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インフキュリオン、カード即時発行プラットフォーム「Kyash Direct」を事業譲受

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各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは27日、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)が開発・運営するプラットフォーム「Kyash Direct」を事業譲受したことを明らかにした。譲受金額や譲受契約の詳細については明らかにされていない。 Kyash Direct は昨年4月に Kyash が発表したプラットフォームで、RESTful API/SDK 経由により、イシュイ…

左から:インフキュリオン代表取締役社長の丸山弘毅氏、Kyash 代表取締役 CEO の鷹取真一氏

各種フィンテックサービスを提供するインフキュリオンは27日、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)が開発・運営するプラットフォーム「Kyash Direct」を事業譲受したことを明らかにした。譲受金額や譲受契約の詳細については明らかにされていない。

Kyash Direct は昨年4月に Kyash が発表したプラットフォームで、RESTful API/SDK 経由により、イシュイング(カード発行)・プロセシング(決済)・プログラムマネジメント(運営)をワンストップで提供。カードに複数のファンディングソース(カードに引き当てる資金源のこと。デビットカードであれば引落に使う残高のある銀行口座、クレジットカードであれば与信枠など)を引き当て、用途別、決済金額の規模など条件に応じて、ファンディングソースをダイナミックに切り替えることができる。オーソリ電文についても、Web サービスが扱いやすい JSON 形式に変換して提供する。

Kyash Direct を使うことで、企業は自社ブランドのバーチャルおよびリアルの Visa カード発行(バーチャルの場合は即時発行)できるほか、企業が銀行預金や売上金などの金融資産と API 連携し、世界の Visa 加盟店(5,390万店舗)で利用できるようになる。主な用途としては、クラウド費用やオンライン広告料金をカード決済したいスタートアップ(ユースケースとしては BREX のようなもの)、従業員個々にカードを付与し経費支払を簡素化したい企業、仮想通貨を法定通貨に転換して使えるカード(ユースケースとしては Coinbase のようなもの)などが想定される。

Kyash Direct が提供できる機能を説明する、Kyash CTO の椎野孝弘氏(昨年4月)
Image credit: Masaru Ikeda

実際のところ、昨年10月にはクラウドキャストが Kyash Direct を使って経費精算用 Visa プリペイドカード「Staple カード」をローンチした。社内で承認された額が経理担当者によって Staple カードにチャージされるため、従業員による立替、後日の経費精算が必要なくなり、コーポレートカードのような発行時の与信審査も不要のため、低リスク・低コストで全従業員に配布することが可能になる。

インフキュリオンは2006年に設立。コンサルティング部門、金融・決済企業の DX 支援部門を擁し、決済ゲートウェイサービス「Anywhere」、QRコード決済対応ウォレット ASP 「ウォレットステーション」、後払いサービス「SLiDE(スライド)」、自動貯金アプリ「finbee(フィンビー)」、決済業界専門誌「カードウェーブ」を開発・運営し、スタートアップへの投資も始めるなど、フィンテックにおけるコングロマリットになりつつある。

一方、Kyash は2015年に設立。VISA のバーチャルクレジットカードとしても機能する P2P 決済・送金モバイルアプリ「Kyash」を開発・提供している。同社は今年8月、「資金決済に関する法律」に基づく資金移動業の登録を完了したことを明らかにしており、Kyash に何らかの機能が追加されることを示唆している。関係者によれば、Kyash が次に取り組むのはデジタルバンキングとする見方もある。この分野では昨年末、フィンテックスタートアップの WED がチャレンジャーバンクやスマホ銀行への展開を言及した

インフキュリオンの BaaS 概念図
Image credit: Infcurion

今回の Kyash Direct 事業の譲受・譲渡により、インフキュリオンは Kyash Direct を BaaS(Banking as a Service)の一つの機能として組み入れ企業向けの拡販を強化、また、Kyash は売却益を使って、Kyash はコンシューマ向けのサービスのエンハンスに特化すると見られる。

BRIDGE の取材に対し、Kyash 創業者で代表取締役 CEO の鷹取真一氏は次のようにコメントした。

経営方針として、Kyash は消費者向けのサービスを変革させていくのがミッションであると改めて社内で確認し、今回のような意思決定に至った。Kyash Direct については、サービス発表後さまざまな企業からオファーをいただいたが、お譲りすることで、さらに発展をしてもあえるパートナーと組みたいという意図が強くあり、テクノロジーファーストかつ、決済というビジネスドメインや専門知識、経験や信頼関係もあるインフキュリオンに事業をお渡しすることになった。

インフキュリオンは B2B をやっているため、Kyash Direct と親和性が高い。今後の社会の発展を考えたときにも、いいパートナーシップを組めたのではないかと思う。3月に大型調達をしたばかりだが、周辺業務をいろいろやって収益化を図っていくというより、Kyash Direct を持っていることが Kyash にとってプラスになるかどうか、という観点からの判断の結果。恵まれたステイクホルダーのおかげで、今回の経営判断を尊重してもらうことができた。

また、インフキュリオンの共同創業者で代表取締役社長の丸山弘毅氏は次のようにコメントした。

今回、事業を譲受して、まずは、安定運用し、機能拡張し、営業展開していくのが第一だ。Kyash Direct の特徴の一つが、ファンディングソースをダイナミックに選べる点。これはデジタルウォレット、デジタルプリペイド、クレジットなど自由に選べる仕組みとして、金融機関に提供していくことが考えられる。

インフキュリオンは、ファンディングソースを管理する仕組みを提供していることもあり、そこの親和性も考えられる。カードありきの決済システムではなく、決済サービスを純粋なソフトウェアとして捉えられるか。Kyash Direct は、そんなエコシステムを実現する上でのカギとなるだろう。

