大卒同等と認定「Googleデータサイエンティスト育成コース」がオンライン開校へ【補足訂正】

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ピックアップ:A digital jobs program to help America’s economic recovery

ニュースサマリー:Googleは13日、デジタルスキルの習得をサポートする取り組み「Google Career Cerfiticates」へ、新たに3つのコースを追加したと発表した。コースはデータアナリティクス・プロジェクトマネジメント・UXデザイン講座で、Grow with Google上にて受講可能となる。

編集部による訂正:記事初出時、3講座が受講できる場所をGrow with Googleとしておりましたが、正しくはオンライン学習プラットフォーム「Coursera」上という話題があるものの、公式の発表では場所や時期は未定、というのが正しい情報でした。修正してお知らせさせていただきます。

同社が取り組む「Google Career Cerfiticates」は、Googleが定める認定資格として扱われる。無事コースを修了すれば、同社における特定のロールでは4年制大学卒業と同等資格として扱うとしている。

話題のポイント:Googleが公開したブログによれば、2010年以降に作られた雇用形態はその約75%が中レベル~高レベルまでのデジタルスキルを要すると明らかにしています。

しかし、経済またはその他の要因によりデジタルスキルの習得環境は大きなギャップが存在していることも事実です。そうした、ギャップを取り除き誰でもデジタルスキルを学ぶ「環境」を勝ち取るチャンスを提供する、という目的で始まったのが同社の「Grow with Google」という取り組みです。

今回のリリースタイトル「A digital jobs program to help America’s economic recovery」からもわかる様に、アメリカにおける所得分布の格差は拡大を続けています。

Image Creditn : Trends in income and wealth inequality

NPO法人The Pew Research Center’s Social & Demographic Trendsの調べによれば、年々高所得者・中間所得者・低所得者層の所得分布の分散は拡大し続けているそうです。逆に、中間所得層が占める割合は減少傾向にあり、2018年時点では高所得者が中間所得者のシェアを上回ったことを示しています。

もちろんあらゆる観点で、所得格差の是正をしていかなければいけないのは当然でしょう。しかし、デジタルスキルを身に着けることが現時点における一つの最良な選択であることは間違いありません。

また、Googleはこれらの認定資格を保有していれば同社内の該当ポジションにおける募集要項の大卒資格と同等の資格として扱うことを明言しています。そのため、Google Career Cerfiticatesが単なる形上の「資格」なのではなく、実用性が備わったものであることを自社が先導することで証明しようとしているのです。

現在、認定資格を受講するためには49ドルの費用が掛かりますが、同社は10万人に対してニーズに応じた奨学金を付与すると発表しています。

Udemyの登場など、あらゆるデジタルスキルをだれでも学べる環境は徐々に整ってきています。しかしそれでも、所得分布の分散は止まりません。テクノロジー企業の代表でもあるGoogleが先頭に立って、課題意識を提示するからこそ意味のある社会貢献となるのかもしれないですね。

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