「データの所有は基本的人権」ーーブロックチェーン信用ID「Credify」

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Image Credit : Credify team members Maurizio Raffone, Shuichi Nagao (co-founder), Makoto Tominaga (co-founder), and Rasmus Kütt

※本記事は提携するe27「‘Owning your data is a basic human right’, says blockchain-based startup Credify’s Rasmus Kütt」の抄訳になります。

2018年、日本人含む4名のエキスパートによって創業されたCredifyは、Eコマース領域における信頼できる評価システムの構築を目指す。彼らは独自で実施した研究の結果、金融及びデジタル決済領域において、取引相手の信用を保証する基盤には欠陥があると考えた。

具体的には、システム内の信用情報が簡単に操作されてしまう状況にある点を指摘している。そこで同社は、Eコマースやレンディング・サービスと第三者機関間における、ID認証や信用スコアなどの信用情報の橋渡しを行うサービスを提供する。

端的に言えば、彼らが目指すのはEコマース及び金融サービスにおける不正防止。同社の安全で効率的なブロックチェーンベースのCredityユニバーサルアイデンティティと、独自のインセンティブ設計を持った信用システムがそれを可能にする。

彼らが活用するのはEOSという処理性能の高さ・開発の柔軟性に優れたブロックチェーンである。また顧客の情報それ自体は、暗号化された形で外部の分散型のファイル・ストレージに保存される。結果として、ユーザー情報は安全かつ不正な改竄が不可能になる。

同社のアイデンティティ基盤では、ユーザーは自分自身のデータに対し権限を持つことができる。ユーザーのデータが第三者に提供される際には、必ずユーザーの承認プロセスを踏む必要があり、そうでなければデータが復号されることはない。

上述のような高水準なデータの取り扱い規範は、ケンブリッジ・アナリティカ問題を始めとする、現在のビッグデータ及びプライバシーに関する社会問題を背景としている。実際同社は”Own Your Data”(自身のデータを自分でコントロールするべきである)というコンセプトを打ち出し、またそれが基本的人権の一つだと考えている。

CredifyのIDを作るためには、ユーザーはキャリア情報やSNSアカウント、eKYC、銀行口座、加盟保険会社などの情報を提供する。こうすることで、ユーザーは固有のデジタルID”パスポート”を獲得し、様々なデジタル・サービス上で認証や信用スコア算出などのサービスを簡単に享受することができるようになる。

同社は当面は東南アジアでのサービス拡大を目指している。東南アジア市場はフィンテック及びEコマース領域において世界で最も成長速度の速い市場。そして同時に、不正発生件数率の高さも高く、Credifyのソリューションに相応しい市場環境であると言える。

同社は先日Beenext及びDeepcore社から100万ドルの資金調達を実施している。今後のサービス拡大に向け、着実に足場が整いつつあるようだ。

【via e27】 @e27co

【原文】

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