東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は31日、シリーズ D ラウンドで49億円を調達したと発表した。同社にとっては、2020年3月のシリーズ C ラウンドに続くものだ。この調達を受けて、同社の累計調達額は約128億円に達した。 このラウンドに参加した投資家は次の通り。 JP インベストメント Block(アメリカ、NY証取:SQ、旧称:Squar…
Image credit: Kyash
東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は31日、シリーズ D ラウンドで49億円を調達したと発表した。同社にとっては、2020年3月のシリーズ C ラウンドに続くものだ。この調達を受けて、同社の累計調達額は約128億円に達した。
Kyash Direct は昨年4月に Kyash が発表したプラットフォームで、RESTful API/SDK 経由により、イシュイング(カード発行)・プロセシング(決済)・プログラムマネジメント(運営)をワンストップで提供。カードに複数のファンディングソース(カードに引き当てる資金源のこと。デビットカードであれば引落に使う残高のある銀行口座、クレジットカードであれば与信枠など)を引き当て、用途別、決済金額の規模など条件に応じて、ファンディングソースをダイナミックに切り替えることができる。オーソリ電文についても、Web サービスが扱いやすい JSON 形式に変換して提供する。
Kyash Direct を使うことで、企業は自社ブランドのバーチャルおよびリアルの Visa カード発行(バーチャルの場合は即時発行)できるほか、企業が銀行預金や売上金などの金融資産と API 連携し、世界の Visa 加盟店(5,390万店舗)で利用できるようになる。主な用途としては、クラウド費用やオンライン広告料金をカード決済したいスタートアップ(ユースケースとしては BREX のようなもの)、従業員個々にカードを付与し経費支払を簡素化したい企業、仮想通貨を法定通貨に転換して使えるカード(ユースケースとしては Coinbase のようなもの)などが想定される。
Kyash Direct が提供できる機能を説明する、Kyash CTO の椎野孝弘氏(昨年4月) Image credit: Masaru Ikeda
実際のところ、昨年10月にはクラウドキャストが Kyash Direct を使って経費精算用 Visa プリペイドカード「Staple カード」をローンチした。社内で承認された額が経理担当者によって Staple カードにチャージされるため、従業員による立替、後日の経費精算が必要なくなり、コーポレートカードのような発行時の与信審査も不要のため、低リスク・低コストで全従業員に配布することが可能になる。
インフキュリオンは2006年に設立。コンサルティング部門、金融・決済企業の DX 支援部門を擁し、決済ゲートウェイサービス「Anywhere」、QRコード決済対応ウォレット ASP 「ウォレットステーション」、後払いサービス「SLiDE(スライド)」、自動貯金アプリ「finbee(フィンビー)」、決済業界専門誌「カードウェーブ」を開発・運営し、スタートアップへの投資も始めるなど、フィンテックにおけるコングロマリットになりつつある。
今回の Kyash Direct 事業の譲受・譲渡により、インフキュリオンは Kyash Direct を BaaS(Banking as a Service)の一つの機能として組み入れ企業向けの拡販を強化、また、Kyash は売却益を使って、Kyash はコンシューマ向けのサービスのエンハンスに特化すると見られる。
BRIDGE の取材に対し、Kyash 創業者で代表取締役 CEO の鷹取真一氏は次のようにコメントした。
経営方針として、Kyash は消費者向けのサービスを変革させていくのがミッションであると改めて社内で確認し、今回のような意思決定に至った。Kyash Direct については、サービス発表後さまざまな企業からオファーをいただいたが、お譲りすることで、さらに発展をしてもあえるパートナーと組みたいという意図が強くあり、テクノロジーファーストかつ、決済というビジネスドメインや専門知識、経験や信頼関係もあるインフキュリオンに事業をお渡しすることになった。
インフキュリオンは B2B をやっているため、Kyash Direct と親和性が高い。今後の社会の発展を考えたときにも、いいパートナーシップを組めたのではないかと思う。3月に大型調達をしたばかりだが、周辺業務をいろいろやって収益化を図っていくというより、Kyash Direct を持っていることが Kyash にとってプラスになるかどうか、という観点からの判断の結果。恵まれたステイクホルダーのおかげで、今回の経営判断を尊重してもらうことができた。
また、インフキュリオンの共同創業者で代表取締役社長の丸山弘毅氏は次のようにコメントした。
今回、事業を譲受して、まずは、安定運用し、機能拡張し、営業展開していくのが第一だ。Kyash Direct の特徴の一つが、ファンディングソースをダイナミックに選べる点。これはデジタルウォレット、デジタルプリペイド、クレジットなど自由に選べる仕組みとして、金融機関に提供していくことが考えられる。
インフキュリオンは、ファンディングソースを管理する仕組みを提供していることもあり、そこの親和性も考えられる。カードありきの決済システムではなく、決済サービスを純粋なソフトウェアとして捉えられるか。Kyash Direct は、そんなエコシステムを実現する上でのカギとなるだろう。
欧米の決済を中心とするフィンテック業界では、経営資源を特定の事業に集中することを狙って事業買収や再編が相次いでいる。Visa は今年初め、フィンテック企業がアメリカの銀行 API を利用できるようにするサービス「Plaid」を買収した。どのカードに請求するかを、決済後14日間以内なら後日変更できるロンドン発の消費者向けモバイルアプリ「Curve」は、クラウドネイティブのコアバンキングベンダー Thought Machine と提携した。
東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は31日、シリーズ C ラウンドで約47億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、アメリカの Goodwater Capital と Greenspring Associates で、イギリスの Greyhound Capital、アメリカの Altos Ventures、フランスの Par…
