イスラエル発の養蜂自動化スタートアップBeewise、シリーズAラウンドで1,000万米ドルを調達

SHARE:
Image credit: Beewise

AI を搭載したハチ巣箱管理ソリューションを開発する Beewise は14日、1,000万米ドルの資金調達を行ったと発表した。創業者兼 CEO の Saar Safra 氏は、調達した資金を養蜂家と大規模農家の両方からの需要を満たすために使用すると述べている。

養蜂家は、ミツバチの個体群全体が突然死するコロニー崩壊など、増加する脅威に対処しなければならない。コロニー崩壊は驚くほど一般的な現象で、害虫、殺虫剤による中毒、気候変動、病気、受粉のために複数の場所に移動するなど、管理方法からのストレスなどが原因で、世界のハチの年間コロニーによる損失は平均約40%にも達している。

Safra 氏が指摘するように、世界的なハチの個体数の減少は養蜂を生業にする人たちだけの問題ではない。ミツバチは世界の野菜、果物、種子、ナッツ類の推定75%、全農地の35%で受粉している。コロニー崩壊の蔓延により、受粉コストは2004年以降3倍に、蜂蜜の価格は2010年以降50%上昇している。国連は最近、花粉を運ぶハチの減少が続けば、栄養価の高い作物——例えば果物、ナッツ、多くの野菜——は、米、トウモロコシ、ジャガイモなどの主食作物で代用しなければならなくなり、バランスの悪い食生活を招き、栄養失調につながる可能性があると述べている

自動運用可能なハチの巣箱のアイデアは、Safra 氏のビジネスパートナーである Eliyah Radzyner 氏から生まれた。養蜂を生業とする Radzyner 氏は、養蜂の方法が昔から進歩していないことに戸惑いを感じていた。ハチの巣箱は主に何百年も前から同じデザインの木箱に入れられており、センサーで監視されていないため、コロニーに病気や栄養不足などの問題が発生した場合に、それを見極めることが難しい。

Beewise が開発した巣箱「Beehome」は、コロニー40個(ミツバチ約200万匹)を収容し、養蜂家が巣箱やミツバチを遠隔で世話できる後付け型の輸送コンテナだ。コンピュータービジョン、ロボットアーム、センサー、ソフトウェアを組み合わせて使用し、重要なデータをダッシュボードに転送しながら、リアルタイムでミツバチの世話ができる。

Beewise によると、何千もの画像上で機械学習モデルの1つをトレーニングし、アブラダニを持ったハチを抽出することに成功したという(このダニはミツバチや幼虫の肝臓のような器官を餌にしているため、ハチを弱らせ、病気やウイルスにも感染しやすくする)。Beehome に搭載された Nvidia Jetson ベースのプラットフォーム上動く意思決定 AI は、影響を受けたハチの巣を他の巣から隔離するかどうかを決定する。

Beehome は、巣箱の気候や湿度をコントロールし、害虫を検知して必要なところに殺虫剤を散布し害虫を殺すことができる。別の AI システムを使用し、コロニーが大群形成の準備にある可能性を識別し、条件調整によりそれを防止する。Beehome はまた、蜂蜜の収穫準備ができているハチの巣を検出し、自動的に蜂蜜を抽出し、蜂蜜の容器が容量(500ガロン)に達すると養蜂家に通知する。また、解決できない問題については、Beehome は iPad アプリを通じて養蜂家にアラートを発する。

アボカド、アーモンド、リンゴ、コーヒーなど受粉に依存する作物を栽培する企業から多くの需要がある。

農家やその他の食品生産者は、受粉がうまくいっていないことをとても気にしている。彼らが我々に連絡してくるのは、我々の巣箱の中でハチのコロニーがどのように育っているかを知っているからで、彼らは我々が養蜂家と協業してほしいと考えている。Beewise は養蜂の再発明ではない。我々が行っているのは、養蜂家が行っている世話と同じことを、リアルタイムで、より多くのデータと有効性を持って適用できるようにすることだ。(Safra 氏)

現在β版である Beehome は、1つの巣箱あたり月額15米ドル。イスラエルを拠点とする Beewise は、世界のハチの巣箱の数を1億個、事業機会にして144億米ドル相当と見積もっており、生産を拡大しメーカーと契約後、年間数百から数千個のデバイスを提供したいと考えている。従業員15人で構成される同社には現在、40社以上の顧客がいる。

Beewise のシリーズ A ラウンドは Fortissimo がリードし、Michael Eisenberg 氏、lool ventures、Atooro Fund、Arc Impact が参加した。250万米ドルは EU の H2020 助成金プログラムから、100万米ドルはイスラエルのイノベーション庁からのものだ。

Beewise の新たな資金調達は、ハチの巣の音響データをAIモデルで分析することでミツバチの個体数の減少を理解することを目的とした、オラクルと World Bee Project との間のパートナーシップに続くものだ。Beewise の競合には、AI と衛星搭載センサーを活用して養蜂家が遠隔地からハチの巣を監視できる「ApisProtect」などがいる。ハチの活動をモニタリングするもう一つの企業 Nectar は、湿度、温度、音、振動、地理的位置、体重など巣内の主要なバイタルサインを測定できるパック型センサーを販売している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

----------[AD]----------