政府がユニコーン候補20社を公表、ユニコーンになるための条件とは?——韓国スタートアップシーン週間振り返り(6月28日~7月2日)

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本稿は、韓国のスタートアップメディア「Startup Recipe(스타트업 레시피)」の発表する週刊ニュースを元に、韓国のスタートアップシーンの動向や資金調達のトレンドを振り返ります。

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6月28日~7月2日に公開された韓国スタートアップの調達は15件で、資金総額は1,696億5,000万ウォン(約166.3億円)に達した。

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主なスタートアップ投資

調達額100億ウォン(約9.7億円)以上

  • AI ベースの数学問題を解くアプリを運営する Mathpresso(매스프레소)が560億ウォン(約54.9億円)を調達した。累積調達金額は1,200億ウォン(約118億円)に達した。わからない問題を写真に撮ってアップロードすると解説を受けられるサービスで、毎月世界中の50カ国980万人が利用。調達した資金を使い、非対面教育ソリューションとコミュニティを披露する計画。
  • 人工知能(AI)の統合相談ソリューション「Cloudgate」運営会社 The White Communication(더화이트커뮤니케이션)が270億ウォン(約26.5億円)を調達。非対面環境に最適化されたソリューションで、在宅勤務環境でも相談サービスを提供可能。調達した資金は、サービスの高度化とグローバル市場の拡大に利用する。
  • キャリア関連コンテンツのサブスクリプションサービス Publy(퍼블리)が135億ウォン(約13.2億円)を調達。パブリッシュメンバーシップ有料顧客数は、6月だけで過去同期比300%増加した。サービス「Careerly(커리어리)」の月間訪問ユーザ数は10万人を突破。調達した資金は学習フルソリューションの構築、ネットワークサービスの強化、人材募集に活用される予定。
  • インドネシアの e コマースソリューション「Tokotalk」運営会社 Codebrick(코드브릭)が132億ウォン(約12.9億円)を調達。モバイルに特化した e コマースソリューションで、SNS 上で検索・購入・決済・配送などをワンストップで提供。サービス開始から3年で累積販売数50万人を突破。

その他の調達

  • チャイルドケアプラットフォーム「Tictoc Croc(째깍악어)」が60億ウォン(約5.9億円)を調達。累積調達額は140億ウォン(約13.7億円)に達した。満1歳〜小学生を対象にシッターや学習サービスをオン&オフラインで提供、育児ナンバーワンのカテゴリーキラーにサービスを拡張させ、育児サービス分野のスーパーアプリを目標に掲げる。
  • 宿泊予約プラットフォーム「Stay Folio(스테이폴리)」が50億ウォン(約4.9億円)を調達。「ファインステイサービス」を標榜し、高品質宿泊施設の提供で差別化。自主運営の宿泊サービスを拡大する一方、アジア主要国に進出する計画。
  • デジタルデンタルケアスタートアップ Kitten Planet(키튼플래닛)が50億ウォン(約4.9億円)を調達。拡張現実(AR)とゲームの要素を活用した歯磨き教育モバイルアプリ「Brush Monster」運営、国内外20万人以上の家庭で歯磨き習慣の形成に利用された。調達により、すべての年齢を対象に口腔の健康を向上させるデジタル製品を開発する計画。
  • 無人自動化ロボットキッチンプラットフォームサービス会社 Future Kitchen(퓨처키친)が30億ウォン(約2.9億円)を調達。変化のない飲食市場の生産構造を革新するため、自動化されたシステムの構築を準備し、ロボットが生産・配達するモデルを年内にリリースする予定。

トレンド分析

ユニコーン候補になるための条件

ユニコーンに成長する可能性が高い、ユニコーン候補20社が発表された。政府は、2019年から「ベビーユニコーン」「ユニコーン候補特別保証」などステージ別支援事業を通じ、ユニコーンを育てる「K-Unicorn Project」を進めている。ユニコーン候補特別保証企業に選ばれると、100億ウォン(約9.8億円)まで特別保証を受け安定的に成長することができる。ユニコーン候補に選定された後は企業成績にも目が行く。Zigbang(직방)はユニコーンとなり、Riiid(뤼이드)はソフトバンク・ビジョン・ファンドから2,000億ウォン(約196億円)の調達に成功し、済州ビールは KOSDAQ 上場、Croquis.com(Zigzag=지그재그)は Kakao に買収される成果を収めた。

