営業を科学するBuff、CACとデライトVから6,100万円を調達——顧問事業に加え、SaaS単体での販売も好調

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左から:永原健太郎氏(デライト・ベンチャーズ)、南場智子氏(デライト・ベンチャーズ)、中内崇人氏(Buff)、北尾崇氏(サイバーエージェント・キャピタル)
Image credit: Buff

営業顧問事業を提供する Buff は28日、ポストシードラウンドでサイバーエージェント・キャピタル(CAC)とデライト・ベンチャーズから6,100万円を調達したと発表した。これは、Buff にとって2019年3月に実施した CAC からのシード調達に続くものだ。同社では営業顧問事業に加え、今年から新たに単体販売を開始した営業顧問特化 SaaS「SALESCORE」を強化するため、今回調達した資金を使って、採用による組織拡大と開発を行うとしている。

Buff は2018年12月、神戸大学の起業家精神育成ゼミ出身で、DeNA でゲームディレクターなどの経験を持つ中内崇人氏により創業。キーエンスや Salesforce の営業部門など、個人プレイではなく環境要因やチームの力で成長している営業組織を参考に、営業を成長させる仕組みをプログラム化しようと始まったのが Buff の営業顧問事業だ。この営業顧問事業を支援するために開発したのが SALESCORE で、元々は営業顧問事業のユーザ企業向けだったが、今年から SaaS 単体での販売も開始した。

リード獲得から受注まで、各プロセスで自分の目標や KPI に対して、現状どのような状況にあるのかを把握することが必要。Salesforce や HubSpot にも営業改善の機能があるので使ってみたが、これらのツールは過去をレビューすることに主眼を置いているので、うまくいかなかった。そこで、Salesforce と連携して、PDCA を回すためのツールとして SALESCORE を開発した。(中内氏)

「SALESCORE」の画面イメージ
Image credit: Buff

KPI や目標については、これまでも営業顧問事業でやってきたことだ。SALESCORE で特徴的なのは、達成度が一目瞭然なところ。各プロセスについて、営業日ベースで今月は今の段階で達成できているとか(緑色表示)、負けているかとか(赤色表示)を確認できる。マネージャーと営業担当者が、データをもとにこの画面を見ながら話をし、PDCA が一周する、という使われ方が多い。(中内氏)

Buff の営業顧問を受けた企業は、平均すると4ヶ月程度の期間を経て〝卒業〟していく。ただ、卒業してからも Buff が頼りにされることは多く、そういった企業を支援するツールとして使われたのが SALESCORE の始まりだ。前述のようにマネージャーと営業担当者間のコミュニケーションツールとしても機能し、リモートワークとの相性も良い。SALESCORE 単体で利用を始めるユーザ企業も現れはじめ、既存ユーザと近日利用開始を内諾している企業をあわせ10社ほどになるという。

Buff が取り組む sales enablement の領域には海外でも多くのスタートアップが生まれている。最近では創業から9年目を迎えるシアトルの Highspot が2億米ドルを調達しユニコーンクラブ入りを果たした。中内氏によれば、海外ツールは多機能化が進み、ツール毎の機能差分は見られなくなりつつあるそうで、Buff では「営業を科学する」ことを営業組織の顧問事業を通じて実績を積み重ね、それを支援できるツールに落とし込む開発力で差別化を図っていきたい、と抱負を語った。

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