欧米の決済を中心とするフィンテック業界では、経営資源を特定の事業に集中することを狙って事業買収や再編が相次いでいる。Visa は今年初め、フィンテック企業がアメリカの銀行 API を利用できるようにするサービス「Plaid」を買収した。どのカードに請求するかを、決済後14日間以内なら後日変更できるロンドン発の消費者向けモバイルアプリ「Curve」は、クラウドネイティブのコアバンキングベンダー Thought Machine と提携した

Kyash、シリーズCラウンドで米VCのGoodwater CapitalやGreenspring Associatesなどから約47億円を資金調達——累計調達額は約74億円に

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東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は31日、シリーズ C ラウンドで約47億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、アメリカの Goodwater Capital と Greenspring Associates で、イギリスの Greyhound Capital、アメリカの Altos Ventures、フランスの Par…

Image credit: Kyash

東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は31日、シリーズ C ラウンドで約47億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、アメリカの Goodwater Capital と Greenspring Associates で、イギリスの Greyhound Capital、アメリカの Altos Ventures、フランスの Partech Partners、アメリカの Broadhaven Ventures と Tekton Ventures、DST Global のマネージングパートナー Rahul Mehta 氏などが参加した。

Goodwater Capital は Facebook、Twitter、Kakao、 Spotify、Monzo に投資したことで知られ、前回のシリーズ B ラウンドにも参加していた。また、シリーズ A ラウンドとシリーズ B ラウンドに参加している JAFCO(東証:8595)も今回のシリーズ C ラウンドに参加した。累計調達額は約74億円。

Kyash の設立は2015年1月。モバイルアプリ Kyash の開発に傾倒してきたほか、昨年には国際カードブランドの Visa と提携し、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店で利用可能になる「Kyash Direct」をローンチした。同社では今回調達した資金を使って、デジタルバンク事業の推進など事業領域の拡大を行うとしている。

via PR TIMES

経費精算アプリ開発のクラウドキャスト、カード即時発行スキーム「Kyash Direct」を使った経費精算用Visaプリペイドカードをローンチ

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経費精算アプリ「Staple(ステイプル)」や「bizNote Expense(ビズノート・エクスペンス)」を開発するクラウドキャストは4日、都内で記者会見を開き、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)が開発した「Kyash Direct」を使ったプリペイドカード「Staple カード」の発行開始を発表する。 Kyash Direct は今年4月、Kyash が発表した自社ブランド…

左から:クラーク保坂由美氏(ビザ・ワールドワイド・ジャパン ジャパンプロダクト統括部長)、星川高志氏(クラウドキャスト 代表取締役社長)、鷹取真一氏(Kyash 代表取締役社長)
Image credit: Masaru Ikeda

経費精算アプリ「Staple(ステイプル)」や「bizNote Expense(ビズノート・エクスペンス)」を開発するクラウドキャストは4日、都内で記者会見を開き、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)が開発した「Kyash Direct」を使ったプリペイドカード「Staple カード」の発行開始を発表する。

Kyash Direct は今年4月、Kyash が発表した自社ブランドによる Visa 提携カード即時発行スキームだ。ユーザは、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店(5,390万店舗)で利用可能になる。Kyash は Kyash Direct を活用した用途の一つとして、「企業が従業員個々にカードを付与し経費支払を簡素化する」というユースケースを上げており、クラウドキャストとの協業でこれが具体的に実現することとなる。

Staple カード
Image credit: Crowdcast

クラウドキャストは昨年4月、経済産業省が主導するキャッシュレス決済推進の実証実験で、中小企業向けプリペイドカード「Staple カード」を発行していた。今回の Kyash との取り組みで、Staple カードは事実上、実験ベースから本サービスに移行することになる。社内で承認された額が経理担当者によって Staple カードにチャージされるため、従業員による立替、後日の経費精算が必要なくなり、コーポレートカードのような発行時の与信審査も不要のため、低リスク・低コストで全従業員に配布することが可能になる。

Kyash Direct ではプラスチック形式で提供されるリアルカードと、オンライン決済などに特化したカード番号のみが提供されるバーチャルカードの二種が発行可能だが、Staple カードはセキュリティ面の考慮から、当面はリアルカードのみの発行となる。このタイミングでの Staple カードの発表は、来年6月末まで実施されるキャッシュレス・ポイント還元の適用を受けられる機会を活用し、企業に普及を図る意図があるとみられる。

Image credit: Masaru Ikeda

クラウドキャストと Kyash が手を組むことで実現する世界は、創業2年でバリュエーション26億米ドルをつけたことで注目を集めるアメリカの「Brex」のそれにも似ている。また、日本国内では、ニッセイ・キャピタルや Coral Capital が支援する Handii が、オリエントコーポレーション(東証:8585)との提携で Visa ブランドの自社カードを発行できるスキーム「paild(ペイルド)」を今秋から開始することを明らかにしている。

Kyash、シリーズBラウンドで米Goodwater Capitalなどから約15億円を資金調達——累計調達額は約28億円に

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東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は3日、シリーズ B ラウンドで約15億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、Goodwater Capital、三菱 UFJ キャピタルで、凸版印刷(東証:7911)、JAFCO(東証:8595)、新生企業投資、SMBC ベンチャーキャピタルが参加した。 Kyash にとっては、2016…

Image credit: Kyash

東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は3日、シリーズ B ラウンドで約15億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、Goodwater Capital、三菱 UFJ キャピタルで、凸版印刷(東証:7911)、JAFCO(東証:8595)、新生企業投資、SMBC ベンチャーキャピタルが参加した。

