肩こり・腰痛対策アプリ「ポケットセラピスト」開発のバックテック、シリーズAラウンドで2億円を調達——エムスリー、MTG Venturesから

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バックテック創業者のほか、既存投資家、新規投資家の皆さん
Image credit: BackTech

肩こり・腰痛対策アプリ「ポケットセラピスト」を開発するバックテックは20日、シリーズ A ラウンドで2億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、医療人材大手のエムスリー(東証:2413)と、「シックスパッド」などを販売する MTG(東証: 7806)の CVC である MTG Ventures。

バックテックにとって、今回の調達は、2016年9月に実施したサイバーエージェント・ベンチャーズ(当時)からのエンジェルラウンド調達、2018年5月に実施した NVCC と JR 東日本スタートアップからのシードラウンド調達に続くものだ。以前のラウンドでの調達金額は明らかになっていないが、累積調達金額は3億円を超えるものとみられる。

2014年10月に京都大学の起業家養成プログラム「Global Technology Entrepreneurship Program」から輩出されたバックテックは、2016年4月に法人を設立。京都大学大学院医学研究科の研究成果である腰痛タイプ判定アルゴリズムを用いて、ユーザに最適なエクササイズの提案や腰痛タイプに合わせた優良治療院を紹介してくれるモバイルアプリ「ポケットセラピスト」を開発・提供している。

アプリ「ポケットセラピスト」
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ユーザはアプリを使って、腰痛に関するセルフチェックを行う。状態とニーズの判明後、最適な治療院とのマッチングが行われ、必要に応じて Skype での専門家との相談も可能だ。各企業の健康経営の施策の効果判定を支援する「アセスメントプラン」と、肩こり・腰痛の軽減による生産性の向上を支援する「ソリューションプラン」を提供しており、B2E モデルによりビジネスを確立しつつある。

最近は特に B2E モデルでの営業展開を強化しており、コニカミノルタや日本ユニシスなど大手企業が社員向けに導入。経済産業省が定めた「健康経営銘柄」なども追い風となって、ポケットセラピストの導入を決めたり、試験導入を始めたりする企業が増えつつある。これらの企業では、従業員向けの福利厚生だけでなく、人事対策からも予算が確保されるケースが増えているそうだ。

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リリースによれば、今回の調達を受けて、バックテックは、エムスリーと MTG Ventures の両社とそれぞれ次のような業務連携を行う。

【エムスリーと】

  • 医師と理学療法士/作業療法士を組み合わせた企業の労働生産性改善に向けた協業
  • 非保険(自費リハビリテーション)領域でのサービス開発
  • オンライン医療との協業

【MTG と】

  • WELLNESS ブランドとのデータ連携を基にしたサービス内容の拡大
  • ヘルスケアサービス展開に向けた新商品の開発
  • MTG のブランド開発力を活かした、当社およびポケットセラピストのブランド開発

バックテックが両社と実施する具体的なアクションについては明らかにされていないが、両社の最近の発表内容などを参考にすると、次のような仮説を立てることができるだろう。

まずエムスリーだが、昨年8月、リハビリ施設運営のワイズを子会社化しており、また、NTT ドコモとの共同出資により来月にも新会社エンフィールを設立、企業の従業員向け健康経営コンサルティングを提供することを明らかにしている。エムスリーは医師や看護師の人材供給を強みとするが、コメディカルと呼ばれるセラピスト(理学療法士/作業療法士)分野の人材供給には課題が残る。

一方、バックテックは良質なセラピストを多数抱えているため、人材供給の点でエムスリーの機能を補い、ワイズやエンフィールにセラピストを供給する可能性が考えられる。エムスリーは今年初め、LINE とオンライン医療事業を開始することも発表している。

MTG Ventures の親会社である MTG は、健康分野における AI 活用を促進するラボを創設しており、今年秋にも睡眠の質を改善する「AI モーションマットレス」を販売すると明らかにしている。肩こりと腰痛、睡眠には大きな関係性が認められるため、バックテックとはこの周辺で何らかの協業が行われると推定できる。

バックテックでは調達した資金を使って、開発エンジニア、営業職(フィールドセールスとインサイドセールス)、カスタマーサクセスの人員を強化する模様。ビジネスモデルが確立してきたことから、こなした営業件数に応じて、売上にどの程度反映されるかを見極められるようになったという。サービスが継続的に利用されることで成長できるビジネスモデルであるため、顧客企業の新規獲得のみならず、ポケットセラピストを利用する従業員の満足度向上に注力したいとしている。

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