経費精算アプリ開発のクラウドキャスト、カード即時発行スキーム「Kyash Direct」を使った経費精算用Visaプリペイドカードをローンチ

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左から:クラーク保坂由美氏(ビザ・ワールドワイド・ジャパン ジャパンプロダクト統括部長)、星川高志氏(クラウドキャスト 代表取締役社長)、鷹取真一氏(Kyash 代表取締役社長)
Image credit: Masaru Ikeda

経費精算アプリ「Staple(ステイプル)」や「bizNote Expense(ビズノート・エクスペンス)」を開発するクラウドキャストは4日、都内で記者会見を開き、送金・決済システムを開発する Kyash(キャッシュ)が開発した「Kyash Direct」を使ったプリペイドカード「Staple カード」の発行開始を発表する。

Kyash Direct は今年4月、Kyash が発表した自社ブランドによる Visa 提携カード即時発行スキームだ。ユーザは、銀行預金や売上金などの金融資産が世界中の Visa 加盟店(5,390万店舗)で利用可能になる。Kyash は Kyash Direct を活用した用途の一つとして、「企業が従業員個々にカードを付与し経費支払を簡素化する」というユースケースを上げており、クラウドキャストとの協業でこれが具体的に実現することとなる。

Staple カード
Image credit: Crowdcast

クラウドキャストは昨年4月、経済産業省が主導するキャッシュレス決済推進の実証実験で、中小企業向けプリペイドカード「Staple カード」を発行していた。今回の Kyash との取り組みで、Staple カードは事実上、実験ベースから本サービスに移行することになる。社内で承認された額が経理担当者によって Staple カードにチャージされるため、従業員による立替、後日の経費精算が必要なくなり、コーポレートカードのような発行時の与信審査も不要のため、低リスク・低コストで全従業員に配布することが可能になる。

Kyash Direct ではプラスチック形式で提供されるリアルカードと、オンライン決済などに特化したカード番号のみが提供されるバーチャルカードの二種が発行可能だが、Staple カードはセキュリティ面の考慮から、当面はリアルカードのみの発行となる。このタイミングでの Staple カードの発表は、来年6月末まで実施されるキャッシュレス・ポイント還元の適用を受けられる機会を活用し、企業に普及を図る意図があるとみられる。

Image credit: Masaru Ikeda

クラウドキャストと Kyash が手を組むことで実現する世界は、創業2年でバリュエーション26億米ドルをつけたことで注目を集めるアメリカの「Brex」のそれにも似ている。また、日本国内では、ニッセイ・キャピタルや Coral Capital が支援する Handii が、オリエントコーポレーション(東証:8585)との提携で Visa ブランドの自社カードを発行できるスキーム「paild(ペイルド)」を今秋から開始することを明らかにしている。

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