日本人起業家によるベトナムの飲食店向け仕入れSaaS「KAMEREO」、ジェネシアベンチャーズやVelocity Venturesから50万米ドルを調達

SHARE:
KAMEREO のチームメンバー
Image credit: Kamereo

ベトナム・ホーチミンシティ(HCMC)を拠点に、飲食店向けの仕入れプラットフォーム「KAMEREO」を運営する KAMEREO は7日、ジェネシアベンチャーズVelocity Ventures Vietnam から50万米ドルを調達したことを明らかにした。ジェネシアベンチャーズにとっては、同社2号ファンドの最初の海外投資案件となる。Velocity Ventures Vietnam については詳細は不明だが、ハノイに拠点を置くアーリーステージ特化の3,000万ドル規模の投資ファンドのようだ。

KAMEREO は HCMC を拠点に活動する日本人起業家、田中卓氏により2018年6月に設立。彼はクレディスイス証券に勤務の後、ベトナムの外食産業界を席巻するピザチェーン「Pizza 4Ps(ピザフォーピース)」で取締役 COO を務めた人物だ。彼によれば、ベトナムの飲食業では食材発注をはじめとする、あらゆる仕入れの連絡は電話やベトナムで人気のチャットアプリ「Zalo」などに頼っていることがほとんどなのだという。KAMEREO が取り組むのは、非効率となっている仕入れ連絡のデジタルによる最適化だ。

<関連記事>

KAMEREO のダッシュボード(クリックして拡大)
Image credit: Kamereo

飲食店では、スタッフが発注した量が不明瞭で食材ロスが発生したり、意図的にスタッフが過剰に発注し余剰分を家に持って帰ってしまったり、仕入れプロセスでさまざまなムダが発生する。一方、サプライヤーや食材を提供する農家などにとっては、新たな販売先を営業開拓する手段が十分には提供されていない。KAMEREO を使えば、サプライヤー探しから日々の発注状態の確認までを、web ベースで一元化することができる。

ベトナムでは、日本のように複数の小規模サプライヤーを束ねる総合卸業者が存在しないため、飲食店にとっては数多くの小規模サプライヤーとの連絡が多くなり、デリバリノート、インボイス、支払などが煩雑になる。KAMEREO では、オンラインによる一連の業務効率化に加え、将来的には飲食店からサプライヤーへの支払業務一元化への機能拡大も検討しているようだ。また、人件費の高さが理由で余剰労働力を確保しづらいシンガポールの飲食業界などにも、業務効率化を武器に進出する計画を持っている。ベンチマークしているのは、田中氏が証券会社時代にウォッチしていた飲食業界向け B2B ビジネスの雄インフォマート(東証:2492)だ。

KAMEREO は今後、サプライヤー紹介や発注管理などに加え機能を充実させ、サプライヤーにとって ERP 的な機能も提供できるようにしたいとしている。その便利さからサプライヤーに KAMEREO が浸透すれば、サプライヤーに KAMEREO を飲食店に紹介してもらえるネットワーク効果も期待できるだろう。今回の資金調達を受けて、これまで田中氏を含め3人で運営してきた KAMEREO のチームを8人にまで拡大し、システム開発やカスタマーサクセスを充実させるとしている。

<関連記事>

----------[AD]----------