スマホで質入れできるアプリ「CASHARi(カシャリ)」運営、プレシリーズAで1億円を調達

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ガレージバンクの皆さん。
Image credit: GarageBank

コンシューマ向けのセールアンドリースバックサービス「CASHARi(カシャリ)」を運営するガレージバンクは13日、プレシリーズ A ラウンドで1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドには、W ventures、マネックスベンチャーズ、個人投資家として山崎令二郎氏(アールキューブ代表取締役)が参加した。これはガレージバンクにとって、昨年11月に明らかになったシードラウンド(W ventures、イーストベンチャーズ、有安伸宏氏から約4,500万円を調達)に続くものだ。累積調達額は1億5,000万円。

ガレージバンクは、建設業マッチングの助太刀で、個人事業主向けファクタリング、プリペイドカード、保険などの事業開発・運営に携わった山本義仁氏(現・代表取締役 CEO)により2020年設立。セールアンドリースバック、つまり、不動産や機械・設備などを売却しつつリースで使い続ける仕組みを個人向けにカスタマイズしたサービスを提供している。言わば現代のデジタル質屋だ。フリマアプリでは売った品物は手元から無くなるが、CASHARi なら手元に品物を残して使いつつ、急場の資金ニーズを補うことができる。

「CASHARi(カシャリ)」
Image credit: GarageBank

CASHARi の特徴は、家にいながらスマートフォンだけで質屋体験ができる点だ。本人認証には TRUSTDOCK の e-KYC が採用され、登録された住所とスマートフォンの GPS 情報が合致しないと、品物を査定依頼に出すことはできない。山本氏の相棒で共同創業者兼代表取締役 COO の磯田岳洋氏が、家業の質屋で得たノウハウも多分に生かされていて、3枚の写真だけでブランド品などの真贋判定ができるのも強みだ。これまでに1万人以上のユーザが登録していて、査定件数は7,500件を突破した。

一般的な質屋では客の80%を40代が占めるが、CASHARi では20〜30代が約80%と対照的な結果が出ている。扱う商品としては、デジタルガジェットや、ルイヴィトンのブランド品が多いそうだ。品物を手放したくない、価格査定や売れるまでの時間を待ちたくない個人事業主、専業主婦などが当座の運転資金確保、生活費補填のために利用しているケースが多いのは従来の質屋と似ているが、店舗を持たず固定費がかからない分、市中のリサイクルショップよりも高く買い取れることもあるそうだ。

個人が急場を凌ぐ資金ニーズには消費者金融などが多用されてきたが、総量規制の強化などを理由に貸付残高は年々減少傾向にある。一方で資金ニーズは減っているわけでなく、昨今の BNPL(Buy Now, Pay Later)ブームの追い風になっている可能性は否めない。山本氏は今回調達した資金を使い、人員強化と UX 改善を図り、セールアンドリースバックを個人の資金調達手段の一つとして定着させたいと語った。来年以降には、自動車などを使ったバックファイナンスのスキーム導入も検討しているという。

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