タグ Mirrativ

Mirrativの新境地「ライブゲーミング」が月商1億円のヒットにーー配信者が稼げる国産スマホメタバースは拡大フェーズへ

SHARE:

ニュースサマリ:スマホゲーム配信「Mirrativ」を提供するミラティブは1月13日、ゲームとライブ配信を融合させた「ライブゲーミング」関連売上が月間1億円を突破したことを公表している。同社が開発・配信するライブゲーミングタイトル「エモモバトルドロップ」はイベント開催期間中の9日間で売上が5,000万円を記録しており、同社ではこれを機会にライブゲーミングに大幅投資を実施し、規模拡大を狙う。 具体的…

ニュースサマリ:スマホゲーム配信「Mirrativ」を提供するミラティブは1月13日、ゲームとライブ配信を融合させた「ライブゲーミング」関連売上が月間1億円を突破したことを公表している。同社が開発・配信するライブゲーミングタイトル「エモモバトルドロップ」はイベント開催期間中の9日間で売上が5,000万円を記録しており、同社ではこれを機会にライブゲーミングに大幅投資を実施し、規模拡大を狙う。

具体的にはミラティブと共同で新ゲーム開発を担う開発パートナーの募集や、リリース済みのタイトルをライブゲーミングに対応させるゲーム運営会社の募集、これに関連する人材の強化を実施する。

話題のポイント:ミラティブが長いトンネルを抜け、大きく爆発しているようです。ライブゲーミングはこれまでのゲーム実況と少し異なり、視聴者側も一緒にゲームに参加できる体験を提供するものになります。

ミラティブでは通常、他社のゲーム会社が開発したタイトルを配信者がプレイし、その実況に視聴者がコメントで参加する、というものが一般的な使い方でした。しかし、ある時、一部のユーザーがゲーム中(テーブルゲームのようなもの)に視聴者を巻き込んだ遊び方をしていることに気づいたそうです。これが2017年から18年頃の話です。

同社代表取締役の赤川隼一さんは今後、ゲームとゲーム実況がさらに融合する世界が確実にやってくると確信し、Mirrativのアバター機能「エモモ」をタイトルにしたミニゲームに着手します。今回、月商5,000万円を記録したエモモバトルドロップはその内のひとつです。

2021年2月から毎月期間限定でリリースされているアクションレース型のライブゲームで、配信者は視聴者と4人チームを組んで他のチームと対戦するバトルロワイヤルのタイトルです。一緒に遊んでいる視聴者以外の視聴者もゲーム内で使えるアイテムをギフトとして贈れるので、「このアイテムで生き残ってくれ!!」という一体感が持てる、というワケです。胸熱。

そしてこの一体感がヒットし、2021年12月1日から9日に開催された「Season10」では単体ゲームとして約5,000万円の売上をあげるタイトルに成長しました。開発チームは10人以下ということで、「一本開発するのに数十億円規模に膨れ上がった現在のスマホゲームタイトルとは異なる成功」(赤川さん)とお話されていました。しかも、この売上はMirrativの収益化の仕組みを使うので、一部は配信者に還元されています。

海外ではAxie InfinityなどNFTを活用したタイトルがゲームプレイで稼げる「Play to earn」を掲げて大きく躍進しています。ライブゲーミングにはアイテムトレードなどの要素はないものの、配信者と視聴者が一緒に遊んで、プレーアーにも還元される、そんなMirrativ独自のエコシステムがこのライブゲームで出来つつあるのです。

ミラティブはずっと昔からメタバースでした。

「そこには、きっと、それぞれがなりたい自分を表現して、お互いの好きなことをきっかけにわかりあえるような、現実とは違う世界=「サードプレイス」が広がっていくと信じています。そして、そのサードプレイス、居場所の存在が、それぞれの現実の世界にも前向きな力を与えると信じています」(2018年のリリースに掲載された赤川氏コメントより)。

赤川さんはディー・エヌ・エー時代にモバゲーのヒットを直近で見ていた張本人です。当時を振り返り、この1タイトルで5,000万円を超えたあたりから大きく波がやってきた、と語っていました。ここから大きくなったと。

赤川さんたちがやっていることはずっと前から変わっていません。ただ、こういう話はいつ波がやってくるのかわからないものです。波が来てからでは遅い、だから沖に出ておく。ミラティブは現在のメタバースの「波」を掴む、その最前線にポジションしたと言えるかもしれません。

さて、今後ですが、ライブゲームのタイトルを拡充するため、二つの戦略を取るようです。ひとつはエモモシリーズにあるようなオリジナルを自社で見本のように開発しつつ、協力会社と新タイトルをリリースすること。もうひとつは既存タイトルの「ライブゲーム化」です。

エモモバトルドロップは一緒に対戦できる、ライブゲーム体験が「深く組み込まれた」ネイティブタイトルと言えるでしょう。一方、既存タイトルでも例えばFPS(一人称のシューティングゲーム)で「もうヤバい無理!」となった瞬間、弾薬のギフトを贈ってもらえる、そんな「ギフトを組み込む」体験は比較的ハードル低く実現できるようです。