Kyash にとっては、2016年12月に実施したシリーズ A ラウンド(10億円超を調達)、2015年7月のシードラウンド(1.7億円を調達)に続くものとなる。今回ラウンドで参加した投資家のうち、JAFCO はシリーズ A ラウンド、三井住友ベンチャーキャピタルはシードラウンドに続くフォローオンでの出資参加となる。累計調達額は約28億円。

リードインベスターのうちの1社である Goodwater Capital はシリコンバレーを拠点とし、Facebook、Twitter、Kakao、 Spotify、Monzo に投資したことで知られる。また今回の資金調達と合わせ、Kyash はカード印刷や決済基盤を提供する凸版印刷、クレジットカード大手の三菱 UFJ ニコスと業務提携したことを明らかにした。

Kyash の設立は2015年1月。モバイルアプリ Kyash の開発に傾倒してきたほか、今年4月には国際カードブランドの Visa と提携し、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店で利用可能になる「Kyash Direct」のローンチを発表している(サービス開始は今年初夏の予定)。

via PR TIMES

Kyash、企業が自社ブランドのVisaカードを即時発行できる「Kyash Direct」をローンチへ——Fintechファストトラックプログラムにも参加

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東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は25日都内で記者会見を開いた。この中で、国際カードブランドの Visa と提携し、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店で利用可能になる「Kyash Direct」をローンチすると発表した。ローンチ時期は、今年初夏となる見込み。 通常、Visa のロゴが入った自社カードを発行する企業は、V…

左から:椎野孝弘氏(Kyash CTO)、鷹取真一氏(Kyash 代表取締役社長)、クラーク保坂由美氏(ビザ・ワールドワイド・ジャパン ジャパンプロダクト統括部長)、福谷大輔氏(ビザ・ワールドワイド・ジャパン Digital Partnerships & Prepaid 部長)
Image credit: Masaru Ikeda

東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は25日都内で記者会見を開いた。この中で、国際カードブランドの Visa と提携し、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店で利用可能になる「Kyash Direct」をローンチすると発表した。ローンチ時期は、今年初夏となる見込み。

通常、Visa のロゴが入った自社カードを発行する企業は、Visa 発行ライセンスを保有する銀行かカード会社と提携し、加盟店との決済処理を提供するシステムベンダと契約する必要がある。Kyash Direct では RESTful API/SDK 経由により、イシュイング(カード発行)・プロセシング(決済)・プログラムマネジメント(運営)をワンストップで提供する。今後、NFC 非接触型電子マネーの QUICPay にも対応予定。

Kyash Direct が提供できる機能を説明する、Kyash CTO の椎野孝弘氏
Image credit: Masaru Ikeda

特に興味深いのは、カードに複数のファンディングソース(カードに引き当てる資金源のこと。デビットカードであれば引落に使う残高のある銀行口座、クレジットカードであれば与信枠など)を柔軟に切り替えられる点。用途別、決済金額の規模など条件に応じて、ファンディングソースをダイナミックに切り替えることも可能。オーソリ電文についても、Web サービスが扱いやすい JSON 形式に変換して提供する。

これらのサービスを使うことで、企業は自社ブランドのバーチャルおよびリアルの Visa カード発行(バーチャルの場合は即時発行)できるほか、企業が銀行預金や売上金などの金融資産と API 連携し、世界の Visa 加盟店(5,390万店舗)で利用できるようになる。主な用途としては、クラウド費用やオンライン広告料金をカード決済したいスタートアップ(ユースケースとしては BREX のようなもの)、従業員個々にカードを付与し経費支払を簡素化したい企業、仮想通貨を法定通貨に転換して使えるカード(ユースケースとしては Coinbase のようなもの)など。

左から:椎野孝弘氏(Kyash CTO)、鷹取真一氏(Kyash 代表取締役社長)、福谷大輔氏(ビザ・ワールドワイド・ジャパン Digital Partnerships & Prepaid 部長)
Image credit: Masaru Ikeda

Kyash は昨年、Visa が主催するスタートアップ向けコンペティション「Visa’s Everywhere Initiative Japan」で優秀賞を獲得、今年からVisa のスタートアップ向け支援プログラム「Visa Fintech Fast-Track Program」に参加することを明らかにした。また、Visa からプリペイドカード発行ライセンスも取得したことで、2017年4月以降、国内カード会社(Visa 提携イシュアである、すみしんライフカード)を通じて発行していた Kyash Visa カードを、今後は自社発行に切り替える。

Kyash Direct に似たサービスを提供するスタートアップとしては、アメリカの Marqeta が挙げられる。Marqeta は評価額19億米ドルで、目下2億5,000万米ドルを資金調達中と報道されている。

Kyash は2015年1月に設立され、2015年7月にシードラウンドでの1.7億円、2016年12月にシリーズ A ラウンドで10億円を調達している。

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スマホで変わる支払い方法:Paymo、Kyash、LINE Payは現金よりも便利?実際に使ってみた

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最近「お金を支払う」というこれまで当たり前だった行為を改めて考える機会が多くなった。 きっかけはPaymoやKyash、PAY ID、Japan Taxi Walletといったスマホアプリ系の個人間・少額決済ソリューションの登場だ。特に個人間決済については、正攻法で資金移動業の登録をしたLINE Payが先行していたが、確かに送金は早く便利な反面、個人認証などのハードルから使いづらさがあったことは…

