警告を発する機能を備えた「Apple Watch Series 4」のようなテクノロジーも目にしたい。オムロンなどはしばらく完全な健康ウエアラブルを追いかけていたが、昨年、寝ている間に安静時の血圧を計測できるウォッチをもたらした。

とてもクールな拡張現実(AR)、仮装現実(VR)、ロボティクス、ドローン、ゲームなどにも出会えるだろう。AR テクノロジーは、驚くほど軽量なスマートグラスや、クルマ用のヘッドアップディスプレイに、さまざまな可能性を提供するだろう。

5G から自動運転車まで、これら新しいテクノロジーに関する政府の視点についても必要になるだろうから、アメリカの連邦通信委員会委員長 Ajit Pai 氏や、運輸長官 Elaine Chao 氏の話も楽しみにしたい。

気味の悪いヒューマノイドロボットやスマートスクーターは取り扱わないかもしれないが、それは私だけだろう。

繰り返しになるが、私は、ユーザを追いかけてくる1,100ドルのスーツケースを見つけたいとは思わない。テックのためのテックではなく、「テクノロジーを売っている」とは見られていない企業が消費者用途にテックを取り入れた、役に立つ製品を探すことになるだろう。

今でも過去から素晴らしいアイデアを持って戻ってきた企業に会えることを望んでいる。それは、改善しただけ、安いだけ、より実用的にしただけであっても十分だ。テックはある時点で我々の日常生活の一部となり、我々はそこにテックが存在していることさえ認識しなくなる。これからの数日間、CES 2019 に関連する多くの記事に期待してほしい。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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