実は急増してるコーヒースタートアップへの投資ーークウェート拠点のコーヒーデリバリーCOFEが320万ドル調達、その背景にあるものとは

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ピックアップKuwait-Based Coffee Delivery App COFE Secures $3.2 Million in Pre Series A funding  

ニュースサマリー:クウェートを中心にコーヒーデリバリーアプリを展開する「COFE」が14日、プレシリーズAにて320万ドルを調達したと発表している。出資したのはArab Investment Companyを中心に、KISP Ventures、Cedar Mundi、Towell Holding Internationa、Takamul Capital、Dividend Gate Capital、Nizar AlNusif Sons Holdings。

COFEは2017年のスタートアップで昨年にβ版を公開している。COFEの大きな特徴としてそのシームレスさがある。同アプリ内だけで注文や決済は完了し、自宅やオフィスへ配達してくれたり、特定のカウンターでのピックアップまた車でのピックアップも選択可能になっている。

Forbesが主催する「Forbes Middle East’s Top 50 Startups」にノミネートされるなどアラブ地方にて注目を集めた。アプリには2018年実績として、中東だけで9000件以上のチェーン・個人経営のコーヒーショップが登録されているという。

話題のポイント:今回のニュースはデリバリースタートアップと考えると「またか」的な印象もありますが、どちらかといえばコーヒーという巨大市場における新たなテクノロジーやトレンドによる変化と見た方が面白そうです。

コーヒー関連のスタートアップは近年猛烈な勢いを見せています。CB Insightsによれば、2018年において同様サービスのスタートアップは合計で10億ドル程度の調達を完了させているそうです。背景には、コーヒー消費量の全体的な増加があります。例えばアメリカでは全体の約64%以上が1日1回はコーヒーを飲むという結果がNational Coffee Associationより発表されています。

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Credit: The Buzz is on: Coffee Funding Skyrockets on 2018

上図はCB Insightsが公開した2013年から2018年におけるコーヒースタートアップに投資された資金をグラフ化したものです。特に2018年における同市場の成長率は顕著で、2017年と比べただけでも4倍以上に膨れ上がっています。

ここにはコーヒー市場の盛り上がりの背景には健康志向のトレンド(グルテンフリーやノーカロリー商品など)も関係あるかもしれません。例えば下図は、USにおけるソフトドリンクの消費量を表したものです。1987年から2000年前半までは順調に成長を続けていたものの、近年に近づくごとに減少傾向になり、2015年には過去最少となりました。

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Credit: United States International Trade Commission

販売するチャネルにも変化があります。例えばWeWorkのミニストアやUberの車内販売「Cargo」などがそれで、「ミレニアル」な消費行動を持った世代に対して新しいコンセプトの商品を販売するチャンスが生まれているんですね。

例えばSunniva Super Coffeeは「コーヒーなんだけど健康ドリンク」という二律背反の商品なのですが、新興メーカーで知名度が低い分、従来のスーパーマーケットなどのチャネルではどうしても分が悪くなります。しかし前述のWeWorkのミニストアでも販売しているそうで、相性はよさそうです(動画では思いっきり従来チャネルで店頭販売してますが)。

最近ではアジア方面でもコーヒー産業が勢いを増してきています。例えば、中国のLuckin Coffeeは2018年1月に第一号店を出店し、わずか半年でユニコーン企業に成長したそうです。

サードウェーブ系のコーヒーショップが出てきてからしばらく経過しますが、改めてこの市場を見てみるとチャンスを感じることが多いと気がつきます。

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