ソフトバンク、配車サービス大手Didi(滴滴出行)に16億米ドルを出資へ

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Image credit: Didi(滴滴)

日本のソフトバンクが16億米ドルを配車サービス大手 Didi(滴滴出行)に追加投資する意向だと同社 CEO が明らかにした。この動きは、Didi が2018年に記録的な赤字を出したというニュースの最中に発表された。ソフトバンクの CEO で創業者の孫正義氏は、Didi に関して3月8日の CNBC のインタビューで次のように語った。

弊社は Didi に16億米ドルを投資する予定です。弊社が資金提供した以前のラウンドに続くさらなる投資としてです。

投資金がソフトバンクからのものか、それとも VC 部門である Vision Fund からのものかは明らかにされなかった。孫氏は、配車サービス業界の各企業がまだ利益を上げていないことを認めたものの、それらの企業は「非常に急速に成長している」と語った。

Didi の広報担当者は TechNode(動点科技)の問い合わせに対し、ソフトバンクの今回の投資についてコメントを断った。

ソフトバンクは2016年に、Didi が実施した45億米ドルの投資ラウンドに参加している。Crunchbase のデータによれば、China Merchants Bank(招商銀行)や Bank of Communications(交通銀行)とともに、2017年の55億米ドルのラウンドにも参加した。

今回のソフトバンクの発表は、Didi の抱える財政的な問題や規制の問題が増す中でなされた。Didi は、相乗りサービス「Hitch(順風車)」を利用していた2人の乗客が殺害されたことを受けて、収入よりもコンプライアンスに重点を移し、2018年には110億人民元(約1,825億円)近くの赤字を出したと報道されている。

Didi は今年、労動力の15%に当たる従業員2,000人を一時解雇する予定だ。2月の社内会議で Didi  CEO の Cheng Wei(程維)氏は、コアビジネスでないビジネスの一部を見直し、必要ならカットすると述べた。また、コンプライアンス、ドライバーの管理、国際化に注力するために追加の人員を雇う予定だ。

9月に Cheng 氏は社内文書で、設立以来「一度も利益を上げたことがない」と述べた。

Didi は、Hitch での殺人事件の後、公衆の非難を受け、また政府の調査を受けた。同サービスは無期限に停止となった。その後 Didi は自社ネットワークから法令を遵守しない自動車とドライバーを除外することに努めてきた。その結果、さらなる資金を投じて資格あるドライバーを雇用し、安全性のためにより多くのリソースを投じる必要にさいなまれ、これら両者が同社の財政に影響をもたらしている。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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