新たなモバイル支払い体験「スマホ+QR」の世界が始まっている

最近「お金を支払う」というこれまで当たり前だった行為を改めて考える機会が多くなった。

きっかけはPaymoやKyash、PAY ID、Japan Taxi Walletといったスマホアプリ系の個人間・少額決済ソリューションの登場だ。特に個人間決済については、正攻法で資金移動業の登録をしたLINE Payが先行していたが、確かに送金は早く便利な反面、個人認証などのハードルから使いづらさがあったことは否めない。

市場の大きさとこの課題に注目した各サービスは、それぞれ独自の視点でアイデアを出して問題をクリアしようとしている。

一方でその分類や狙いを理解するのはなかなか厄介だ。もちろん参考になるのは海外で先行するPaypalやVenmo、Alipay、WeChat Payだったりするのだが、実際、各サービスの向かう先は微妙に違っていたりするし、日本という法定通貨が安定した国での使い勝手や体験性も実際に使ってみると随分と違うものだと気がつくことも多い。

そこで筆者は普段の生活で実際にこれらのサービスを使うことがあるのかどうか、できるだけ自然なシチュエーションで試してみることで、それぞれの使用感についての直感的な気づきをまとめてみることにした。前半の本稿では個人間のお金のやりとりを変える決済・送金について「Kyash」「Paymo」「LINE Pay」の3サービスについて整理してみる。

割り勘シチュエーションでの現金との戦い

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レシート添付で個人間の決済に使えるPaymo

まずはPaymoから。割り勘を個人間「送金」じゃなくレシート添付の方法で個人の債権に対する決済代行というアイデアでクリアしたサービス。

とある夜の会食でごく自然に割り勘という流れになったので、まず私がお店にクレジットカードで全額支払って(テスト兼ねて現金所持せず参加だったため)思い切って「Paymoでお願いします!」と伝えたところ、7人中使えたのは1名。後は現金というちゃんぽんスタイルに落ち着いた。

初対面の会食シチュエーションというハードル高めの設定だったので、さすがにお会計の場所でレシートを撮影して云々はやはりやりづらかったが、それでもその使えた1名については「後で送ります」という自然なコミュニケーションができたのは発見だった。こういうことは現金ではできない。

あと実際に使ってみた心理的な障壁として「みんな使ってるのかな」というものが意外と大きかった。使ってない人に使わせるインセンティブがやや弱く、現金を出された瞬間に「それでいいや」となりがちなのだ。特に幹事する人がユーザーでない場合は「それで送るから」と言いづらいし、参加した人数が多い場合、使ってる・使ってないが混在するとどうしても「面倒」が立ちはだかる。あと決済代行なので着金するまでにタイムラグあるのも弱い部分になる。

ありとあらゆるシチュエーションでの割り勘に現金よりスムーズに使える、とまではいかないが、特定コミュニティ(例えば社内の同僚とか)での食事会など準備が整っている場合に真価を発揮する気がした。突発的状況下ではやはりまだ現金に軍配が上がる。

あと送金とは全く関係ないが、Paymoには誰が誰に支払ったかをfacebook連携して繋がりのある友人に表示するタイムライン機能がある。Vemmoのようなコミュニケーションが想定される場合は有用かもしれないが、まだ利用側の文化が整っていない状況では単なるプライバシーの公開になりかねないので、個人的には少し早いのではないかと違和感を感じた。

レシートが複数に別れた時に使ったKyash、家族で使ってるLINE Pay

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送金体験は極めてハードルが低いが独自のルールがあるKyash

チームメンバーで食事会をした時のこと。スーパー等でお買い物をし、わいわいと食べて後日に会費を回収という流れに。レシートが複数に分かれて別々の人が持ってたこと、現金でもう既に払っちゃった人がいたということからPaymoでの支払いを断念して別のアプリを使うことに。(Paymoが添付できるレシート写真は一枚)

LINE Payは送金先の幹事が使っていなかったので、ここで初めてKyashが候補として浮上。KyashはPaymo同様に資金移動業者ではないものの、決済代行の手法ではなく、Kaysh内で使えるポイントみたいなものを付与するという「前払式支払手段」を取っている。送ってもらった残高は現金として出金できないがVISAカードとして利用することができる、ちょっと癖のあるサービスだ。

支払い先もたまたま利用ユーザーだったのでfacebookアカウントでの連携からスムーズに相手が見つかり支払い完了。

レシート添付が不要なのでそういった余計な手間をお願いすることも、お願いされることもないのはやはり楽。また、相手が登録していない場合もfacebookのメッセンジャーで送付できるので、私のように友人や仕事関連でFacebookを使ってるユーザーは便利に思えた。着金後すぐにチャージされたVISAカードが使えるのもメリットだ。

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Kyashはバーチャルカード経由でのみ残高を利用できる

しかしやはり送金される側、つまり幹事してくれた友人に現金として引き出せない「ポイント」を送るのはシチュエーション次第。

実店舗利用も準備中ということで、VISAが幅広く使えるのは理解できるがそれ以上に資金移動ができないことから例えば500円だけ残高に残っても使い勝手が悪い。ここが現金として引き出せないKyashならではのデメリットで、また、一度そういう形で送金してしまうと、返金してもらったとしてももう現金に戻ることがないので、この「Kyash独特のルール」を説明するコストが意外と高いかなと感じた。

そして実はここまで使いにくいと書いているLINE Payが個人的には一番利用頻度は高い。というのも普段家族でのお金のやりとりをしているのがこれだからだ。

家族向けの買い物などをした場合に家計管理でこれを使っている。送金の速さや銀行口座との入出金についてはいたってスムーズで、相反するように送金事業者であるが故の個人認証は相当なハードルとしてある。何度でも書くが、実際に登録は面倒だった。