このグラデーションの中、昨年来タイアップしてきた75社のゲームタイトルと連携し、ライブゲームのエコシステムを拡大させていくとされていました。

なお、赤川さんには19日から開催するBRIDGE Tokyoにも急遽、ライブ出演していただくことになりました。ライブゲーミングのもう少し詳しいお話、特にスマホメタバースとPlay to earnの文脈はぜひお聞きしたいと思っております。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


「Clubhouseは違う文脈からやってきた」ーーゲーム配信SNS「Mirrativ」配信者数が300万人突破【赤川氏インタビュー】

SHARE:

ニュースサマリ:ゲーム配信SNS「Mirrativ」を提供するミラティブは2月5日、ゲーム実況をする配信者の数が300万人を突破したことを伝えている。また、配信者間でのフォロー数は1億回以上となり、配信者同士のコメント数は年間25億以上に上っていることから、同社では常時接続ソーシャルネットワークとしての存在感が増しているとしている。 Mirrativはスマートフォンの画面をミラーリングし、自分で楽…

ニュースサマリ:ゲーム配信SNS「Mirrativ」を提供するミラティブは2月5日、ゲーム実況をする配信者の数が300万人を突破したことを伝えている。また、配信者間でのフォロー数は1億回以上となり、配信者同士のコメント数は年間25億以上に上っていることから、同社では常時接続ソーシャルネットワークとしての存在感が増しているとしている。

Mirrativはスマートフォンの画面をミラーリングし、自分で楽しんでいるゲームプレイの様子をそのまま配信ができるソーシャルネットワーク。手軽に配信ができることからアクティブなユーザーにおける配信者の比率は2割となっている。また、ゲーム配信だけでなく、ゆるく会話をしたい常時接続型のコミュニケーションの場として利用するユーザーも集まっており、ゲームを仲介としたコミュニティの構築が進んでいる。

話題のポイント:現代のサードプレイスMirrativが久しぶりに数字を公開しました。2019年8月に公開4年で登録者数1,000万人、配信者数160万人を公表しているので、そこから約1年半ほどで倍弱の拡大になっています。

さて、これまでMirrativを伝える時、あまりソーシャルネットワークという言葉は使っていませんでした。どちらかというとライブ配信、アバター(バーチャルキャラクター)による仮想空間、サードプレイス、こういった「もう一つの世界、もう一人の自分」が新しいコミュニティでゲームしながら会話し、楽しむというイメージが強かったように思います。

しかし、今回、改めてリリースには「常時接続ソーシャル」というワードを入れてきています。当然、Clubhouseを発端とする新しいソーシャルネットワークの存在を意識したものであるのは間違いありません。まあ、楽しいですからね。ということで今回もClubhouseで同社代表の赤川隼一さんに公開インタビューをしてきました。

違う文脈からやってきたClubhouse

「音声中心の常時接続ソーシャル」。このモメンタムが日本で大きく膨らむかどうかと言われると私は正直懐疑的でした。特に先行しているポッドキャスト文化がどうにも日本では定着しているように思えず、もし世代によるものであれば浸透までに時間がかかるかもと予想するぐらいでした。

しかし、ここに異常なまでの障壁の低さと「聞いてる人や友達を会話に参加させる」「聞いてる人にリアクションさせない」というちょっとしたアイデアで斜め上から一気に広がったのがClubhouseという現象です。赤川さんはこの状況を「全く別の文脈からやってきたもの」と分析します。

「大局的な話でいくと、日本のほぼ全てのライブ配信は中国を先端とするケースが多いんです。確かにニコニコ動画のように中国で拡大再生産されたbilibiliのような例もありますが、おおよそこれらは中国発の流れとしてみていました」。

特に機能面で中国の流れを汲むライブ配信関連サービスは「足し算」のものが多いと指摘します。TikTok(と、その前身であるMusica.ly)はその昔、ショートムービーに音楽を乗せるというアイデアでリップシンクというカルチャーを作りましたし、同様にライブ配信にはアイテム課金、コマース、コミュニケーション、アバターなどなど常に「コンテンツ+α」の考え方がベースになっています。

一方、Clubhouseは究極にまで機能を削ぎ落としてデビューしました。いかにして気軽に会話が始まるか、という点を究極に求めた結果でしょうか、特にオーディエンスにリアクションさせないという決断は、確かに足し算文化でコメントや絵文字が当たり前になっている現状からすると、かなり新鮮に映りました。

MIrrativはどうなるのか

では、このモメンタムを受けてMirrativに何か動きがあるのでしょうか。そもそもMirrativは立ち上がった当時からゆるくいつでもトモダチとつながるコミュニケーションサービスとして進化してきています。

「サービス開始当初から言ってるんですが、Mirrativは実況というよりも配信、メディアではなくコミュニケーションサービスです。トモダチの家でドラクエやってる感じとお話してきましたが、eSpotsとかでも誰かに見てもらうと燃えるじゃないですか。ライブ配信っていうのもなんだかステージに上げられてる感じがしていて違うんですよね。トモダチと何時に家に集合ねっていって、来てるかどうかも分かんないけどゲームははじまってる。そういう空気感みたい部分です。

