出張を安く抑えた社員にAmazonギフト券をプレゼント、急成長の出張管理「TripActions」がa16zから2億5000万ドル調達

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ピックアップTripActions, A Corporate Travel Startup That Rewards Road Warriors For Booking Cheap Hotels, Is Now Worth $4 Billion

ニュースサマリー:法人向けトラベルマネージメントソフトウェアを提供する「TripActions」は6月28日、シリーズDにて2億5000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドにはAndreessen Horowitz、Zeev Ventures、Lightspeed Venturesが参加している。

同社は主にエンタープライズ向けに、各社・各社員ごとにパーソナライズされたビジネストラベル管理サービスを提供。公式リリースによると、今回のラウンド時点におけるバリュエーションを10億ドルとしておりこれは前回調達時から4倍となる。2015年にサービスをローンチした同社は、これまでに4億8000万ドルの資金を調達している。

話題のポイント:日本ではあまり一般的でないかもしれない、ビジネストラベルマネジメント領域に関する話題です。市場規模、またこれからの成長性等どういったポイントがあるのか以下で調べてみたいと思います。

TripActions公式リリースによれば、同社の主要顧客にはWeWork、Lyft、DropBox、Yelpなどを含む2000社をグローバルに有し、年間11億ドル以上の取引があるそうです。また、このプラットフォームを利用した際は、最大で34%の予算削減、利用者全体における93%の満足度、また予約から管理までにかかる平均時間を60分から6分まで効率化できるとしています。

Business travel market by geography
Image Credit : Allied Market Research

上図はAirbnbなどのコーポレートトラベル関連話題の際常に取り上げているAllied Market Researchによるレポートです。2023年までにビジネストラベルの市場規模は約165億ドルにまで拡大すると予想されています。165億ドルの市場規模が見込まれているエリアにて、既にその約10分の1にあたる11億ドルほどの取引額を誇っている同社です。競合も数多く存在する中で、なぜ創業から3年足らずでここまでの認知度とユーザー数を獲得できたのでしょうか。

その一つの要素に「インタラクティブ」な性質が同社プラットフォームにはあるのかなと感じました。TripActionsは独自の「リワードプログラム」を設けており、予算を安く抑えるプランを選択した出張者に対してAmazonギフト券や個人に対して還元されるシステムを導入しています。これにより、企業にとっては予算削減を図ると同時にインセンティブ設計を施すことができる、といった流れになっています。

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これは、今まで一部門や個人のみが管理する形態(一方通行)と比べ、より透明性そしてインタラクティブな設計を取っていることが分かります。上図のように、パーソナライズされたアカウントなども用意されており、「出張」を通して会社運営に関わるといった感覚も味わえるのも一つの特徴なのでしょう。

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