
Image credit: TechNode/Shi Jiayi
中国のフードデリバリ最大手「Ele.me(餓了麼)」の配送業者 Fengniao(蜂鳥)の配送ステーション前で、配達員が自らに火をつけた動画が拡散し、中国のテック業界の劣悪な労働条件に再びスポットライトが当てられている。
詳細:江蘇省東部の泰州市の中心部で、配達員を巻き込む炎を消す様子を映した短い動画(編注:本映像には刺激の強い描写が含まれています。閲覧の際はご注意ください)が中国のソーシャルメディア上で拡散した。この人物は病院に搬送され、命に別状はないと報告されている。
- 1分間の動画が撮影されたのは、炎に包まれた男性が路上に横たわっている状態で発見された11日の朝の風景だ。地元住民がその場に駆けつけ、消火器で火を消した。火が消された後、男性は感情的になっており、群衆に向かって「命も欲しくない、苦労して稼いだお金を返して欲しかった」と語っている。
- この賃金問題に詳しい関係者によると、この配達員が Fengniao で働く専属契約を結びながら、他の複数のデリバリプラットフォームで働くために欠勤したことが関係していたという。
「#江蘇一外売員点燃身上汽油自残#(江蘇省の配達員がガソリンで焼身自殺)」と題された Weibo(微博)のハッシュタグは、12日朝の時点で128万ビューを集めていた。 - TechNode(動点科技)が Ele.me に確認したところによると、この男性は Fengniao からアウトソースされた人材紹介会社の元従業員だったという。
悲劇的な出来事に悲しみを感じている。状況は現在調査中であり、現段階ではコメントできない。(Ele.me の広報担当者)
背景:中国のテック企業は、労働者に金銭的な圧力をかけているだけでなく、過剰な残業スケジュールを強要していると非難されている。
- インターネットライフスタイルプラットフォーム大手各社の台頭を支える、何百万人にも及ぶフードデリバリ配達員の労働条件は、配達員のストライキに始まり、配達員が店の従業員を刺す事件にまで発展するなど、中国では長い間問題になってきた。
- Alibaba(阿里巴巴)の支援を受けた Ele.me は、業務中に死亡した43歳の配達員の家族に2,000人民元(約32,000円)の補償金しか支払わないと発表し、世間の怒りを買った。その後、同社は補償額を60万人民元(約960万円)に引き上げた。
- Alibaba 競合の「Pinduoduo(拼多多)」も、残業の社風から同様の反発を買う状況に直面している。
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