創業から10年、「マンガKING」運営のロケットスタッフをアニメイトが買収

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Image credit: Wikimedia Commons / Rocket Staff

マンガ読み放題アプリ「マンガ KING( iOS / Android )」の展開で知られるロケットスタッフは20日、アニメ関連商品販売チェーンのアニメイトに買収されたことが明らかになった。買収金額は不明だが、アニメイトはロケットスタッフの日本法人と韓国法人の70%の株式を取得し、ロケットスタッフはアニメイトの連結子会社になると見られる。

この買収を受けて、アニメイト代表取締役の高橋竜氏と同社取締役数名が、ロケットスタッフの日本法人と韓国法人(로켓스태프)の取締役に就任する見通し。なお、ロケットスタッフ創業者の高榮郁(Kou Youngwook、고영욱)氏は今後も同社の代表取締役を務め、ロケットスタッフの事業内容に大きな変化は無いと見られる。

2,400億円規模とされる日本のアニメ市場において、アニメイトのグループ全体での売上高は約650億円(2019年実績)。実に3分の1を占める業界超大手だ。グループ会社は約30社ほどあり企業買収にも積極的だが、スタートアップコミュニティに身を置く者にとっては、イラストコミュケーションサービスを提供する「ピクシブ」が2015年にアニメイトグループ入りしたのは記憶に新しい。

ロケットスタッフのメンバーの皆さん(一部)。前列左が創業者で代表取締役の高榮郁氏。
Image credit: Rocket Staff

高氏は今から20年前、二十歳にして韓国から単身来日。テレビ局での勤務などを経て、2010年11月にロケットスタッフを設立した。韓国出身という出自を生かし、日本と韓国をまたいでのアプリ開発、アプリマーケティングのコーディネイト、韓国の IT テレビチャンネル向けに日本のテクノロジー事情をレポートする特派員の役目などを担っていた。手がけたアプリの代表作には、近くにいる人々とチャットや写真共有を楽しめる「Peppermeet(ペッパーミート)」や、ユーザが広告を見てポイントを貯められる「AD&JOY(アドエンジョイ)」などがある。

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ロケットスタッフは2018年、ブロックチェーンを使った非中央集権型アドネットワーク「ACA NETWORK」の開発に着手したが、これはうまくういかずサービスをシャットダウン。現在は、マンガアプリ「マンガ KING」が主力サービスとなっている。マンガ KING は、出版社と提携して以前に発行されたマンガをデジタル化、広告から得られる収入を出版社とレベニューシェアするビジネスモデルで運営されてきた。マンガ KING 上で無料で読める漫画の本数は50,000話以上、エピソードの累計ダウンロード数は3億件以上に達している。

ロケットスタッフがアニメイトのグループに参画することで期待されるのはアニメイトのデジタル事業推進、俗に言われる DX(Digital Transformation)だ。以前のインタビューで、高氏は、台湾や韓国の人気漫画家チームと提携、ブロックチェーンを使ったマンガの新流通システムの構築、出版社などと連携したファンの評価がクリエイターのモチベーションや収入につながる独自のエコシステム作りなどの構想を明らかにしていた。アニメイトグループ入り後の具体的な事業展開については、改めて詳報をお伝えしたい。