アスリートの疲労を可視化する「Grace Imaging」が優勝ーー第5期IBM BlueHubインキュベーションプログラムで5社が成果を披露

by Taishi Masubuchi Taishi Masubuchi on 2019.3.19

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日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は3月18日、主催するスタートアップインキュベーションプログラム、「IBM BlueHub」のDemo Dayを開催した。日本IBMと国内のベンチャーキャピタリストがメンタリングしたスタートアップ5社が、半年間のインキュベーションの成果を披露した。5期目のメンバーとなる採択スタートアップは以下の通り。

  • スキル共有プラットフォーム(IMPAKT)
    中小企業とプロ人材をつなぐプロジェクト型海外展開プラットフォームの運営
  • 疲労分析/スポーツヘルスケアサービス(グレースイメージング
    MRIおよび乳酸の測定による疲労分析サービスの提供
  • SaaS型RPAソフトウェア(Robotic Crowd, チュートリアル
    SaaS型RPA「Robotic Crowd」の提供
  • 口腔ケアシステム(歯ッぴー
    口腔内情報を価値へ変換するデンタルチェックの提供
  • 通話分析・自動入力サービス(pickupon)
    通話内容を記録・分析し、SFAへ自動入力するサービス「 pickupon(ピクポン)」の提供
以下は、事業詳細とプレゼンテーション内容。(順不同)

スキル共有プラットフォーム(IMPAKT

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IMPAKTはローカルプロフェッショナルと企業を結ぶ

IMPAKTは海外展開を狙う中小企業と現地人材をマッチングさせるプラットフォームを提供。海外展開の際、現地の情報をインターネットで得ることは可能なものの、真偽性を確かめる方法は少なく、実際にその場に住んで「肌感覚」でしか分からないカルチャーがあることも多い。このギャップを、プラットフォームを通してフラットにさせることを目指す。

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確かに今の時代であれば、Googleでベトナムにおけるカルチャーの特色や、トレンドなどを調べることは可能。ただ、長年現地に滞在しているからこそ気が付く、現地人に限りなく近い観点を持つことはGoogle検索だけでは難しい。

メンタリング実施期間では企業向けUXの向上に力を入れた。海外展開を考え始めた企業が自社のプロダクト情報を入力すると、AIが最適な国やマーケットエリアを提案してくれるシステムの導入を進めている。

また同時に同プラットフォームが抱える現地人材とのマッチングも並行して行われるため、スピード感を持って海外展開を進めることが出来るとした。

疲労分析/スポーツヘルスケアサービス(Grace Imaging

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東京オリンピックも近い今、アスリートにとって「疲労」管理は大切なはず

今回最も評価が高かったのがGrace Imaging。アスリートの疲労を分析し評価するサービスを提供している。先進MRI技術と乳酸センシング技術により、「疲労」という曖昧なものを可視化せることを目指している。

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同社のサービスを用いれば、アスリート選手の筋肉が疲労しやすい筋肉なのか、披露しにくい筋肉なのか、また計測時にどの程度「疲労度」が溜まっているのかなどを可視化し、知ることが可能。

今後の展開としてはウェブ型のサブスクリプションモデルの確立を目指す。プロ球団などに対しては年間の利用料として約500万円ほどを見込むが、教育機関などケースに応じて価格や提供サービスの調整予定している。

SaaS型RPAソフトウェア(チュートリアル

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単純作業を無くすだけでなく、成長戦略にも貢献

SaaS型RPA「Robotic Crowd」の提供をしているのがチュートリアル。企業における事務作業の自動化・効率化を行い、人による単純作業を限りなく少なくすることを目指す。例えば、採用などで、人為的にこの作業をする場合、エクセルなどを利用して候補者の情報を並べる必要があるが、同社サービスを用いれば自動的に情報のピックアップなどを進めることが出来る。

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導入企業一例

ただ、単純作業をなくすRPAはWindowsネイティブのソフトウェアなど、昔から存在していた。同社の差別化要因はクラウドネイティブな点で、現在進行形の情報を共有したり、オープンに実施できるようになる。ただ単純作業を無くすだけでなく、企業における成長戦略に繋がるきっかけとなるようなサービス向上を目指すという。

口腔ケアシステム(歯っぴー

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今回、「特別賞」という元々は用意されていなかった賞を受賞した。

歯っぴーはその名の通り、「歯」のヘルスケアに着目したスタートアップだ。同社によれば、歯周病は歯の病気の中でもうつ病や精神的な病につながりやすく、将来的に見ればアルツハイマー病へのかかりやすさにも関連してくるという。そのため、欧州や米国では80%を超えてる検診率が、日本においてはたったの4%ほどとされている。

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歯周病の検診は、歯周ポケットに細い針を差し込んでその深さを検査する手段が一般的。そのため日本では、歯周病検診に対して「痛い」「怖い」「面倒」といった考えが多く、これが4%という結果に出ていると考える。これを解決すべく、同社はスマートフォンのみで歯周病の診断を完結させるサービスの開発に成功した。スマホの撮影のみで人工知能が歯の健康状態を検診してくれる。

同社は「歯」の健康状態だけでなく、自覚症状なく派生することが多いうつ病や糖尿病などを発見することも目指す。医療現場などでや、企業との連携などの実証実験も動き出しているという。

通話分析・自動入力サービス(pickupon

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ピッチ中にプロダクトの実演を披露したpikupon

pikuponは、AIが通話内容を記録・分析し重要箇所を自動で選定してくれるサービスを提供。日本において、電話による営業活動はいまだに一般的な状況。そのため、営業すればするほど生じる会話の「コンテンツ」を企業内部にて、透明化・共有させるために、何時間も時間をかけて文字起こしをしなければならない状況が続いている。同社はこの状況から脱却すべく、そのソリューションをAIを利用して開発している。

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加えて、同社サービスは音声から会話主の性格や感情を分析することが可能。ただの記録で終わることなく、パーソナライズした営業アプローチに繋げることが可能としている。

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