LINE Ventures、タイでのスタートアップ支援プログラム「ScaleUp」を通じ3〜5年間に約22億円を投資へ

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LINE Ventures と LINE Thailand は、プログラム「ScaleUp」で今後3年から5年の間にタイ初のユニコーン企業が生まれるのを願って、スタートアップのビジネス成長を支援するため約22億円(6億3,200万バーツ)を投資することを約束した。

Bangkok Post の報道によれば、LINE は「スーパーアプリ」戦略の一環で、革新的なスタートアップを本プログラムに集めたい考えだ。

LINE Ventures のグローバルビジネス開発部門エグゼクティブディレクターでタイでの活動を監督する Jayden Kang 氏は次のように述べている。

私たちは、地元のスタートアップがより広範囲にわたる資金援助を受けられるよう支援するプログラム ScaleUp をローンチする最初の国としてタイを選びました。

LINE Corporaion 傘下の VC である LINE Ventures Global のグローバル投資部門のリーダー、Kay Lim 氏の公開した統計によれば、タイのスタートアップ資金は主にシード期投資によるもので、資金の48%を占めている。シリーズ A の資金は26%、シリーズ B の資金は9%だ。Lim 氏の考えによれば、タイのスタートアップは地域的なマインドセットを欠いており、創業者たちには国際的な誘導が必要だという。

Lim 氏はさらに、タイでユニコーン企業を生む可能性のある分野は、トラベルテック、フィンテック、エドテックだろうと指摘した。

ScaleUp が今後力を注いでいくのは、スタートアップが国際的な VC ファンド、特に LINE Ventures と関係を結べるよう支援すること(LINE Ventures は、顧客のニーズを明確に理解した上での製品やサービスをすでに提供しているスタートアップの20%のシェアを得る予定)、LINE のネットワークを通してグローバルに拡大可能なビジネスと関係を結べるよう支援すること、またタイ国内の4,400万人の顧客を活用することだ。

スタートアップは ScaleUp プログラムに選ばれると、LINE メッセージアプリのプログラミングインターフェースを1年間無料で利用でき、また、LINE のビジネスを強化する教育、デジタルコンテンツ/メディア、e コマースといった分野でのメンタリングやコーチングを1年間無料で受けることができる。

ScaleUp は、昨年5社の選出されたスタートアップとともに始まった。今期は5月17日に始まり、11月にデモデイが設けられている。

これまでに LINE Ventures は、3つのファンドで43社の企業に投資してきた。そのうち12社が東南アジアにある。LINE のグローバルビジネス部門 SVP であり、LINE Thailand の臨時 MD も務める Eunjung Lee 氏の下で、LINE Ventures はこれまでにシリーズ A ラウンドで500万米ドルを FastWork に投資し、e コマースプラットフォーム SellSuki を買収した。

【via e27】 @E27co

【原文】

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