とにかく汎用性の高い現金と比較してなにかと制限が多い。使い始めるまでに免許証などを郵送し、銀行口座や個人アカウントの登録、そしてそのあとにようやく他のサービスで体験したような他のユーザーが使っているかどうかの検索に入るので、極めて用途を限定した使い方(個人的には前述の通り家計管理)に当てはまる場合には使える。

現在はマネーフォワードとの連携も開始されたので、お金の管理を徹底したい一部の人にはすこぶる便利かもしれないが、送金という非常に範囲が広く一般的な行為には向いてない。特に他人とのやりとりは現金の方がやはり便利。

QR決済はポスト非接触の有力候補になるか

bitFlyerのビットコイン決済はビックカメラ等の店舗でも利用できるようになった

ここまでは個人間での決済についてレビューしてみたが、もうひとつ大きいのが店舗での決済だ。モバイルでの支払いは長らく非接触ソリューション(つまりはおサイフケータイ)が鉄板だった。しかし、MVNOが登場して格安スマホが広がりをみせるなか、FeliCaという日本独自のメーカーとキャリアが牽引してきたソリューションも盤石ではなくなってきているように思う。

一方、QRコードによるソリューションは汎用で、どのスマートフォン、デバイスでもアプリとカメラさえあれば利用できる。また店舗側も特定の非接触リーダーや、クレジットカードのスワイプ端末を導入するなどの初期コスト・ランニングから解放されるという大きなメリットもある。これらについてはまた機会あればレビューしてみたい。

SNSで繋がっている人に送金ができるアプリ「Kyash」がAndroid版の提供を開始

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送金アプリ「Kyash」は7月12日、Android版をリリースしたことを発表した。また、これにあわせて既存のiOS版のアップデートも実施した。現在、iOSは9.1以上、Androidは4.1以上に対応している。 2017年4月にリリースしたKyashはアプリ上で手続きをすることで、LINEやFacebookなどのSNSで繋がっている人に対して送金や請求ができるアプリ。受け取ったお金はVisa加盟…

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送金アプリ「Kyash」は7月12日、Android版をリリースしたことを発表した。また、これにあわせて既存のiOS版のアップデートも実施した。現在、iOSは9.1以上、Androidは4.1以上に対応している。

2017年4月にリリースしたKyashはアプリ上で手続きをすることで、LINEやFacebookなどのSNSで繋がっている人に対して送金や請求ができるアプリ。受け取ったお金はVisa加盟店での買い物での利用やモバイルSuicaへのチャージができる。利用ケースは飲み会が全体の58.4%、ついで友人や同僚とのちょっとしたお金のやりとりが57.6%で20〜30代のユーザーが8割を占める。

iOS版では1回あたりの一括請求人数を10人に増やすなどのアップデートを実施している。

Source:PRTIMES

 

無料P2P決済アプリ「Kyash」の技術顧問に、「Qiita」プロダクトマネージャーの及川卓也氏が就任——開発体制の強化と開発ノウハウのオープンソース化に注力

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無料P2P決済アプリ「Kyash」を開発・提供する Kyash は10日、ITエンジニア向け「Qiita」を運営する Increments でプロダクトマネージャーを務める及川卓也氏が、Kyash の技術顧問に就任したと発表した。 及川氏はマイクロソフトで Windows、グーグルで Chrome の開発に関わった人物で、日本のソフトウェアエンジニア界ではよく知られる人物だ。ブログが書籍化された著…

左から:Kyash 代表取締役の鷹取真一氏、Kyash 技術顧問に就任する及川卓也氏

無料P2P決済アプリ「Kyash」を開発・提供する Kyash は10日、ITエンジニア向け「Qiita」を運営する Increments でプロダクトマネージャーを務める及川卓也氏が、Kyash の技術顧問に就任したと発表した。

及川氏はマイクロソフトで Windows、グーグルで Chrome の開発に関わった人物で、日本のソフトウェアエンジニア界ではよく知られる人物だ。ブログが書籍化された著書「挑まなければ、得られない」、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」への出演などでも知られる。

Kyash では及川氏の技術顧問就任により、及川氏が培った技術開発やチーム体制構築の知見を活かし、「Kyash」の新しい金融インフラの仕組みをより汎用的で安心・安全に開発すると共に開発体制の強化を進め、開発ノウハウのオープンソース化を目指すとしている。

Kyash は昨年12月にシリーズAラウンドで10億円を調達先月には Kyash の iOS 版アプリをローンチし、Android 版アプリについても今夏までのリリースを目標にしたいとしている。

ユーザー体験から紐解く「個人間送金」アプリの仕組みと歴史(日本編)

本稿は10年ぶりの国内株式を扱うネット証券「FOLIO」共同創業者、広野 萌(ひろの はじめ)氏によるもの。国内で勃興する個人間決済・送金の流れをわかりやすくまとめていたので転載させていただいた。同氏の考察はここで読める。 paymo、Kyash、LINE Pay、Yahoo!ウォレットなど、最近かなりの盛り上がりをみせている個人間送金アプリ。 以前書いた記事(ここらで世界一わかりやすく「FinT…

本稿は10年ぶりの国内株式を扱うネット証券「FOLIO」共同創業者、広野 萌(ひろの はじめ)氏によるもの。国内で勃興する個人間決済・送金の流れをわかりやすくまとめていたので転載させていただいた。同氏の考察はここで読める

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paymo、Kyash、LINE Pay、Yahoo!ウォレットなど、最近かなりの盛り上がりをみせている個人間送金アプリ。

