パンデミックで拡大、ByteDanceが狙う「中国・640億ドルAIオンライン教育市場」

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ピックアップ:TikTok maker launches its own AI tutor in online education push

ニュースサマリー:ショートムービアプリ「TikTok」を運営するByteDanceは、幼少時向けAIオンライン教育アプリケーション「GuaGuaLong English」・「GuaGuaLong Mind」を4月にリリースした。同社は2018年より、同事業へ本格参入しており既に200以上の商標登録を実施しているとされる。

重要視すべき理由:ByteDanceはニュースアプリToutiaoや、ショートムービーアプリTikTokなどの機械学習技術を強みに成長を遂げてきた。インドにおいても同社はAIを活用した教育コンテンツ事業を推し進め、BtoBコミュニケーションツールLarkでも中英自動リアルタイム翻訳を搭載するなどAI事業に力を入れていることが分かる。今後は元々の強みであるAI技術により、中国の教育領域でもプラットフォームを強化し、中国の教育業界で新規参入者としてシェア拡大を狙っている。

詳細情報:ByteDanceは、2020年4月にGuaGuaLong EnglishとGuaGuaLong Mindの2つの教育アプリをリリース。GuaGuaLong Englishは2〜8歳の子供に英語を教えることを目的に、GuaGuaLong Mindは3〜6歳の子供たちに数学を教えることを目的として立ち上げられた。

  • GuaGuaLongは恐竜をイメージして作られているAIチューターのブランド。GuaGuaLong Englishでは、単語を誤って発音している場合をAIで検出することを鹿野としているのが特徴。専用アプリを通した月額・年額制のサービスとなっている。
  • 中国の国家知的財産局によると、ByteDanceは2018年から「GuaGuaLongコーディング」から「GuaGuaLong書道」までの200以上の「GuaGuaLong」商標を登録。
  • 中国のオンライン教育市場は2020年までに4,538億元(640億米ドル)の価値があると予測されており、幼稚園から高校までの幼稚園から高校までのオンライン教育ユーザーの数は今年までに約3770万人に達する。

背景:中国では、教育用アプリのデイリーアクティブユーザーが8700万人から1億2700万人と46%急増している。K-12教育プラットフォームのデイリーアクティブユーザーは、コロナパンデミックの間に2300万人増加。

中国の教育市場はニューオリエンタルエデュケーションやTALエデュケーショングループなど、3〜4社のトップ企業でも、幼稚園から高校生までのオンライン教育の市場シェアは5%未満しか占めていない。ByteDanceなどの新参者が業界を統合し、トッププレーヤーになる可能性がある。

執筆:國本知里/編集:平野武士

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