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東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は31日、シリーズ C ラウンドで約47億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、アメリカの Goodwater Capital と Greenspring Associates で、イギリスの Greyhound Capital、アメリカの Altos Ventures、フランスの Partech Partners、アメリカの Broadhaven Ventures と Tekton Ventures、DST Global のマネージングパートナー Rahul Mehta 氏などが参加した。
Goodwater Capital は Facebook、Twitter、Kakao、 Spotify、Monzo に投資したことで知られ、前回のシリーズ B ラウンドにも参加していた。また、シリーズ A ラウンドとシリーズ B ラウンドに参加している JAFCO(東証:8595)も今回のシリーズ C ラウンドに参加した。累計調達額は約74億円。
Kyash の設立は2015年1月。モバイルアプリ Kyash の開発に傾倒してきたほか、昨年には国際カードブランドの Visa と提携し、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店で利用可能になる「Kyash Direct」をローンチした。同社では今回調達した資金を使って、デジタルバンク事業の推進など事業領域の拡大を行うとしている。
Kyash Direct は今年4月、Kyash が発表した自社ブランドによる Visa 提携カード即時発行スキームだ。ユーザは、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店(5,390万店舗)で利用可能になる。Kyash は Kyash Direct を活用した用途の一つとして、「企業が従業員個々にカードを付与し経費支払を簡素化する」というユースケースを上げており、クラウドキャストとの協業でこれが具体的に実現することとなる。
東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は3日、シリーズ B ラウンドで約15億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、Goodwater Capital、三菱 UFJ キャピタルで、凸版印刷(東証:7911)、JAFCO(東証:8595)、新生企業投資、SMBC ベンチャーキャピタルが参加した。 Kyash にとっては、2016…
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東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は3日、シリーズ B ラウンドで約15億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは、Goodwater Capital、三菱 UFJ キャピタルで、凸版印刷(東証:7911)、JAFCO(東証:8595)、新生企業投資、SMBC ベンチャーキャピタルが参加した。
Kyash にとっては、2016年12月に実施したシリーズ A ラウンド(10億円超を調達)、2015年7月のシードラウンド(1.7億円を調達)に続くものとなる。今回ラウンドで参加した投資家のうち、JAFCO はシリーズ A ラウンド、三井住友ベンチャーキャピタルはシードラウンドに続くフォローオンでの出資参加となる。累計調達額は約28億円。
リードインベスターのうちの1社である Goodwater Capital はシリコンバレーを拠点とし、Facebook、Twitter、Kakao、 Spotify、Monzo に投資したことで知られる。また今回の資金調達と合わせ、Kyash はカード印刷や決済基盤を提供する凸版印刷、クレジットカード大手の三菱 UFJ ニコスと業務提携したことを明らかにした。
Kyash の設立は2015年1月。モバイルアプリ Kyash の開発に傾倒してきたほか、今年4月には国際カードブランドの Visa と提携し、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店で利用可能になる「Kyash Direct」のローンチを発表している(サービス開始は今年初夏の予定)。
東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は25日都内で記者会見を開いた。この中で、国際カードブランドの Visa と提携し、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店で利用可能になる「Kyash Direct」をローンチすると発表した。ローンチ時期は、今年初夏となる見込み。 通常、Visa のロゴが入った自社カードを発行する企業は、V…
東京を拠点とするスタートアップで、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)は25日都内で記者会見を開いた。この中で、国際カードブランドの Visa と提携し、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店で利用可能になる「Kyash Direct」をローンチすると発表した。ローンチ時期は、今年初夏となる見込み。
これらのサービスを使うことで、企業は自社ブランドのバーチャルおよびリアルの Visa カード発行(バーチャルの場合は即時発行)できるほか、企業が銀行預金や売上金などの金融資産と API 連携し、世界の Visa 加盟店(5,390万店舗)で利用できるようになる。主な用途としては、クラウド費用やオンライン広告料金をカード決済したいスタートアップ(ユースケースとしては BREX のようなもの)、従業員個々にカードを付与し経費支払を簡素化したい企業、仮想通貨を法定通貨に転換して使えるカード(ユースケースとしては Coinbase のようなもの)など。
LINE Payは送金先の幹事が使っていなかったので、ここで初めてKyashが候補として浮上。KyashはPaymo同様に資金移動業者ではないものの、決済代行の手法ではなく、Kaysh内で使えるポイントみたいなものを付与するという「前払式支払手段」を取っている。送ってもらった残高は現金として出金できないがVISAカードとして利用することができる、ちょっと癖のあるサービスだ。