以前書いた記事(ここらで世界一わかりやすく「FinTechとは何か」を説明しよう。)でいうところの「お金を送る」に当たるこの領域だけれども、特にpaymoとKyashはやり方が特徴的で、日本のFinTech時代をつくっている革命感があり、大変面白い。

実際それらのサービスを比べてみると、個人間送金とひとくちに言っても取得している免許や法における立ち位置が全く違うので、それ故サービスの内容も同じ体験ではない。

では一体、どこがどう違って、それはなぜそうなっているのか。

新聞やらで説明してるのはいくつか見たけれども、なんか難しい言葉やふわふわしたことばかりで意味不明だったので、天邪鬼な僕は一旦、それぞれの個人間送金アプリの体験においてデメリットだけをまとめてみた。

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このざっくりとした図をみてみると、LINE PayとYahoo!ウォレットは同じデメリット・同じ体験であって、すなわち日本の主要なアプリに限れば主に3通りのユーザー体験があることになる。

軽くUIも交えながらひとつずつ紹介していきたいのだが、その前に個人間送金アプリの仕組み(どうなっているのか)やこれまでの歴史(なぜそうなっているのか)を分かっておいた方が頭に入ると思うので、ユーザー体験を軸に図解・イラストを交えながら記していく。

1. 日本における個人間送金の歴史

1-1. はじまりは2010年の法改正

日本において、企業が個人間送金を(現在のように)請け負うことが可能になったのは、意外にも昔の2010年。

それまで法律的に銀行以外は「送金」という行為そのものができなかったんだけれど、その年の4月1日に資金決済法ができてから、「資金移動業者」として登録されれば「送金」業務していいよ~ということになった。

これが今でいうところの LINE Pay や Yahoo!ウォレット。

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さて、銀行以外でも「送金」業務が可能になり、すなわち個人間の「送金」も請け負うことができるようになったはいいけれども、「資金移動業者」のサービスは押し並べてひとつの大きな問題を抱えていた。

実は2010年の4月以前までPayPalによって可能であった個人間送金サービスも、その問題のために日本から撤退したと言えるほどである。

その問題とは、利用するために本人確認が必要であること。

本人確認は、そのサービス上で銀行の口座登録をおこなったり、配送物を受け取ったりすることで完了するんだけれども、正直どこも相当めんどくさい。

たとえば銀行の口座登録は、ネットバンクのお客様番号やらパスワードやらを入力するか、もしくは銀行の通帳に記載されている最終残高を入力したりしなければならない。普通に考えて通帳なんて持ち歩かないでしょ。

配送物での確認はそれが届くときに家にいなければならないし、そもそも届くまで時間がかかる。スマートフォンのおかげであらゆるサービスが「いつでもどこでも」前提で作られている中、この本人確認というハードルは一般のユーザーにとって極めて高い。

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もっと本人確認がかんたんになるか、そもそも本人確認がなくなれば、個人間送金はもっと盛り上がるのに…。

1-2. 本人確認の死

そんな法律に縛られた日本の哀れな状況を変えるべく立ち上がったのがpaymoとKyash。

彼らは本人確認という面倒なフローをすべて取っ払い、ユーザーが思い立ったらすぐに相手に送金できる仕組みをつくったが、それは悪魔の取引で、その代償に「何か」を捨てなければならなかった。

paymoが捨てたのは「送るシーンの汎用性」

Kyashが捨てたのは「受けとる人の現金化」

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では具体的に、それぞれどうやって本人確認を捨てられたのか。答えはシンプル。paymoもKyashも「資金移動業者」になることをやめた。

1-3. 送金ではなく支払い代行

paymoは「収納代行業者」になった。

収納代行とは、お金を渡したいマンAと受けとりたいマンBがいたとしたら、Aのお金をひとまず預かって、Aの代わりにBに支払ってあげることを言う。

コンビニで公共料金が払える仕組みと全く同じだ。

資金を移動する「資金移動業者」ではなく、あくまで代わりに支払ってあげる「収納代行業者」なので、コンビニでレシートなしに水道料金を払えないのと同じく、paymoで送金する際はレシートが絶対に必要だ。

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paymoはレシートに記載されている分のお会計しかできない。これによって送金のシーンをかなり限定してしまうことは明白だ。後述するが、paymoはあえて「割り勘アプリ」と銘打つなど、この弱点をマイナスに働かせないようなイメージブランディングをおこなっている。

1-4. 送金ではなくプレゼント

一方、Kyashは「前払式支払手段発行業者」になった。前払式支払手段とは、字こそ漢字ばかりで恐ろしいが、かんたんに言うとプリペイドカードのこと。

Amazonのギフト券を思い浮かべてみればいいと思う。

お金を渡したいマンAのお金と同額のAmazonのギフト券を、受け取りたいマンBにプレゼントする。そんな要領で、KyashはAのお金を「VISAカードのチャージ分」としてBにプレゼント(送金)できる。

ただし、Amazonのギフト券がAmazonでしか使えないように、Kyashで受け取ったお金分はVISAの加盟店やモバイルSuicaとしてしか使えないし、Amazonポイントがどんなに貯まっていても現金化できないように、Kyashで受け取ったお金分は銀行に出金したりはできない。

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よって、Kyashで送金する際は本人確認もない上にレシートも不要だが、現金として引き出すことはできないのだ。

一見「そんな限定された用途で使えるお金もらっても…」と身を引いてしまうかもしれないが、VISAの加盟店は少なくない(2017年4月現在はオンラインショップだけでしか使えないが、夏頃に加盟店の実店舗でも使えるようにするとのこと)し、モバイルSuicaはコンビニや電車で頻繁に使う人も多いことを考えれば、それほど大きなデメリットにはならないと言えるかもしれない。