はじめてしばらくは自分たちもソーシャルネットワークだと言ってたこともあったのですが、これがClubhouseがやってきたことで一気に認知が広がった。Mirrativは最初から常時接続ソーシャルネットワークで、例えば今、ゲームでガチャ回すのに一人でやるなんてありえないっていう配信者の方もいます。コミュニケーションって圧倒的に面白いエンターテインメントなんですよ」。

300万人という配信者が日々、ゲームをきっかけにやってくるフォロワーの人たちとコミュニケーションを楽しむのがMirrativです。実際に入ってみると、ゲームだけでなく雑談だけのチャンネルもあり、以前に比べて多様性は増しています。一方、入ると必ずと言っていいほど「◎◎さんこんにちはー」と配信者から挨拶があったりするなど、オーディエンスとの「距離感」はClubhouseとは全く異なるものです。

特にClubhouseで配信すると分かるのですが、お話の上手な人がどうしてもコンテンツとしては面白くなります。また、そのように誰かに聞かせる「配信」を意識した場合、会話が途切れることにどうしても躊躇が生まれるのも確かです。そういう点でMirrativやTwitchなどのゲーム配信やHousePartyのように何かコンテンツを間に入れるという手法は引き続き強さを保つと思います。赤川さんも言及していましたが、これらは全く違うものとしてこれからも並行して進化していくのではないでしょうか。

ではその上で、赤川さんにClubhouseで得た経験から参考にしたい体験をお聞きしたところ、やはりユーザーを引き込む仕組みについてはもっと研究を進めたいと話していました。

「Clubhouseで配信すると配信側に呼ばれてデビューしちゃった、みたいな体験ありますよね。終わったら楽しくなってじゃあ自分も部屋立てていいっすか?みたいな。あれ、Mirrativでもあるんですが、Twitterを通じて発生していたんですよね」。

これは確かにClubhouseが一気に立ち上がった要因のひとつでもあります。もしMirrativにふらりとやってきたトモダチを家にあげる、そういう要素が加わるととても楽しくなりそうです。

現在、60名体制で開発を続けるMirrativ。Clubhouseという黒船によって全く違う角度から音声による常時接続ソーシャルネットワークの扉がこじ開けられることになりました。もちろん、まだマス層に広がるにはしばらく時間がかかると思いますし、Twitterが開発するSpacesや国産の00:00Studio、Stand.fmなど、音声や常時接続にチャレンジしているスタートアップにとっては10年に一度の絶好のチャンスが到来したと言って過言ではないと思います。

赤川さんも今回のリリースに合わせて採用の手紙を更新し、さらなる体制強化を進めてこれからやってくる新しいソーシャルネットワークの時代に向け闘志を燃やしていました。

※本稿はClubhouseで公開インタビューした内容をご本人の合意を得て記事化しております

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


ゲームで感染拡大防止 #PlayApartTogether #離れていっしょに遊ぼう キャンペーンが日本でも開始、ミラティブとミクシィが共同で

SHARE:

ゲーム実況サービス「Mirrativ」を運営するミラティブは4月15日、世界保健機関(WHO)と海外ゲーム企業が進めているキャンペーン「#PlayApartTogether(離れていっしょに遊ぼう)」に賛同するプロジェクトページを公開した。ミクシィが提供するXFLAGと共同で実施したもので、今後、協力する他のゲーム事業者を募る。 #PlayApartTogetherはWHOとビデオゲーム業界が協力…

PlayApartTogether.png

ゲーム実況サービス「Mirrativ」を運営するミラティブは4月15日、世界保健機関(WHO)と海外ゲーム企業が進めているキャンペーン「#PlayApartTogether(離れていっしょに遊ぼう)」に賛同するプロジェクトページを公開した。ミクシィが提供するXFLAGと共同で実施したもので、今後、協力する他のゲーム事業者を募る。

#PlayApartTogetherはWHOとビデオゲーム業界が協力して立ち上げたキャンペーンで、感染症予防ガイドラインにある「人と人との距離をとる」「咳エチケットを守る」などの新型コロナウィルス感染防止行動を促すのが狙い。3月の後半にキャンペーンが開始され、4月5日時点で60近くの事業者が参加している。

Last week, 18 game companies announced they had joined the campaign. They included Activision Blizzard, Kabam, Snap Games, Amazon Appstore, Maysalward, Twitch, Big Fish Games, Playtika, Unity, Dirtybit, Pocket Gems, Wooga, Glu Mobile, Riot Games, YouTube Gaming, Jam City, SciPlay, and Zynga.

