
ピックアップ:Facebook plans to launch ‘GlobalCoin’ currency in 2020
ニュースサマリー:Fabebookが2020年に「グローバル・コイン」と名のつく仮想通貨を発表する予定だそうだ。今日、BBCの報道が伝えているもので、2020年の第一四半期でのローンチを見込んでおり、2019年中にテストを実施するという。
現時点で公開されている情報は限られているが、どうやらグローバル・コインは、複数の国々で発行・流通される通貨になるという。5月2日、Facebookは金融・テクノロジーサービスの提供とソフトウェア・ハードウェアの開発を行うために、スイスのジュネーブに「Libra Network」と呼ばれる組織を設立している。
さらに、先月Facebookが独自のステーブルコイン・プロジェクトのために10億ドルの資金調達を計画しているとの噂も流れた。
話題のポイント:Facebookは、独自の通貨(グローバル・コイン)を発行することで、一体何を達成したいのでしょうか。このグローバルコインは、Facebookがこれまで密かに進め・言及を控えてきたステーブルコイン・プロジェクトと無関係ではないでしょう。
もともと、Facebookステーブルコインの用途はFacebook傘下のチャットアプリ「WhatApp」内で送金・決済に用いるためだとされてきました。WhatAppは現在15億人のユーザーをもっていて、インドではWhatAppは最も利用されているチャットアプリです。
そして、インドは国外から国内への国際送金の総額が世界でもトップクラスに多い国です。Facebookはそこにビジネスチャンスを見出したのかもしれません。ちなみに、現在インドでは新しい決済機能WhatApp Payのテストも実施されているといいます。
そしてその後、Facebookの仮想通貨はユーザーが広告を見る代わりに付与されるポイントのような機能をもつとされる情報も流れ始めました。このような通貨の用い方は、先週資金調達の噂が流れたBraveと似ており、広告でのマネタイズを行うビジネスモデルとしては理にかなっています。
筆者は、今回のグローバル・コインは、もともと発表していたステーブルコイン・プロジェクトを継承した、あるいは同様のモデルの仮想通貨になると考えています。
なぜなら、 Facebookがグローバル・コインをわざわざ価格変動の高いビットコインのような利用しづらい通貨にする理由は見当たらないし、Facebook内にLibraの他にブロックチェーン技術のR&Dを行なっている組織があるとの情報はないためです。
つまり、グローバル・コインは、もともと開発を行なってきたステーブルコインを複数の国で発行・流通させることを目指したプロジェクトなのではないか、ということです。異なるのは、プロジェクトは複数の国で行われ、2020年に実行されると明言した点でしょうか。
詳細で厳密な情報は今後徐々に分かっていくと思われますが、仮想通貨・ブロックチェーン業界にとって、Facebookが与えるインパクトはさぞ大きいものになるでしょう。
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