Meituan(美団)、統合された配車サービスの提供を中国国内15都市に拡大

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ライフスタイルサービスのスーパーアプリを提供している Meituan(美団)は、中国の15都市で新たに統合配車サービスを提供する。これにより業界での競争が激化し、Didi(滴滴出行)に直接狙いを定めることになる。

同社がこのサービスを最初に導入したのは4月後半で、南京と上海でユーザは Meituan のアプリを使い複数の配車プラットフォームがサービスを提供する車にアクセスすることができた。選択可能な配車サービスは、Shouqi Limousine & Chauffeur(首汽約車)、Caocao Chuxing(曹操出行)、Shenzhou(神州)のほか、自社の「Meituan Dache(美団打車)」だった。業界最大手の Didi は、この中に含まれていない。

これにより Meituan のサービス提供地域は中国東部の蘇州、杭州、寧波のほか西安、成都、武漢、深圳に広がることになった。

複数の配車企業を使った予約ができるようにしているのは、Meituan が初めてではない。中国の地図アプリ「Autonavi(高徳)」と「Baidu Map(百度地図)」も同様のサービスを提供している。

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配車業界への規制が強化されつつある中で顧客体験を改善するにあたり、Meituan は慎重なアプローチを採用しており、2018年第4四半期には営業損失が57%拡大した。乗車利用が統合されることで、同社は費用を大幅に増やすことなく、追加的な機能を提供することができる。

Shouqi や Shenzhou といった企業と提携することで、現在中国の配車市場を牛耳っている Didi に対抗することが可能になる。Didi に関しては、同社のカープールサービス「Hitch(順風車)」を使用して運転手が乗客を殺害するという世間の注目を集める事件が2件起きたことで、監視の目が強くなっている。

この事件以降、複数の中小事業者がサービスを展開し始め、同社の市場シェアを奪おうとしている。最近では、電気自動車(EV)メーカーの Xpeng(小鵬、Xiaopengとしても知られる)が、中国南部の広州で配車サービスのパイロット実験を開始した。同業他社と異なり、このEVメーカーは自社ドライバーを採用するという。

複数の自動車メーカーも、同様のサービス開始を目論んでいる。12月には、メルセデスベンツとフォルクスワーゲンが上海で高級配車サービスの提供で提携したほか、ダイムラーと Geely(吉利)が先週、配車とレンタカーサービスに特化した合弁会社を設立した。テクノロジー大手の Tencent(騰訊)と Alibaba(阿里巴巴)も、南京で国営自動車メーカーの Changan(長安)と共同で100億人民元(約1,580億円)のモビリティベンチャーを設立し、市場シェアを獲得しようとしている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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