And the next 40 game companies and other organizations include Big Blue Bubble, Bohemia Interactive, Box VR, CCP Games, Drone Racing League, Ezone, East Side Games, FunPlus Games, GamexGames, Gismart, Google Play, HyperX ANZ, ISFE, Koei Tecmo, Mattel, Maximum Games UK, MobilityWare, Modus Games, N3twork, Nexon America, Next Games, Oculus, OnePlus, Playnet, Raid Studios, SCS Software, Sayollo, Sega, Wawa Games, Weird Game, Microsoft (Windows App Store), Women in Games, Total Mayhem Games, TownCrier, Twitch Prime, RGG Studio, Top Eleven, and the Entertainment Software Association.[Update: 12:29 p.m. 4/5/20: Scopely has also joined; Facebook Gaming has also joined].(引用:40 more game companies join WHO #PlayApartTogether coronavirus awareness campaign

ミラティブとXFLAGが開始したのはこのキャンペーンの日本版。参加した事業者はハッシュタグ「#PlayApartTogether」「#離れていっしょに遊ぼう」と共に感染予防の啓発を行うと共に、各社が企画したキャンペーンなどの実施も予定する。

例えばミラティブでは期間中、これらのハッシュタグと一緒にゲーム実況の配信をしたユーザーに、アイテムのプレゼントをする企画を実施している。参加を希望するゲーム事業者はここから応募できる。以下はミラティブ代表取締役の赤川準一氏からのコメント。

コミュニケーションの力を信じ、「友だちの家でゲームやってる感じ」をコンセプトにゲーム実況・生配信で人のつながりを作ってきたMirrativにとって、この「#PlayApartTogether」は深く共感できるメッセージです。

世界中で新型コロナウイルスウィルス問題が拡大するなか、感染拡大防止に尽力するすべての方々への強い感謝と敬意の想いが日々大きくなっています。そこには、接触を避け、意志を持って在宅を続ける人々も含まれます。

自宅でゲームとともに起動するMirrativが、ひとりプレイのゲームでも友だちと話しながら遊んだり、マルチプレイをする仲間が見つかったりする助けになり、孤独や不安の解消を通じて間接的にコロナウィルスの感染防止に貢献できることを誇りに思います。そして、多くの人と人との願いをオンラインでつないでいけることを祈っています。1日も早い解決を願っています。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


感情をぶつけた表現が感動に繋がる: #スタートアップPR ベスト事例(1)ミラティブ【リレー】

SHARE:

近年スタートアップの傾向に「PR/広報力による差別化」があります。 スタートアップというのはアップサイドとリスクのバランスが非常に難しい企業体です。収益がしっかりと上がっている経営陣は株主、顧客、従業員、それぞれに対して利益を還元し、それぞれの生活・人生を支える基盤になります。一方、スタートアップはそれがおぼつかない環境なので、経営者はできるだけ隠し事なく関係者に説明する責任があるのですね。 ここ…

Screenshot 2019-12-17 at 12.04.30 PM.png
ミラティブウェブサイト

近年スタートアップの傾向に「PR/広報力による差別化」があります。

スタートアップというのはアップサイドとリスクのバランスが非常に難しい企業体です。収益がしっかりと上がっている経営陣は株主、顧客、従業員、それぞれに対して利益を還元し、それぞれの生活・人生を支える基盤になります。一方、スタートアップはそれがおぼつかない環境なので、経営者はできるだけ隠し事なく関係者に説明する責任があるのですね。

ここで重要なポイントが企業の広報活動です。ここが弱いスタートアップはやはり説明コストをすごく高く支払う傾向にあります。投資家や社員に毎回同じような説明を繰り返したり、匿名ブログで社員に告発されたりといった事案に遭遇してしまうわけです。

さておき、ではどのようにすればよいか。3点あります。

  • (1)とにかく説明コストを下げる方法を探す
  • (2)ファンを増やす
  • (3)経営者によりそう戦略的なPRパーソンをみつける

PR/広報活動はファッションによく似ています。まるっきりのコピーファッションではやはり、自社らしさは表現できません。どちらかというと自分に似合うファッションを探してくれるコーディネーターを探す方が得策です。

このコーディネーター的な役割を果たしているのが素敵なPRパーソンたちです。彼・彼女たちの語る企業ストーリーはプレスリリースの固いファクトだけではなく、物語として伝える側の頭に入ってきますし、そのスタートアップのファンになりたいと思わせて行動を促します。

ではどういう人が素敵なPRパーソンなのか。これはPRパーソンに聞くのが最短です。

前置きが大変長くなりましたが、そういう意図で年末にこのリレー企画を実施することにしました。ルールは簡単でPRパーソンが推薦する「今年素敵なPR活動をしたチーム」をつなぐ、というものです。実はバトンは全て渡っておりまして、今回5社の広報/PRチームをご紹介する予定です。

感情表現で人に動きを作ったミラティブ

Screenshot 2019-12-17 at 12.02.39 PM.png
スタートアップの重要課題はチームづくり

トップバッターはスマホゲーム実況「Mirrativ」で話題になったミラティブさん。推薦者は最初ということで筆者(プラスα)でございます。

推薦理由:採用やユーザー、顧客企業(広告主となるゲームパブリッシャなど)に対して適切な媒体に適切なストーリーを配信する、プレス向けリリースやコーポレートサイト、オウンドメディアなど豊富な情報量といった基本はしっかり押さえた上で、とにかく感情的な表現が多様されているのが特徴的でした。

実は私、この「エモい」という表現が苦手なのです。というのも、作られた感動ほど肩透かしなものはなく、これは本当に自分自身が感動してなければできない表現だからです。

ミラティブさんはそういう意味で、赤川準一さんという体全身から感動のオーラが出ているような(取材で体験済)創業者と、Mirrativの世界観、PR/広報チームが一体となってメッセージを作り込んだことが伝わる活動だったと記憶しています。