ただ、多額になればなるほど間違いなくそのハードルは高くなっていくだろう。

かくしてpaymoとKyashは、法の目をかいくぐるとは言えないほど正当に、「資金移動業者」にならずとも個人間送金というユーザー体験を実現することができた。

両者ともに大きなデメリットを背負いつつも、本人確認という苛烈で強大な呪いよりはましだと考え、それぞれのやり方で送金アプリを世に広めようとしている。

2. 各サービス紹介

ではそれらを踏まえ、それぞれのサービスをUIや個人的な感想も交えながら紹介していきたいと思う。理解促進のため、特徴を一覧にした表や簡略の体験フロー図も添えておく。

2-1. 収納代行業者「paymo」

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サイト:paymo

コンビニと同じ「収納代行業者」のpaymoでは、お金を送る人はクレジットカードを登録し、受けとる人は銀行から出金する。この際に出金手数料として200円が引かれる。そして先述の通りレシートがないと送金できない。

実際、先日レシートなしで送金(レシートの入るべき画像エリアに適当に撮影した画像をアップロード)した結果、その送金は無効となりキャンセルされてしまった。

正直そんな仕様なんだったら、アップロードする画面でもっと「ちゃんとアップロードしないと無効になります」感をだしてほしい ↓

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会社としても「送金アプリ」ではなく「割り勘アプリ」としか言えない。paymoの弱点は明らかに、送金シーンがレシートの存在するお会計のみに限られてしまうこと。

だからこのCMなのだ。

この広告(もはやコンテンツと言っていい)は公開と同時にかなりバズったものでご存知の方も多いと思うが、ただ単に楽しげな音楽にのせてpaymoのロゴがちょいちょいでてくるだけの動画ではなく、ちょっと考えてみるときちんと意図が見える。

「割り勘でレシートがあるときしか使えないじゃん、と思うかもしれないけれど、割り勘シーンって色々あるんだよ。彼氏との食事とか、女子会とか、合コンとか、パーティーとか、ほらこんなに!」

シーンが限定されるのが弱点だからこそ、その弱点を隠すために「使えるシーンがたくさんある」ことをこのプロモーション動画で強調しているのだ。

ところでpaymoは最近、アプリをインストールしていなくても支払いができるようになったが、それもひとつの大きな特徴だ。

たとえば「調整さん」よりも使い勝手のいいアプリが数多ある(あった)中で、未だにUIもかっちょいいとは言えない 調整さんがこんなにも日本でメジャーに使われているのは、どんなプラットフォーム上にいても同様の体験をWebで提供できるからであり、わざわざ今からおこなう調整のためだけにアプリを落とすなんてナンセンスだからだ。

時間もかかるし、めんどくさいし、自分のスマートフォンが汚れるし、通信だってタダじゃない。

すなわちこの「アプリなしで支払いできる」paymoの特徴は、個人間送金アプリというフィールドの勝負においてかなり強力な武器になるだろう。

ただし利用規約をよくみると、1年経過したpaymoの残高はユーザーが「放棄したもの」とみなされるらしく、出金は早めにしておいた方がよさそう。(メルカリみたいな感じ)

まだリリースしてから1年経っていないのでその被害(といったら言葉が悪いけれども…)はでていないが、いずれこの件で事件が起こりそうな雰囲気。

paymo運営のAnyPayも積極的にユーザーに不利益を与えたいなんて考えるはずないが、「収納代行業者」ならではのこの罠へ、失効直前の徹底周知等の対策は必須であろう。

2-2. 前払式支払手段発行業者「Kyash」

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サイト:Kyash

Kyashではpaymoと同様に、お金を送る人がクレジットカードを登録する。

先述したように「前払式支払手段(≒ポイント)」を発行している業者という立ち位置なので、お金を受けとった人は現金での出金ができず、VISA加盟店での決済かモバイルSuicaとしてのみ使用することができる。

現金の代わりにKyashポイントがプレゼントされたと考えると分かりやすい。(いやKyashポイントって現金のキャッシュと名前かぶって逆にややこしいか…)

個人的にも日本でキャッシュレス化が早く進んでほしいと思っているので、このように現金でおろす前提ではなくバーチャルな何かでやりくりさせる仕組みは、大局観でみると悪くはない選択のように思う。

次に出面の話をすると、UIがキレイというか丁寧で、デザイナーがいるなぁという印象。金額入力の画面でお会計の計算ができたり、

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インタラクションもマテリアルデザインを意識していたり、細かい親切がよい。ただ、一度に5人までしか送金や請求ができない点は、どうにかならないかと思う。

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何度かに分ければいい話だが、これでは大人数での割り勘などのときに不便だろう。法律的の問題があるのかと思って実際にお問い合わせして聞いてみたが、利便性を考えた結果とのことだった。

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(ぜひ検討してほしい)

また、支払いもアプリをインストールしないとできないという点で、paymoに遅れをとっているという見方もできる。まだ出たばかりで使い倒せていないので、気づいたことがあればまた マストドンでトゥート! ツイッターでつぶやきます。

2-3. 資金移動業者「LINE Pay」「Yahoo!ウォレット」

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サイト:LINE Pay割り勘・送金 – Yahoo!ウォレット

正当な「資金移動業者」である両者は、本人確認というめんどくさい作業こそ必要であれ、それを済ませてしまえばpaymoやKyashの抱えるようなデメリットは何もない……といったら嘘になる。

