子どもの車内放置死を防ぐアラームシステム「Filo Tata」

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画像出典:Filo

ピックアップ:Filo’s Tata prevents parents from forgetting kids in car seats

ニュースサマリ:イタリアのスタートアップFiloは、子どもが車内に置き去りにされた際にアラートを送るチャイルドシート用のパッドおよびバンドを開発し、1月11日〜14日にバーチャル開催されたCES2021でデモを行った。

詳細な情報:Filoは2014年にイタリア・ローマにて創業。2014年に「Filo Tag」と呼ばれる鍵や財布といった貴重品に付けるためのBluetooth対応トラッカーを発売した。今回CESで発表されたチャイルドシート用アラートシステム「Tata」は2019年にイタリアで発売され、すでに100万台以上を販売しているという。同社は2020年4月に、250万ユーロの資金調達も完了している。

  • Tataは子どもが車内に放置された際、Bluetooth経由で親のスマートフォンにアラートを送る。チャイルドシートの上に置くパッド型と、ショルダーストラップに取り付けるバンド型がある。子どもがシートに座っているものの、親(のスマートフォン)がその場を離れてしまった場合に感知しアラートを送るという。
  • アラートは1回限りではなく、接続が失われた3分後に音声通知、4分後に電話、さらに7分後には親のスマートフォンとは別に登録した緊急連絡先へ電話で警告を行う。パッドは洗濯可能で、最大1年間使用可能な電池を使用している。
  • 同社はすでに世界30カ国で特許を取得しており、米国でも2021年第4四半期までの発売を予定している。
  • Tataの価格はバンドおよびパッドともに60ドルで、自社サイトだけでなくAmazonなどの代理店を通じても販売される予定だという。

背景:両親がいるにも関わらず車に放置したことを忘れる、という点で意外に思うかもしれないが、実際に事故は起きている。また、シッターなどに預けた場合のケースで両親に電話がかかるというのもポイントになるだろう。熱中症に関するデータサイトNo Heat Strokeの報告によると1998年〜2020年の間、アメリカでは毎年平均38人の子供が車内での熱中症で死亡している。日本でも、パチンコ業界団体らによる子どもの車内放置撲滅キャンペーンの報告によると平成20年(2008年)からの11年間で、ホール駐車場において8件の死亡事故が発生しているという。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:岩切絹代

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