中国のO2O大手Meituan(美団)、北京で無人配送を試験的に実施

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北京市順義区にある Meituan(美団)のピックアップステーションに駐車中の無人配送ロボット
Meituan Dianping(美団点評)

オンデマンドサービスプラットフォームを提供する中国の Meituan Dianping(美団点評)は、新型コロナウイルスの大流行によって拍車がかかった「非接触バイク構想(無接触騎行倡議書)」をさらに推進するため、自社で設計した自動配送車で初めて北京郊外へ食料品配送を行った。

重要視すべき理由:中国のテクノロジー企業らは、致命的なウイルスを取り巻く状況が実験的な技術を試験的に広く採用する機会を作り出したため、「非接触配送」のイニシアチブを強化している。

  • 今月上旬、e コマースプラットフォーム「JD.com(京東)」は、ウイルス流行の中心地である中国中部の武漢市で自動運転車を使用した初の医療支援の配送を実施した
  • 同社代表は30台以上の配送ロボットが武漢に配備される予定で、それらを商品化する計画を強化したと述べた。

詳細情報:25日にリリースされたメッセージングプラットフォーム「WeChat(微信)」の公式アカウントの発表(中国語)によると、北京に拠点を置く Meituan は今月初め、市内北東部の順義区で無人配送サービスの試験運用を開始した。

  • Meituan は現在、ピックアップステーションから半径5キロメートル以内にある、3つの地域の顧客に食料品を配達するために2台の無人車両を配備している。配送を開始する前に車両に商品を入れるための人員を確保する必要がある。
  • 電動配送ロボットの稼働範囲は100キロメートルで、最大容量は100キログラム、1回の稼働で最大5つの注文に対応できると同社は述べた。
  • 同社のスポークスパーソンは無人車両による配送が1日平均何件なのかについてのコメントは差し控えた。
  • 通常無人車両で配送される注文は、より大型のアイテムか、より長い距離を要する注文だ。自動運転車両はウイルス症例の報告が確認されたコミュニティへの配達も行うと、ビジネスリーダーが中国メディアに語った
  • Meituan の配送ロボットが北京の公道を走るのはこれが初めてであり、慎重に進んでいる。 同社によれば、車両は時速20キロメートルで走行し、人員不足を緩和するための代替ラストワンマイル配送の解決策として機能するようになった。
  • 機械学習アルゴリズムに加え、Lidar、レーダー、カメラなどのハードウェアパッケージによって駆動するため、ドライバーレステクノロジーの価格は高くなる。 Meituan のロボットの価格はそれぞれ10万人民元(約156万円)であると、中国メディアはある技術責任者の話を引用して報道した

背景:Meituan は2016年に無人配送を開始し、その後大学キャンパスなどの地理的に囲われた地域でいくつかの試験的なプロジェクトを続けた。2年後、無人配送のためのオープンソースプラットフォームを開始した。

  • 広範囲での無人配送の採用は長期的な取り組みであり、様々な交通事情やあらゆる天候に対処するために人間とロボットのコラボレーションが依然として必要だ。
  • なお、昨年の  TechNode(動点科技)のインタビューで、夜勤や極端な気象条件などの過酷な仕事を回避させることで機械が配送員を助けることができるかもしれないと Meituan の首席サイエンティスト Xia Huaxia(夏華夏)氏は語っている
  • レストランや飲料チェーンも「非接触配送」と集荷に対応するために業務を革新しているとロイターは報じている。スターバックスの顧客がカフェの外で飲み物を待つ一方、独自の配送車両を持つファーストフードチェーンは、アプリを介して受けた注文を顧客が受け取れるよう指定されたエリアまで届けている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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