<参考情報>

もちろんノー根拠で「一緒に天下取ろうぜ!」的なメッセージはややアレですが、採用スライドにあったような、ロジックを踏まえた上でのこういうエモーショナルな表現はやはり心を動かされます。

<参考記事>

SOや業績がどうとかダウンサイドでこういうリスクがあるとか、根拠だけだと冷たい印象ですが、そこに感情が入ることで、なんというか、空気みたいなものを情報から感じることができるのではないでしょうか。この仕事やってなかったら面接行きたかったです。

感情表現をうまく取り込んだ好例ということで、ミラティブさんを今年のスタートアップPRベスト事例のトップバッターに推薦させていただきました。次はミラティブでPR/広報を担当されている新嘉喜りんさんが推薦された「グッドパッチ」さんにバトンをお渡しいたします。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


AIは人類の「わかりあい」に寄与できるのか

世界には戦争や孤独死、自殺といった大きなイシューがあります。人々は人種や国、社会、格差、さまざまな「違い」に直面し、どこかに答えを見つけようともがき、苦しむ。その一端がこのような問題として現れているのかもしれません。 わかりあいーーこの大きな問題に立ち向かう時、私たちの味方になってくれるのはお互いを思いやる心です。しかし、これは「誰もがわかりあえる」という考えではなく、わかりあえる人同士がちゃんと…

baby children cute dress
Photo by Pixabay on Pexels.com

世界には戦争や孤独死、自殺といった大きなイシューがあります。人々は人種や国、社会、格差、さまざまな「違い」に直面し、どこかに答えを見つけようともがき、苦しむ。その一端がこのような問題として現れているのかもしれません。

わかりあいーーこの大きな問題に立ち向かう時、私たちの味方になってくれるのはお互いを思いやる心です。しかし、これは「誰もがわかりあえる」という考えではなく、わかりあえる人同士がちゃんと出会えることで、みんなの願いがつながる世の中を目指す、ということにほかなりません。

そしてこのプロセスに、私たちはテクノロジーで挑戦したいと考えています。

AIでわかりあう人と人

今、世の中の流れとしてTikTokのように、機械学習を駆使した独自のアルゴリズムによって極めて精緻なコンテンツ・レコメンドを実現し、ユーザーがアクティブにサービスを利用できる環境を提供している例が出てきています。つまり、マッチングへの利活用です。

実は今、私が開発に携わっているライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」でも、AI(機械学習)を活用したコミュニケーション強化検証の一環として「ゲーム画面の推定」という施策を実行したことがありました。

これは配信画面から何のゲームをしているのかを推定し、タグを自動設定するもので、配信時に設定を忘れた(間違った)ユーザーさんのゲームタイトルが自動設定されることにより同じゲームを好きな視聴者さんに見つけてもらいやすくなる、というシンプルな検証例です。

小さな一歩ですが、この延長上に人と人がつながるメカニズムの「答え」があると感じています。

d33025-52-197774-1.png
Mirrativが保有する1000万人規模のコミュニケーションデータに眠る「わかりあい」解明の鍵

わかりあうための実現に必要なもの

では、もっと多くの人たちを繋ぐためには何が必要なのでしょうか。その一つにやはりデータがあります。Mirrativは現在1000万人規模のユーザーIDを保有しており、極めてユニークなコミュニティとそのコミュニケーション履歴が蓄積されています。

例えばMirrativでは視聴者10人以下の配信が8割を占めており、双方向性や熱量の高い、小さなコミュニティが無数に存在しています。また、配信者160万人、ゲームの画面、配信中の音声、視聴者や履歴、コメントなどなど、ずっとつながり続けたことで蓄積されたこれらのデータは「わかりあい」の解明を助けてくれることになるでしょう。

一方、ナマモノかつ変化が多いゲーム映像配信とコミュニケーションには、膨大なデータ転送及び解析の高速化とコストの削減、そして、学習を最小限に抑えた柔軟な運用体制の構築という難題もあり、技術的にも非常にチャレンジングかつ、エキサイティングな領域であることも事実です。

さいごに

人と人とのつながりは奥深いものです。私が新卒で入社したミクシィのSNSやゲームもしかり、最近の短尺動画、位置情報をオープンにしてどこかにきっかけを見つけようとするサービスなど断片的な情報で人はコミュニケーションをとるようになってきました。Mirrativは逆に配信を通して「ずっとつながっている状況」を作り出して、新たなコミュニケーションのあり方を見つけようとしています。

つながりはどこかで必ず、人と人との間に「わかりあい」を作ってくれます。このお互いを思いやる気持ちが世の中に溢れることで、世界が少しでもよくなってくれればと思っています。

<参考情報>

本稿はライブ配信プラットフォーム「Mirrativ」に新設されたAI技術部のAIアドバイザーに就任した長谷直達氏によるもの。チームに参加したい方はこちらからコンタクトされたい

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


CxOクラスが次々集まるミラティブーー前SHIFT取締役の鈴木氏がCHROに、元DeNAゲーム部長の大野氏がCPOに就任

SHARE:

