制作会社探しの総合コンシェルジュ目指すユーティル、Web制作の次は動画制作会社紹介サービスに進出

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「動画幹事」
Image credit: Utill

約2年前に「Web 幹事」というサービスを紹介した。Web 制作をどの会社に依頼していいのかわからない中小企業向けに、要件に合わせて最適な制作会社を紹介してくれるというサービスだ。このサービスを展開するユーティルは13日、サービス対象を動画制作に拡大した「動画幹事」を正式リリースした。全国の動画制作会社1,300社超の中から最適な発注先を紹介してくれる。

ユーティルは、以前 JAFCO でネット宅配クリーニング「リネット」のホワイトプラスをはじめ、スタートアップへの投資を担当していた岩田真氏らにより2015年4月に設立。もともとは Web 制作の受託で事業を開始したが、Web 制作業界の多重請負構造や発注側担当者の知識不足から、適切な制作会社に適切な価格で依頼できていない課題を解決すべく、コンシェルジュ事業にピボットした。

「一括見積サイト」という言葉があるが、我々はこの言葉は捨てることにした。お客様に感謝されるのは、最初に相談を受ける部分だからだ。業界的には相場はこれくらいだけど、あなたの会社の予算はこれくらいだから、これくらいの乖離がある。このくらいのレベルの会社に頼むなら、このくらいの予算は必要ですね、という相談に載っている。「suumo」 や「ほけんの窓口」に近いと思う。(岩田氏)

この分野で先行する企業は複数ありユーティルは後発だが、業界トレンドや月当たりの相談数、制作会社の反応から、おそらく「Web 制作の分野では国内ナンバーワンを取れたように思う」というのが岩田氏の見立てだ。

Web 幹事の単月黒字化は今年達成できたので、動画幹事を皮切りに、それ以外にもカテゴリを増やしていきたい。(岩田氏)

意外に自動化されている〝コンサルコマース〟の裏側

打ち合わせするユーティルのメンバー
Image credit: Utill

Google に象徴されるように、とかく入手できる情報を可能な限り多く集めて提示するサービスが贔屓されがちだが、選択肢が多すぎることはストレスを招くこともある(インフォメーションオーバーロード)。これと対極的に、ユーティルでは見込客から相談を受けることで、得られた情報をもとに最適解に選択肢を減らして提示することが好意的に受け入れられているといい、岩田氏はこれを「コンサルコマース」と呼んでいる。

Web 幹事はβ運用中も全ての相談をオンラインで行っていたため、新型コロナウイルスの経済的影響をほぼ受けていない。むしろ相談件数は落ちておらず、そこからの成約件数も落ちていないという。オンラインでのリード獲得やインサイドセールスなど、非接触型営業の重要性が高まる昨今、普通に考えれば、Web 制作や動画制作の需要も高まるはずだ。

あらゆるサービスの最適な営業活動をパターン化できるのではないか。例えば、中小企業が他社から勧められて大きなサービスを導入を試みたとする。でも導入が重すぎて3ヶ月位したらあきらめがちだから、そのタイミングで、ウチが中小企業にフィットしたサービスを提案できたら、話が決まりやすいとか。(発注や導入の際も)この点が失敗しやすいから注意しましょう、みたいな進言もできるようになる。(岩田氏)

Web 幹事では制作会社のデータベースを充実させ、ヒアリング項目などをもとに顧客と制作会社のマッチング制度を高めることに成功しており、ユーティルではこのノウハウを動画幹事にも横展開する。マッチングの自動化が進んでいることで、コンシェルジュ担当者(カスタマーサクセス)は、1人あたり月間150件以上の商談が実現できているという。ユーティルでは今後、こういったコンシェル担当者の拡充を図る計画だ。

ユーティルでは、カスタマーサクセスに営業としてのスキルの高さは求めていない。むしろ、お客様に提供すべき情報をちゃんと伝えることで、高得点の発注を決めていこう、というスタンスだ。お客様と制作会社のマッチング制度は、まだまだ高められると思う。(岩田氏)

ユーティルは2017年、シードラウンドで5,700万円を調達している(エンジェル投資家からの出資に加え、金融機関からの融資を含む)。