チャージも銀行の残高から直接できるし、もちろんレシートなんてなくても送金できるし、受けとったお金も銀行から出金できるし、それ以外のポイントとしても使える。

ただし、送金相手が限定されてしまうのだ。

2017年4月現在、LINE PayはLINEの友人だけだ(そりゃそうだろうけど)。表では「誰でも」としているがYahoo!ウォレットも、画面上の選択肢としてはLINEかFacebookかアドレス帳の友達だけである。

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その場でQRコードを読み取ってもらう等の選択もあるが、正直機能するとは思えない。それなら現金で渡した方がはやい場面の方が多いだろう。

たしかにLINEとFacebookをおさえていたらほとんどの知り合いとはつながるとは思うし、がんばればURLを共有することで実質誰にでも送金はできるのだが、スケールするには仕組みの改変が必要なように思う。

また、出金手数料に関してもLINE Payはpaymoと同じく1回あたり200円だが、Yahoo!ウォレットは2.16%としており、1万円以上の出金の際は他と比べてやや高い。

ただYahoo!ウォレットでひとつ面白いと思ったのが、Siriから送金できるような機能。

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絶対使わないし、この機能実際に使った人の数2ケタ前半やろとも思うが、こういう新しい技術をとりいれていく姿勢は純粋に開発者として尊敬する。

Yahoo!ウォレットは2月にリニューアルしていて、UIも非常にシンプルでキレイなので応援したい。でも「さっと割り勘 すぐ送金 from Yahoo!ウォレット」というアプリ名は終わってると思う。

@担当者

つ ダウンロード数を10倍にした最強ASOテクニック!App Store攻略のための「タイトル」「キーワード」etc…の作り方

3. 個人間送金のこれから

部分部分で簡略化してしまっているが、ある程度日本における個人間送金の現在が記せただろうか。Facebookメッセンジャーで送金できるようになったり、Gmailから送金できるようになったり、海外でも個人間送金はいまだに革命の波動を感じる。

王者であるVenmoやWeChatも、うかうかしてはいられないはずだ。

同じく日本でも、ベンチャーが「レガシーな銀行じゃできないことをやってやるぜ!」と息巻いている現在のまま進んでいくとは限らない。FinTechはブームとしてはIT企業が主人公だが、特に日本において銀行の力、そして現金の力はあまりにも強大である。

そもそもFinTechは単なるディスラプト目的の革命ではない。

政府、国会、銀行と敵対ではなく「連携」しなければ、日本の金融を変えるなど到底無理な話だ。

多くの企業(僕たち FOLIO も同様)がキャッシュレス化を進めていきたい中で、個人間送金に関わる各企業はもはやひとつの企業の成功・不成功なんかに囚われていてはならず、FinTech業界を盛り上げるなんてもんでもなく、日本という国が世界の中でどのように台頭・進化していくか、その一翼を担っているのだという自負と気概が必要であり、今回紹介したサービスにも(釈迦に説法だが)ぜひともその覚悟を持って、今後も僕たちに日本の未来を見せてほしい。

元記事:ユーザー体験から紐解く「個人間送金」アプリの仕組みと歴史(日本編)

無料P2P決済・送金サービスのKyash、iOSアプリの正式版をローンチ

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東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は5日、iOS 向けのモバイルアプリを正式ローンチした。iTunes AppStore からダウンロードできる。割り勘の精算、贈り物共同購入、旅行やイベントの集金などの用途に、個人間でのお金のやりとりが可能となる。なお、同社では Android 版アプリについて、今夏までのリリースを目標にしたいとしている。 ま…

Kyash のサービス開始を発表する、創業者で代表取締役の鷹取真一氏
Image credit: Masaru Ikeda

東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は5日、iOS 向けのモバイルアプリを正式ローンチした。iTunes AppStore からダウンロードできる。割り勘の精算、贈り物共同購入、旅行やイベントの集金などの用途に、個人間でのお金のやりとりが可能となる。なお、同社では Android 版アプリについて、今夏までのリリースを目標にしたいとしている。

また、Kyash ではサービスのローンチを記念して、利用開始時に新規優待コード「KYASH2017」を投入することで、サービスの紹介者および被紹介者に300円がアプリ上で進呈される。

Kyash の設立は2015年1月。昨年12月、個人間送金に使えるクレジットカードの機能を持った電子マネーウォレット「Kyash」を発表していた

Image credit: Kyash

5日、都内で開催された Kyash の発表会には、メガバンク3行が率いる金融グループ——三菱 UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、みずほフィナンシャルグループ(MFG)——のイノベーション部門担当者が一堂に会し、キャッシュレスのしくみに各行が取り組む事例を紹介、Kyash がもたらす送金革命の可能性について期待感を表明した。

左から:CARD WAVE 編集長 岩崎 純氏(モデレータ)、Kyash 代表取締役 鷹取真一氏(パネリスト)、三菱UFJ フィナンシャル・グループ デジタルイノベーション推進部 藤井達人氏(パネリスト)、三井住友フィナンシャルグループ イノベーション推進部 田村浩気氏(パネリスト)、みずほフィナンシャルグループ デジタルイノベーション部 辻和幸氏(パネリスト)
Image credit: Masaru Ikeda

Kyash の創業者で代表取締役の鷹取真一氏は、クレジットカードや電子マネーで実現できているオンライン/オフラインでお金を渡すという行為を、企業や商店に対してのみだけでなく、個人に対しても行える環境を Kyash を通じて作り上げていきたいと事業のビジョンを語った。

同社は2015年7月にシードラウンドで1.7億円を調達、さらに、昨年12月にシリーズAラウンドで10億円超を調達している。