今回選抜された20社の平均調達額は222億ウォン(約21.8億円)、2020年の平均売上高は140億ウォン(約13.7億円)だった。売上が全くない社もユニコーン候補に選ばれ、財務的成果だけでなく、成長可能性も重要な選定基準として評価されたことがわかる。20チーム中の主要なサービスを選んで選定理由と売上などの詳細を調べてみた。

  • Law&Company(로앤컴퍼니)は、法律サービスの広告プラットフォーム「Lawtalk(로톡)」を運営するリーガルテックスタートアップだ。プラットフォーム登録弁護士数は4,000人で、業界トップシェアを記録しており、国内リーガルテックスタートアップのブランド認知度としても上位を維持している。売上高は非公開だが、広告・マーケティングに有意義な売上成果を出しており、リーガルテック全体に及ぶ事業拡大を計画していることから成長の可能性が高く評価された。
  • Music Cow(뮤직카우)は2016年に設立された音楽著作権株式取引プラットフォームで、証券取引所と同じ構造の分割音楽著作権売買システムを独自開発運営している。最近アート、不動産などの代替資産に投資する MZ 世代(ミレニアルと Z 世代)の注目を集めており、今後の海外市場への進出と、ウェブトゥーン・Web 小説・ドラマ・映画など多様な文化 IP に拡張する成長性を認められた。2020年の売上高は128億ウォン(約12.6億円)だ。
  • Socialbean(소셜빈)はインフルエンサーレビューで製品を宣伝し、販売するためのプラットフォーム「Hott(핫트)」を運営する。売り手は Hott を通じ製品販売の機会を、インフルエンサーは広報活動を通じた収益を得られる。PB 商品の企画・製作も可能で、顧客の購買傾向を分析し、クラウドファンディングの「Wadiz(와디즈)」との連携を進めるなど、拡張性・成長性が認められた。
  • TeamFresh(팀프레시)は賞味期限が短い生鮮食品生産地と消費者をつなぐコールドチェーン物流企業だ。物流センターで別々のサプライヤから受け取った複数アイテムを注文時にまとめて処理するため、荷主が複数パッケージの送料を負担する必要がないメリットがある。2020年の売上高は337億ウォン(約33.1億円)だ。
  • Twinny(트위니)は自律走行ロボットを開発・製造する産業用ロボットメーカーだ。自律走行や混雑走行で重要な台車の位置と軌跡演算アルゴリズムを開発し・保有しており、発売された製品「NarGo(나르고、「運ぶ」の意)」「TarGo(따르고、「ついていく」の意)」で商品性が認められた。最近、自律走行ロボットの活用が倉庫・介護施設・空港などの非製造環境でも高まっており、今後、物流業界など 3D 分野の人材不足を置き換え、さまざまな分野に拡張可能である点が高い評価を受けた。
  • Fitpet(핏펫)はペットの全ライフサイクルにわたるサービスを提供するペットテックスタートアップだ。ペットモバイル健康診断キット「Ahead(어헤드)」を主力製品とし、ここで得られたデータに基づいて、顧客ニーズに合った商品をレコメンド・販売する「Fitpet Mall(핏펫몰)」と動物病院検索サービスも提供している。ペット用キットを核にさまざまなサービスを立ち上げ・強化しており、収益性はさらに高まるものと評価された。2020年の売上高は201億ウォン(約19.7億円)を記録した。
  • Linkflow(링크플로우)は、ネックバンド形状のウェアラブル360度映像カメラを製造している。Linkflow は、小型モバイルデバイスでも利用できる性能を確保したハードウェア軽量化技術、多数のカメラを使用して得られた個々の映像を自動的に補正する技術などで、CES Innovation Awards を3回受賞し技術力が認められた。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】

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