ゲーム実況サービス「Mirrativ」を提供するミラティブは10月1日、経営体制の強化を公表している。新たに経営陣に加わったのは直近でSHIFT取締役を務めた鈴木修氏と、メルペイでプロダクトマネージャーを務めた大野知之氏の2名。鈴木氏はCHRO(最高人事責任者)、大野氏はCPO(最高プロダクト責任者)に就任する。 ミラティブは今年2月に35億円の大型調達を成功させており、同月にCFO(最高財務責任…

CPO大野×CEO赤川×CHRO鈴木.jpg
写真左から大野知之氏、赤川隼一氏、鈴木修氏

ゲーム実況サービス「Mirrativ」を提供するミラティブは10月1日、経営体制の強化を公表している。新たに経営陣に加わったのは直近でSHIFT取締役を務めた鈴木修氏と、メルペイでプロダクトマネージャーを務めた大野知之氏の2名。鈴木氏はCHRO(最高人事責任者)、大野氏はCPO(最高プロダクト責任者)に就任する。

ミラティブは今年2月に35億円の大型調達を成功させており、同月にCFO(最高財務責任者)としてGunosyの取締役を務めた伊藤光茂氏、4月には最高戦略責任者(CSO)として元セガの岩城農氏を迎えるなどトップマネジメント層の強化を続けている。

MBOによる創業から約2年、サービス開始から数えると4年が経過したミラティブは順調に事業を拡大させており、登録ユーザー数(IDベース)は8月時点で900万人に到達している。ちなみに同社に確認したが、現時点でまだ1000万人の大台には乗っていないという回答だった。

<参考記事>

今回CHROに就任した鈴木氏は学生起業を経験したのちにインテリジェンスやサイバーエージェント、グリーにて組織や人事のキャリアを積んだ人物。2013年に独立してスタートアップのIPO支援事業を手がけたのち、2014年からは品質保証サービスのSHIFTで取締役として、国内外のグループ会社を統括していた。

一方、CPOの役割を担うことになった大野氏は、2010年から赤川氏の出身でもあるディー・エヌ・エーでエンジニアとしてのキャリアをスタートさせ、2018年まで同社のゲーム事業部を率いた人物。2018年7月にはメルペイに移籍し、決済基盤のプロダクトマネージャーとして活躍していた。

ミラティブでは引き続き人材の強化を続ける予定で、今年2月時点での計画では年内にフルタイムで100名規模の組織に拡大させると答えている。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


ゲーム実況ミラティブが登録ユーザー数1000万人規模にーー配信者は160万人に拡大、公開4年で相互性の高いコミュニティに成長

SHARE:

ゲーム実況サービス「Mirrativ」を提供するミラティブは8月29日、登録ユーザー数(IDベース)が900万人を突破したことを公表している。このユーザー数に占める配信者の数は160万人で、まもなく1000万人に到達する。サービス公開から4年での達成となった。 Mirrativはスマートフォンひとつでゲームの実況中継ができるサービス。2015年8月にAndroidでサービスを開始し、2017年9月…

68858002_487400298711520_1643195109526732800_n.jpeg
移転中のミラティブオフィス。社員数は41名に拡大(写真は同社提供

ゲーム実況サービス「Mirrativ」を提供するミラティブは8月29日、登録ユーザー数(IDベース)が900万人を突破したことを公表している。このユーザー数に占める配信者の数は160万人で、まもなく1000万人に到達する。サービス公開から4年での達成となった。

Mirrativはスマートフォンひとつでゲームの実況中継ができるサービス。2015年8月にAndroidでサービスを開始し、2017年9月からiOSに対応。2018年8月には、Mirrativのアプリ内でアバターを使った配信機能「エモモ」の提供を開始するなど、順調に機能を拡張してきた。

d33025-46-417226-2

また配信する側にもギフトを使った収益化の仕組みを提供するなどサービスを拡張しており、南海キャンディーズ・山里亮太さんのようなタレントやYouTuber、プロゲーマーなど配信者の範囲も拡大している。結果、視聴者と配信者が双方向で往来できる相互性の高いコミュニティに成長した。

d33025-46-990153-10

実況の素材となるゲームタイトルについても、Mirrativを利用してユーザー同士の実況コミュニケーションを追加することで効果が現れているという。Mirrativの利用ができる10タイトルを対象に調査したところ、複数のタイトルで利用7日目のリテンション・レート(継続率)が3倍ほどに伸びた事例もある。配信しているジャンルで最も多いのはRPGとなっている。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


人材ブラックホール化しつつあるミラティブ、次は元セガ取締役の岩城氏がCSOとして参画ーーフルタイム100名体制を目指す

SHARE:

スマホゲームの実況プラットフォーム「Mirrativ」を運営するミラティブは3月1日、最高戦略責任者(CSO)に元セガの岩城農氏が4月1日から参画することを公表した。岩城氏は2006年からセガ(現・セガゲームス)に入社、社長室の戦略企画開発室長として同社の全社戦略策定に携わった人物。 2012年からは分社設立したセガネットワークスにて、執行役員としてスマートフォンゲーム事業を国内外で牽引した。ゲー…

d33025-32-306866-0.png
写真右:CSOとしてミラティブに参画する岩城農氏

スマホゲームの実況プラットフォーム「Mirrativ」を運営するミラティブは3月1日、最高戦略責任者(CSO)に元セガの岩城農氏が4月1日から参画することを公表した。岩城氏は2006年からセガ(現・セガゲームス)に入社、社長室の戦略企画開発室長として同社の全社戦略策定に携わった人物。

