
Image credit: Transsion(伝音)
アフリカ最大の格安スマホ販売会社 Transsion Holdings(伝音)は9月30日、1株当たり35.15人民元(約530円)で IPO(新規株式公開)価格を付け、上海証券取引所の NASDAQ 型のテック株特化市場「Star Market(科創板)」で28億人民元(約420億円)を調達したことがわかった。
株価は50.7%高い53人民元(約800円)から始まり、同社の企業価値が424億人民元(約6,400億円)となった。
重要視すべき理由:深圳を拠点とする Transsion Holdings は、アフリカやインドなど新興市場において強い存在感を示している一方、研究および開発能力の低さを指摘され、批判されている。
- Transsion が手掛けるスマートフォンの平均販売価格は、2018年時点でおよそ69米ドル。同社の目論見書によると、フィーチャーフォンは9.8米ドルという低価格であった。
- 同社資料によると、2018年は収益の3.1%しか研究開発に費やしていなかったという。
- 中国の通信会社 Huawei(華為)は同社に対し、知的財産権の侵害を公に主張する訴訟を IPO の1週間前に起こした。
詳細情報:Huawei の訴訟により、Transsion の業績に与えた影響は限定的である。株価は9月30日の朝に1株当たり69人民元(約1,000円)に達し、IPO 価格よりも64.4%高い57.8人民元(約880円)の高値で取引が終了した。これにより、同社の時価総額は462億人民元(約7,000億円)となった。
- 深圳の中級人民法院に訴訟を申請したのは9月23日。Huawei は Transsion Holdings および5つの子会社を相手取り、2,000万人民元(約3億円)の罰金を請求している。
- Transsion 会長の Zhu Zhaojiang(竺兆江)氏は9月30日、中国のメディア Yicai(第一財経)に対し「法律は公正な対応をもたらすと信じています」と語った。
背景:Transsion Holdings は2006年、かつて中国最大の携帯電話メーカーの1つであった Ningbo Bird(寧波波導)の元従業員らによって設立された。
- 調査会社IDCからのデータを引用した目論見書によると、同社は現在3つの電話ブランド(Tecno、Itel、Infinix)を保有し、アフリカのモバイル市場で合計48.7%のシェアを持つ(2018年時点)。
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