越境寄付型クラウドファンディング「Airfunding」、シエラレオネの起業家育成で国連組織と提携

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Image credit: Kiheitai

※この記事は英語で書かれた記事を日本語訳したものです。英語版の記事はコチラから

クロスボーダーの寄付型クラウドファンディング「Airfunding」を運営する奇兵隊は24日、国連組織の国際移住機関 (IOM; International Organization for Migration)と提携合意したことを明らかにした。Airfunding を通じて、シエラレオネの起業家育成支援を行う。

奇兵隊は2010年9月に設立。当初はインキュベイトファンドの和田圭祐氏やが村田祐介氏(共に代表パートナー)が主体となって設立され、現在 CEO の阿部遼介氏が後から参画したユニークな経緯を持つスタートアップだ。これまでに、Airfunding の他に写真投稿で世界中の人と繋がれる SNS「Airtripp」などを立ち上げている。

アメリカでは、ライフイベントに対する祝賀や、事故や病気などの困難な状況に対する支援で「GoFundMe」というクラウドファンディングプラットフォームが多用される。昨年大晦日、サンフランシスコの SOMA で轢き逃げ事故に遭った日本人女性の家族を支援しようと GoFundMe で支援の和が立ち上がったのは記憶に新しい。Airfunding は GoFundMe の越境版と見るとわかりやすい。

寄付先は、ASEAN やラテンアメリカの国々が多い。毎月、17,000〜18,000 のプロジェクトが作られ、多くは親戚、家族、高校の同級生、知人などから資金を集めている。医療支援、災害支援、はたまた、サッカー留学の支援など、支援内容はさまざまだ。(阿部氏)

海外にも、当該国で支援を行っている NGO は存在するが、NGO は当該国以外では活動していないことが多く、そのため、当該国以外ではその組織の存在や社会問題の存在を知られることも少ない。クラウドファンディングというプラットフォームに載せることで、国を超えた資金流通を滑らかにし、社会問題を世界の目の前に露見させることは Airfunding は意図しているようだ。

Airfunding の直接のターゲットは個人だが、その存在を知ってコンタクトしてくる NGO や NPO も後を絶たない。そんな中で、IOM が西アフリカのシエラレオネで2,000人の若者を職業訓練し、200人を起業家にするプロジェクトに取り組むことを知り今回の合意に至ったという。Airfunding が個人ではなく組織を支援するのは今回が初めて。

Airfunding はこれまでに200カ国超の20万以上のプロジェクトを通じて、総額約2億米ドルを支援してきた。奇兵隊はこれまでに i-nest Capital をはじめ複数のベンチャーキャピタルから資金調達を実施している。

<参考文献>

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