2012年からは分社設立したセガネットワークスにて、執行役員としてスマートフォンゲーム事業を国内外で牽引した。ゲームアプリ間の送客・集客を相互に実現できるプラットフォーム「ノアパス」を創設するなどモバイル・インターネットゲーム全般に詳しい。2016年4月からセガゲームス取締役CSOとして活躍し、今年3月末で退任予定となっている。

ミラティブは35億円の大型調達を前後に、元Gunosy取締役の伊藤光茂氏がCFOとして、またグローバル展開に向けてゲームポット植田氏が参画するなど経営体制の強化を進めている。

同社は企業の透明性を高く伝える「採用候補者への手紙」を公開するなどしてその採用活動も注目を集めている。同社は今年度中にフルタイム100名体制を目指す。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


ミラティブの「採用候補者様への手紙」が採用PRで良手だったので再現性あるか考えてみた

SHARE:

MBOからわずか1年足らずで35億円調達に成功したミラティブがまたエモいことやってました。創業者でサードプレイスの住人、赤川準一さんがツイートしていたものなんですが、スタートアップが課題にしている「採用」について考えさせられたのと同時に、よい打ち手でもあると感じたので内容を整理してみたいと思います。 「採用候補者様への手紙」を作りました!採用ページの掲載資料としての会社紹介、だけでなく、ミラティブ…

MBOからわずか1年足らずで35億円調達に成功したミラティブがまたエモいことやってました。創業者でサードプレイスの住人、赤川準一さんがツイートしていたものなんですが、スタートアップが課題にしている「採用」について考えさせられたのと同時に、よい打ち手でもあると感じたので内容を整理してみたいと思います。

スタートアップの採用課題

ここ2、3年ぐらいでしょうか。スタートアップにとっての経営課題は、資金調達やサービスのグロースみたいな話題から「人材採用」に視点が移っている印象があります。支援しているベンチャーキャピタルなども、経営人材やエンジニアの獲得をサポートしているという話はよく聞きますし、ビズリーチのようにそれ自体を支援プログラムにしている例もあります。

スタートアップの採用で壁になるのは大体が次のようなパターンです。

  • 認知問題:知らないからマッチングしない
  • 賃金問題:空手形のストックオプション
  • 文化問題:伝統的な企業での仕事とのギャップ

実はこの中で「もったいないな」と思うことが多いのが最初の「知らないから」という問題です。最近では国内のスタートアップという企業育成の仕組みは相当に成熟度が増しており、メルカリしかり、株式公開して社会の公器となる事例も多数生まれています。

成長がある程度見えていて、よしんば事業が大成功しなかったとしても人生におけるチャレンジや学びがあるのが分かっているのであれば、参加する人にとってもスタートアップは良質な選択肢です。

一方で、その初速はやはり見えづらい部分があります。これから成長するというのは全てのスタートアップが言います。私たち取材する側も、本当はそういった真に迫る部分を聞く必要があるのですが、やはり取材も初めてみたいな創業者に「お給料払えるの?売上上がるの?ユーザー増えるの?ねぇねぇ?本心教えてよ」とは聞きづらい。

そこで効いてくるのが今回の手紙、というわけです。

スタートアップに必要な「形あるチームへの信頼」

先日本誌でも取り上げたソリウム・キャピタルという会社の重要な考え方に「Get Everyone Engaged」というものがあります。

ソリウム・キャピタルが重視していることは、公式サイトでも語られている通り「Get Everyone Engaged」です。スタートアップに限らず企業に入る際、自分が企業にとってどのような貢献を果たし、インセンティブとして何を受け取るのか。これを同社はクラウドを用いて透明性を保ちつつ、誰でも視覚的に確認できる状態にしてくれます。ーー(ストックオプションに透明性をーー従業員が株で「嘘つかれない」ソリウム・キャピタル、モルガン・スタンレーが約910億円で買収

メルカリのバリュー「All for One – 全ては成功のために」に近い考え方だと思いますが、ここで重要なのが「透明性」です。

スタートアップの創業者、経営陣は一般的に会社のオーナーシップを左右する株式を大量に保有していることが多いです。つまり会社を太らせる=自分たちの持ち分価値が上がる、という絶対的な構造があるわけです。その中で社員たちはどういうリスクを背負い、どういうアップサイドがあるのか。こういった情報を透明性高く知ることがない状態で「一緒にやろうぜ!」と言われてもしらけるだけです。

綺麗なオフィスで和気藹々とした社員ブログが大量に出回ってるけど、肝心な部分を隠しちゃう。そんなスタートアップは選択肢から落とした方が賢明でしょう。本当に信頼して一緒に仕事をしたいのであれば、相応の「形」が必要なのです。

