講義時間割アプリ開発のOrarioが事実上のピボット、社会人が学生の就活を支援する「就活メンターズ」をローンチ

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就活メンターズ
Image credit: Orario

Orario は4日、社会人と就職活動中の学生をマッチングし、企業の学生採用活動を支援するリファラル採用サービス「就活メンターズ」を正式ローンチした。社会人が学生から OB 訪問を受ける行為をメンタリングと位置づけ、社会人が学生にキャリアアドバイスを実施し、企業に学生を推薦することで、OB 訪問を副業ビジネスに転じることができるリファラル採用サービスだ。

企業は「○○な学生を紹介してください」という求人情報を掲載するだけで、担当メンター(社会人)を通じ優秀な学生との面談機会を確保することができる。担当した学生が採用に至った場合は、採用一人当たり企業から Orario に支払われる50〜100万円の成果報酬のうち、30%がメンターに提供される仕組み。なお、メンターは自分が所属する会社だけでなく、他社に推薦文を書いて紹介することもできる。

メンターとなるのは、就活学生がコミュニケーションを取りやすい、新卒5年目程度の企業の中では若手とされる社会人が中心。推薦成功率(=企業の推薦承認数/企業への推薦数)、内定率(=企業への就職内定件数/企業の推薦承認数)、自己紹介プロフィールを
もとに、学生は一覧から自分に合いそうなメンターを選ぶことができる。メンターは企業に所属していることを示す情報と Facebook 認証など一定条件下で登録が可能。昨年から始めたβ版運用期間の段階で、利用企業数は35社、メンター登録者数は300名程度。

Image credit: Orario

先行する OB訪問マッチングの「Matcher」やソーシャルヘッドハンティングの「SCOUTER」にも似た、リファラル採用領域のサービスだ。メンター登録者とは Orario が個別に雇用契約を結ぶことで、報酬の支払を可能にしている。企業では社員の副業を認めるところが増えてきていることもあり、Orario ではメンター登録者が順調に伸びることを期待している。1年以内をメドに3,000名を目指すそうだ。

Orario は、大学が提供している情報サービスをキュレーション・アグリゲーションして受講時間割の管理を効率化するアプリ「Orario」を提供している。こちらはサービスを続行するも、サードパーティーによる Web スクレイピングなどで情報を取得されることに大学側の懸念が根強いことや、収入モデルを多角化する狙いから就活メンターズの開発に至ったようだ。ただ、中国の課程格子(ClassBox)に見られるように、チャーンレートの低い時間割アプリをもとに形成した学生コミュニティの市場価値は大きい。Orario の方も今後、新たな展開が期待できるかもしれない。

Orario は2016年12月にシードラウンドでベクトル(東証:6058)から2,000万円を調達。リクルートのアクセラレータプログラム「TECH LAB PAAK」の第6期朝日メディアアクセラレータの第5期に採択されている。

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