世界で使われることにこだわったHiNativeーーLang-8の喜洋洋氏、1,500万MAU獲得までの道のり

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Lang-8代表取締役の喜洋洋氏、写真:2018年9月撮影

本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイト掲載された記事からの転載

2007年に友人同士で語学を教え合うソーシャルネットワーク「Lang-8」を開始。2012年からは拠点を関西から東京に移し、2014年にサイバーエージェント・ベンチャーズ(現在のサイバーエージェント・キャピタル)からの出資を経て同年11月、語学Q&A「HiNative(ハイネイティブ)」をリリース。

グローバルに利用されるサービスを目指して現在(※)、世界232カ国・113の言語で利用され、月間の利用数は1,500万人のアクティブユーザーを数える。(BRIDGE編集部注:本稿はLang-8代表取締役の喜洋洋氏にスタートアップにおける初期立ち上げについて聞いたインタビュー記事の転載になります。質問はサイバーエージェント・キャピタル編集部、回答は喜氏、です)

※2020年6月時点

このインタビューではサイバーエージェント・キャピタルの出資先のみなさんの成長やカルチャーに焦点を当てて、そのノウハウをお聞きしています。HiNativeは今年6月に1,500万MAUまで成長していますが、元々あったLang-8の次に手掛けた事業ですよね。サービス開発にあたって何か注意したことはありますか

喜:はい、HiNativeはLang-8の次のサービスとして2014年、僕とデザイナーとエンジニアの3人で立ち上げました。当時、シードアクセラレーションプログラムの「Open Network Lab」に採択されていて、そこには日本版「StackOverflow」のQiitaやフリマアプリのFRILL(現・ラクマ)などが在籍していて、彼らがサービスを作る際、ユーザーインタビューを中心に開発を進めていたのを見ていたんです。サービスがまだできる前からユーザーの話を聞きつつ、画面を見てもらいながら進めていた感じでした。

Lang-8から得た気付きとして次の開発に活かしたことはありましたか

喜:実はLang-8の時、色々な機能をごちゃごちゃとつけすぎてしまった反省があったので、HiNativeについては素早い回答をしてもらうということに集中して開発したんです。例えば画面が分かりづらいという意見をもらったらチュートリアルの改善をして対応したり。あと、大切なのは本質的な部分は出してみないと分からないということですね。ただ、当時はこういう質問回答形式のニーズがなかったらピボットしよう、というわけにはいかなかったですけど。

Lang-8のビジョン

世界中のネイティブスピーカーの知と経験の共有

HiNativeの成長過程

2014年11月:HiNativeを開始
2018年05月:500万MAU
2019年12月:1,000万MAU
2020年06月:1,500万MAU

初期のサービス成長はどのような分担で、そして立ち上げの施策はどのようなものでしたか

喜:2014年に開発して、当時はメンバーの人数も少なかったですからそれぞれやることも明確でした。基本的な機能が足りてなかったので開発はそれを追加すること、そして流入についてはLang-8があったので、そちらからの流入とあとは自然流入ですね、こちらで伸ばしていました。

シンプルに広告に資金を投入できるような財務状況じゃなかった、というのもありますが、それ以外にやることが多かったというのが本音です。ただ、2016年に資金調達をしてそこからは意識を変えていきます。

HiNative

喜さんはLang-8での反省として調達した資金の使い方に迷いがあったと過去のインタビューで回答されてました。2014年1月にサイバーエージェント・キャピタルから調達した後、2016年10月に2億円の調達に成功し、2018年9月にはその次のファイナンスに成功されています。資金の使い方と立ち上がり期の成長施策について教えてください

喜:2016年の調達はまだエンジェルラウンドで、個人投資家がメインでした。だから資金はマーケティングというより採用です。ベンチャーキャピタルからの調達がやはり中心の時期でしたから、説得材料を作るのが目的でした。アクセス数やMAU、こういった数字を伸ばすことですね。その後、YJキャピタルさんに6億5000万円を出資してもらったんですが、このタイミングはユニットエコノミクスが見えてきていて、もうすぐ成り立ちそうだ、ということから決めてもらいました。

特にHiNativeの成長を語る上で重要な施策にインフルエンサーを活用したものがありますよね。ちょうど成長グラフの最初の角度が変わったあたりです

喜:はい、2016年のファイナンスのあたりからマーケティングでYouTuberを採用するんですが、まず課金の改善をして、それからですね。たまたま知り合いにYouTubeを使ったマーケティングをしてみたら、ということで紹介してもらったのが始まりです。やってみるとCPAが格段に安くなってしかも再現性がありました。HiNativeと相性がよかったんだと思います。すごくリテンションも高かったので、アルバイトを採用してここを徹底的に伸ばしていきました。

ただ、広告を踏み込むのってそこまで考えてなくて、インフルエンサーマーケティングについてはもう2年前からやっていないです。というのも、やっぱり慣れてくるとCPAって徐々に上がってくるんですね。恐らく取り切ってしまったのだと思います。そこでオーガニックに切り替えてます。

マーケティングで積み上げたユーザーさんが作ってくれた回答がそのままウェブで公開されて、検索流入につながり、そこから入ってきた人たちがまた会員になってくれる、というサイクルです。閲覧する人たちが徐々にダウンロードしてくれるようになるんですね。このぐらいのモデルが回るようになってからマーケティングについては権限移譲を進めて、加速させています。

初期はLang-8のユーザー資産からHiNativeのテスト的な利用を開始し、その後、ファイナンスと共にマーケティングで角度を付けてユーザーがユーザーを生み出すサイクルを作る。その後はオーガニックにSEO中心の施策に移行する、そのような流れということですね

喜:そうですね、(マーケティングも大切ですが)とにかくアプリをよくしていくことばかり考えていました。SEOについても当初は興味がないというか、必要性を感じていなかったんですが、現在は詳しい方に入っていただいて、進めています。これはやるだけ伸びていくので去年は飛躍の年になっています。

これらを支えるチームはどのように作っていますか

喜:今は過去最高に雰囲気がいいですね。特に1on1を導入してから、定期的に設定を細かく共有したり、毎月オンラインで方針を共有しています。僕もみんなからの意見をこれまで聞いていた「つもり」だったのを改善しました。まあ、任せるというと聞こえはいいですが、任せられるモチベーションとスキルの話があるので、モチベーション的にお任せできる方には目標管理までお願いするようになってます。

体験入社を進めていて、エンジニアやデザイナーなどスキルマッチが必要な方については、例えば副業的に土日採用とかを積極的に進めていて、ミスマッチがないか確認してから、コミュニケーションやリファレンスなどを確認して入ってもらうようにしてます。

ありがとうございました。