では、こういった情報をどこで知ればいいのでしょうか。また、スタートアップ側はどこまで開示すればいいのでしょうか。今回のミラティブの手紙はそういう意味でよいお手本だなと思うわけです。

公開すべき3つのポイント

彼らのスライドは公開されているので、特に考えさせられるスライドを一部抜き出してみました。押さえたいポイントは次の通り。

  • ゴールはどこにあるのか
  • どういう働き方・文化があるのか
  • 何がリスクで、何が得られるのか

ゴールの共有

mirrativ_20190219_001

ミッション・ビジョン・バリューはワンマン社長が「オイ若いの!パン買ってこいや」を拒否することができる素晴らしい仕組みです(こういうこと言う会社にバリューないと思いますが)。コーポレートに紐づいたゴール、行動指針に向かって全員で取り組む先が何か、この辺りはまあ当然あるべきですね。逆にここに共感できない人は早晩無理ゲーになります。

具体的な働き方、カルチャーの共有

mirrativ_20190219_013

mirrativ_20190219_014

朝9時に出社、全員で社歌斉唱があったとして、それは事前に知っておきたいですよね。多くの人にとって仕事の時間というのは人生の大半を占めることになると思います。ここをしっかりとオープンに説明しているか、逆に「カルチャーを説明できるほど整理されているのか」は見るべきポイントだと思って反省しています。

どういうリスクがあるのか、何を得られるのか

mirrativ_20190219_015

お金や権利の話題というのはどうしても会社>創業者>メンバーのような構造が生まれがちな部分です。知ってしまうことで余計な軋轢を生むこともあるので、確かに扱い自体は大切にすべきですが、隠してしまうことはマイナスです。ここもカルチャーと同じく「公開できる強み」が差別化になってくるのではないでしょうか。

ということで特に重要なポイントを紹介しましたが、さらに重要なのはこれらを相対ではなく一般に公開したという点です。つまり、これから家族になる人にえこひいきはありませんよ、という透明性の高さをこの手紙自体が伝える役割を果たしているのです。説明コストを激減させる効果も見込めます。

冒頭申し上げた通り「ウチのスタートアップは最高!レッツジョイン!」というのは簡単になりました。しかし、本当に最高な企業というのはこういう情報を透明性高く伝えられる、ごく一部にすぎません。逆に言えば、本当に最高の企業はこの手紙を自社ならではの方法で再現できるはずです。

ということで自信あるスタートアップ創業者諸氏は試してみてはいかがでしょうか。

追記:SmartHRの代表取締役、宮田昇始さんからの素早いレスで思い出しました。はい、こっちが元祖です。ということでもし「いや、ウチも透明性高いっスよ」っていう方いらっしゃったら @kigoyama までご一報くださいませすぐRTします。

https://twitter.com/miyasho88/status/1099244694385569792?s=20

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


ミラティブ、韓国にエモモ投入ーーゲームポット植田氏が事業責任者に就任、グローバル展開本格化へ

SHARE:

ニュースサマリ:スマホゲームの実況アプリ「Mirrativ」を開発・運営するミラティブは2月18日、ゲームポット創業者、植田修平氏の韓国事業責任者就任を公表した。グローバル展開の本格開始とあわせたもので、韓国でもゲーム実況サービスに加えてアバター機能「エモモ」が利用できるようになる。 植田氏は2001年にオンラインゲームを手がけるゲームポットを創業し、2007年からは日本オンラインゲーム協会の共同…

slide.001.png
写真左から:Mirrativ英語版、日本語版、韓国語版。日本語インターフェスのみエモモアイコンが表示

ニュースサマリ:スマホゲームの実況アプリ「Mirrativ」を開発・運営するミラティブは2月18日、ゲームポット創業者、植田修平氏の韓国事業責任者就任を公表した。グローバル展開の本格開始とあわせたもので、韓国でもゲーム実況サービスに加えてアバター機能「エモモ」が利用できるようになる。

植田氏は2001年にオンラインゲームを手がけるゲームポットを創業し、2007年からは日本オンラインゲーム協会の共同代表理事を務めた人物。ゲームポット社は2013年にGMOインターネットグループ入りをしている。2019年2月からミラティブに正式参画し、韓国事業を推進することとなった。

韓国でのサービス展開は以前から開始しており、そのユーザー動向の状況をふまえてグローバル展開最初の国に選ばれた。アバター機能のエモモは近日中に公開される。

uedaakagawa2
写真右:韓国事業の責任者に就任した植田修平氏

話題のポイント:大型調達を果たしたミラティブの海外展開が始まりました。冒頭のスクリーンショットの通りミラティブ自体は多言語対応が完了しているのですが、アバター機能「エモモ」や、キャンペーンなどのコンテンツは英語環境では提供されていません。その点、韓国語の環境は日本語のそれに近く、エモモが追加されればほぼ同じ状況になるようです。

同社にも確認しましたが、テスト自体はゲーム実況だけでなく、エモモの方も実施しているそうで、両方の反響をふまえてここをグローバル展開最初の地に選んだそうです。植田さんは正式参画は2月ですが、この件で昨年から動いていたというお話でした。シンプルにここの数字がどのような伸びになるのか、情報が届いたらまたお伝えしたいと思います。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録