韓国の「輝かしい」5G、2021年に他国を牽引する存在に【RootMetrics調査】(1/2)

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Image Credit: RootMetrics

第5世代移動通信システムは、第4次産業革命の背後にあるネットワークインフラストラクチャとして広く期待されているが、米国では全国の5Gネットワーク網は、未だ4Gをほとんど上回っていない。この目に見えないワイヤレスネットワークは、最終的にデータプロセッサを数千の工場、数百万のセンサー数十億のクライアントのデバイスに繋ぐことになるだろう。

しかし、世界中どこでもがそのような状況かというとそうではない。ネットワークアナリストのRootMetricsのレポートによれば、最近の韓国の5Gネットワークは明らかに世界をリードし「はるかに先を行っている」とわかるほどにパフォーマンスが急上昇し、他の国が「比較的短期間で劇的な改善を実現する」ために役立つ青写真を提供している。

RootMetricsのその新しいレポートでは2021年の展望として、5Gが早い段階での商用化から数年経過し、ようやくこれまでの変革の約束を実現し始めることを示唆しているため、技術的な意思決定者にとっては重要なものになるだろう。RootMetricsは9月中旬から10月中旬にかけて韓国の7つの主要都市の屋外4,055kmと屋内の175箇所でテストを行い、2019年と2020年の結果を比較したところ、特に「モバイル利用のピーク時」に3つの主要なパフォーマンスカテゴリ(平均ダウンロード速度、レイテンシ、可用性)で「大幅な改善」が見られたことが明らかになった。

国の3つのネットワークキャリアであるKT、LG U+、およびSK Telecomはそれぞれ、ネットワークの改善のおかげで前年と比べ「5Gの利用可能性が大幅に広がり、速度が向上した」とのことだ。

現在、上位3つの通信事業者全体での5Gダウンロード速度が平均約75Mbpsである米国とは異なり、韓国の通信事業者全体での5Gダウンロード速度の中央値は400Mbpsから600Mbpsの範囲 (米国の5〜8倍の速さ) で提供されており、4G/5G のダウンロード速度では350Mbpsから450Mbpsの範囲となる。

両者の違いは5Gの可用性に起因する。ユーザーは5G基地局に接続すると高速になるが、それ以外では4Gに接続するため、350〜450Mbpsという数値は4G/5Gの平均を反映している。過去2年間で、韓国の通信事業者は非常に多くの5Gインフラストラクチャを整備してきたため、テストを行った7都市の60〜70%で5G高速通信が一般的に利用可能となっている。あるキャリアは、テストした中で最もカバー率の低い都市は55%程度だったが、他の2つの都市でのカバー率は90%を超えていた。

この点は地域によっては問題を抱え、5Gネットワークの整備をサポートする統一的な規制がまだ未整備な米国とは非常に対照的だ。一部の地域に関連した問題が原因で、米国トップキャリアのVerizonは、短距離向け高速通信サービス「5G UWB(ウルトラワイドバンド)」の地理的カバー率は5%未満にとどまり、最近「5G Nationwide」と呼ばれる4Gライクな代替サービスの提供を米国の人口の50%に対して開始した。

ライバルのT-Mobile は、これまでのところ Verizon のピーク時のダウンロード速度には及ばないが、以前よりも平均的に良いパフォーマンスを提供する長距離伝送の5G通信というソリューションを展開することで、地域的な問題を回避した—しかし残念ながら速度は75〜80Mbps程度にすぎない。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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