不動産クラウドファンディングの「FUEL」運営、シーアールイーグループと不動産テック特化VCのデジタルベースキャピタルからシード資金を調達

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クラウド・インベストメントの経営チーム
Image credit: Crowd Investment

不動産クラウドファンディング・プラットフォーム「FUEL(フエル)オンラインファンド」を開発・準備するクラウド・インベストメントは28日、シードラウンドで物流系不動産大手のシーアールイー(東証:3458)と、その子会社で不動産証券化事業を行うストラテジック・パートナーズ、さらに、不動産テック特化 VC のデジタルベースキャピタルから資金調達したことを明らかにした

これは同社にとって、2019年5月に実施したシードラウンド(ソニーフィナンシャルベンチャーズとグローバル・ブレイン)の調達に続くものだ。既報の通り、シードラウンドはクローズしておらず、事業会社大手からの出資参加も見込まれるとしていた。今回の調達金額は不明だが、シードラウンド調達額は、最終的にトータルで1億円台中盤から後半で収束するものとみられる。シーアールイーとストラテジック・パートナーズとは業務提携を伴っており、FUEL を実際に利用するものと思われる。

FUEL は、不動産事業会社(デベロッパ)向けのクラウドファンディング・プラットフォームを提供。デベロッパにとっては、既存の機関投資家やメザニンローン以外のルートで、低金利の資金を個人投資家から調達できるメリットがある。個人投資家にとっては、すでに安定した利回りの期待できる大手デベロッパ運用の不動産に対し、投資商品の中ではローリスクで参加できるメリットがある。

FUEL の仕組み
Image credit: Crowd Investment

不動産事業会社が自らクラウドファンディングを行う場合、第二種金融商品取引業の免許を取得したり、クラウドファンディング参加者を集めて管理したり、システムを整備したりする必要がある。FUEL では、これらの機能をプラットフォームとして不動産事業会社に提供することで、不動産会社が新たな取り組みを始める上でのハードルを下げる。

同社は今月、組織体制の強化とシステムの開発を目的として、恵比澤賢氏を CTO に迎えたことも明らかになった。恵比澤氏は、IIJ、グリーを経て、アスタミューゼで開発・インフラ部長、ココナラ、ドリプル・ダブリュー・ジャパンで CTO を務めた人物だ。

6月には、いちご投信顧問執行役会長の織井渉氏を取締役に、また、出資元のグローバル・ブレインのプリンシパル林昇平氏を社外取締役に迎えるなど体制強化を図っており、クラウド・インベストメントのチームは9月にも13人にまで増員となる見込み。FUEL のサービスは近日中にも公開されるとみられる。

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